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命がけで財政規律を守る国 [公会計]

我が国の財政の現状については、専門家の間でも両極端な意見が出される。
積極派は、
日本の財政に全く問題はなく、
そもそも先進国の財政が破綻することなどはない、
という。
財政規律派は、
借金は子や孫の代を苦しめるものであり、
このままではハイパーインフレに襲われる、
という。
両者が交わることはなさそうだ。

コロナ禍において、日本の財政はさらに悪化した。
財政出動したのは日本だけではなく、世界中で債務が膨れ上がったのだが、
もともとGDP比で突出して多かった我が国の債務残高が、輪をかけて大きくなったのも事実である。

13日のテレ東系の経済ニュース番組「モーニングサテライト」に、東短リサーチの加藤出さんが出演され、
「コロナで借金を重ねる前に・・・」
というテーマで話をされた。
私は、モーサテにゲスト出演される方は、どなたも信頼している。
根拠なく偏った見解を示されることはない。
この日の加藤さんも、日本の負債が膨らむことに警鐘を鳴らしつつ、財政規律一辺倒の話ではなかった。
覚悟のようなものを訴えられた。

例として出されたのは北欧のスウェーデン。
1990年頃は、日本と債務残高がほとんど同じくらいだったそうだ。
それが今では大きな差がついている。
この原因を北欧の税金の高さに求めることはたやすいが、加藤さんはそれだけではないと主張された。

スウェーデンは、コロナに対し、あまり積極的な対策を取っていないことで知られている。
結果として、多くの感染者が発生し、
人口が日本の10分の1以下であるのに、死者は日本の3倍以上に達している。
さらに、医療がひっ迫し、高齢者には十分な治療ができない状況になっているという。
たまたま高齢者に手が回らないというのではなく、意図的に若者を優先しているというのである。
限られた財源では、全国民を均等に守ることはできないと判断し、
高齢者を後回しにする決定をしているのだという。
これを加藤さんは、「命をかけて財政規律を守っている」と表現された。
そして、このやり方を、高齢者も支持しているというのである。

これがいいかどうかはわからないし、
日本に当てはめるべきかどうかもわからない。
しかし、それだけの覚悟を持っている国もある、
そして、それを国民も支持している、
ということは知っておきたい。

財政をめぐっては、両極端な議論が空回りを続けている感がある。
どちらの立場をとるにせよ、スウェーデンの覚悟は見ならいたいものである。

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