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世界中に感染が広がる中での中国のワクチン外交 [ヨモヤ]

新型コロナウイルスの世界での感染者が9,000万人を超えたらしい。
早晩、1億人も突破するだろう。
こうした状況の中、ウイルスの震源地であった中国がワクチン外交を展開している。
先日の新聞紙面でも、
「中国の王毅国務委員兼外相がアフリカ5カ国の訪問を終え、新型コロナウイルスのワクチンや金融支援で取り込みを進めた」
との記事が掲載されていた。

今回王毅外相が訪問したのは、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、ボツワナ、タンザニア、セーシェルの5カ国。
アフリカ各国の共通の課題として、
・新型コロナウイルスの流行が止まっていないこと
・コロナウイルスのワクチンの確保が進んでいないこと
・インフラの整備が急務だが、資金が不足していること
といった点が挙げられる。
そして、これらを解決できるのが中国なのである。

中国は、国内景気も好調とされているが、手を緩めることなく海外市場の開拓を進めている。
国内人口が早晩減少に向かうことが予想されており、それに備えてのことだろうか。
日本のバブル崩壊などを参考にしてか、常に先手を打ってきている印象である。
そして、そのターゲットとなっているのが、今後の成長の中心地と見られるアフリカである。

中国は積極的にアフリカ諸国のインフラ投資に関与し、恩を売っている。
しかし現地では、中国から借り入れた巨額の資金の返済が難しくなる「債務のわな」への批判も高まっているという。
今回の王毅外相の訪問では、債務の軽減も示されたらしい。
ワクチンが確保できて、借金が減らされるとなると、アフリカ各国としては大変ありがたい話だろう。
その結果、ナイジェリア外相が台湾や香港を巡る問題で
「中国を断固として支持する」
と発言したほか、他の国々も中国の「核心的利益」に支持を表明した。

もともと、中国にとってアフリカは国連の場で中国支持を取りつける「票田」になっているらしい。
香港国家安全維持法や新疆ウイグルを巡る人権問題を巡ってアフリカ各国は中国支持を表明した経緯がある。

コロナが広がる中でのこうした中国の動きに眉をひそめる方もおられるだろうが、国際社会とはこういうものと割り切るべきだろう。
中国だけではなく、どの国も国益を最優先に、それぞれが持っているカードを切ってくる。
中国はわかりやすい動きをするので目立つ面はあるが、世界中やっていることはそう変わらない。

そんななか、日本の外交は、とてつもなく甘く感じられる。
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」いるのだから、それが日本のやり方とも言える。
甘いやり方が機能していない場合が少なくないように思えるが、功を奏している面もあるようだ。
アメリカと中国という、覇権主義的色彩の強い2大国がやり合うなか、
日本流の外交はどうあるべきか、よりシビアに考えていかなければならない。
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