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ワクチンのことを伝えるときには全体像をしっかりと ~ せめてテレ東さんだけでも ~ [ヨモヤ]

去年の今ごろ、
「日本の感染者数は先進国の中では異例なほど少ない」
と指摘する人がいると、
「そんなことは自慢にならない。東アジアの中ではむしろ多いくらいだ」
との反論が返ってきた。
今は、
「日本のワクチン接種は、先進国の中では最低水準」
と批判される。

日本の行動規制は他国と比べると、これも異例なほどゆるく、
学校が開いていたことはもちろん、
レストランも映画館も、制約はあったとは言いながらほぼずっと開いていた。
他国では、
学校は閉校、レストランや映画館も完全閉鎖、というところが少なくなかったし、
今年に入ってからもそのような状態が続いたのだが、
「日本人はもう我慢の限界」
とおっしゃる方も少なくない。

ワクチンの接種が遅れたことで、
日本のコロナ対策は惨敗のように言う方がおられるが、
果たしてそうだろうか。
接種が進んでいることが伝えられるアメリカでは、
これまでに感染者は3,000万人を超え、死者は60万人を超えている。
こちらもワクチンの優等生とされるイギリスでは、
感染者は470万人を超え、死者は12万人を超えている。
日本では、
感染者は約80万人、死者は1万5千人である。
日本のコロナ対策を全否定される方は、
ワクチンの接種が半年早い国と、
死者が何十倍も出てしまった国と、
どちらがいいと考えておられるのだろう。
もちろん、ワクチンも早い、感染者もいない、という国がいいのだろうが、
そんなうまくいくわけがない。

6月25日、「ガイアの夜明け」という番組でワクチンについて特集していた。
世界50か国に住む日本人に聞いた、
というもので、いろいろな国のワクチン事情が報告されていた。
私は「ガイアの夜明け」を番組開始当初から見ていて、丁寧な取材ぶりに敬意を持っている。
しかし今回は、ワクチンの遅れの一点をとらえて、日本はダメだと決めつけているように感じられた。
他のメディアはともかく、テレ東さんだけはと思っていただけに残念だった。

私も、日本がワクチンで世界をリードできなかったのは残念だと思う。
政治家や行政の動きが、危機対応として十分であったか、検証の余地は大いにあると感じる。
ただし、感染者数が少なく、自前のワクチンを作る能力にも限界があった日本が、
先頭を走れなかったことはやむを得ない面もある。
韓国や台湾といった、コロナ対策の優等生とされていた国の状況を見てもそれはわかるはずだ。

反省して次に活かすのはいいことだと思う。
しかし、全体を見ず、部分だけをとらえて全否定するのは生産的とは言えない。
そんな報道が繰り返されているが、とっくにあきらめている。
ただ、
テレ東さんだけは、頼みます。

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