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映画評 「花腐し」 [映画評]

「火口のふたり」の荒井晴彦監督作品。
同作は、キネマ旬報ベスト・テンで1位を獲得し、瀧内公美さんが主演女優賞に輝いた。
R18+指定も納得のエロい映画でもあった。

「花腐し」もエロい。
当然のR18+指定。
主演は綾野剛さんだが、同じくらい出番がある共演者の柄本佑さんは「火口のふたり」に続いての出演。
柄本さんは「春画先生」でも、散々絡みのシーンを演じておられ、
こう役柄が被ってしまうとさすがに食傷。

綾野さんは売れないピンク映画監督を演じ、
柄本さんも売れないピンク映画の脚本家を演じる。
そして二人は同じ女性と暮らしていたことを知る。
二人が愛した女優をさとうほなみさんが演じる。
さとうさんは「愛なのに」に続いて見事な脱ぎっぷり。

前半は、なかなかいい。
二人の会話が活きているし、
滅びの美学っぽいものも伝わる。
やさぐれた感じがモノクロ画面で活きているし、
映画を撮りたくて撮れない苦しさもじんわり。

しかし、後半が。
あえてピンク映画っぽく撮りたかったのだろうけれど、
ああもエロいシーンを続けられると正直萎える。
エロさも失せる。

綾野剛さんと柄本佑さんの演技はさすが。
さとうほなみさんも、彼女だから映画を引っ張れたと思える頑張り。
ただし、137分という長尺がもったいない。
あと60分ほど短くしていれば、
もっと余韻があって、エロさが沁みる作品になったかもしれない。

さとうさんが、カラオケで山口百恵さんのラストシングル「さよならの向う側」を歌うシーンがいい。
ここはなんだか沁みる。

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