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映画評 「イソップの思うつぼ」 [映画評]

『カメラを止めるな!』のクリエイター再集結、
がこの映画の売り。
同映画のメガホンをとっていた上田慎一郎さんに加え、
助監督の中泉裕矢さんとスチールの浅沼直也さんの三人が共同で監督を担当している。

『カメ止め』のヒットにより、今作の注目度は高まったが、
それでもメジャー系作品と比べると細々としたもの。
私が観に行った劇場の人はまばらで、『カメ止め』のときの熱気にはほど遠く。
なかなか厳しいものである。

映画は、オムニバスのどんでん返し系。
やりたいことが分からなくはないが、
仕掛けの大きさが説得力にはまるでつながらず、
「はあ、そうですか」
という感じ。
テンポも筋立ても熱量も、
『カメ止め』にははるかに及ばない。
そうやっていちいち比較されるのもかったるいだろうが、しばらくの間は仕方ない。

三人の少女が中心人物として出てくるのだが、
映画に印象がないこともあり、女優さんにも印象がない。
脇を固めていた俳優さんたちにも、特別なものは感じなかった。

上田慎一郎監督の新作『スペシャルアクターズ』が10月に公開される。
こちらは、『イソップ』以上に注目されるだろう。
もし、『カメ止め』に匹敵するような傑作だったら、上田監督の評価は不動のものとなる。
まあまあの作品だった場合、その次の作品が正念場になる。
もし、大コケだった場合、『カメ止め』はまぐれだったとみなされるだろう。

『イソップの思うつぼ』は、大仕掛けなのに、印象が薄い作品。
才気のようなものはあまりうかがえなかった。
しかし、つまらなくて仕方がない、という映画でもない。
小さく当てに行ったわけでもないのに、微妙な当たりになってしまった感じ。
とにかく、注目は上田監督の次作である。

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