SSブログ

建設的とは思えない首相の「育児中の学び直し」をめぐる議論 [ヨモヤ]

国会における岸田首相の「育児中の学び直し」についての答弁に、
なにやら強烈なツッコミが入っているらしい。
ネットにもいろいろ書き込みがあるようだし、
立憲民主党の蓮舫参院議員は
「育児の現実、両立の不安を知らない答弁を止める人が岸田総理の周辺にいないの?」
と投稿され、
共産党の小池書記局長は
「育休中にリスキリング。育休中は子育てと格闘しているときに、できるわけがない」
とおっしゃったそうだ。

ここまで言われるとは、
育児中に学び直しを義務付けるとでもおっしゃったのかと思いきや、
まったくそんなことはない。
やり取りはこんな感じであった。

【質問】
産休・育休中のリスキリングによって、一定のスキルを身につけたり、学位を取ったりする人々を支援できれば、子育てによるキャリアの停滞を最小限にし、逆にキャリアアップが可能になることも考えられる。
リスキリングと産休・育休を結びつける企業を国が支援すれば、親が元気と勇気をもらい、子育てにも仕事にも前向きになれるのではないか。

【岸田首相】
リスキリングへの支援を抜本的に強化していく中で、育児中など様々な状況にあっても、主体的に学び直しに取り組む方々をしっかり後押ししていく。提案を参考にしながら取り組みを進める。

首相は、育児中に学び直しを行うことを前提とされているわけではなく、
いろいろな状況に合わせて対応をしていくべきであり、
その一環として育児中であってもできる後押しはしていく、と述べられている。

この答弁に批判が集まっているということは、
答弁内容がよろしくないと考えておられることになる。
となると批判している人は、
以下のような答弁がふさわしいと考えておられるのだろうか。

案1
「産休・育休中の親にリスキリング支援を行う企業があっても、国は支援を行いません」
案2
「産休・育休中の親にリスキリング支援を行う企業があるかもしれませんが、産休・育休中はそんな余裕があるはずがないので、国はそれを奨励しませんし、支援もしません」
案3
「趣旨はわかりますが、産休・育休中にリスキリングをしようと考える方がおられるとは思えないですし、現実的に不可能だと思いますので、国としても支援は考えていません。
案4
「なにをおっしゃっているのですか。産休・育休中は、そんな余裕は全くなく、学ぼうという人がおられるはずがありません」

さて、子育てを経験された方、周りに子育て中の方がおられる方ならおわかりかと思うが、
子育ては人それぞれである。
悪戦苦闘となってしまう方もおられれば、
軽やかにこなされる方もおられる。
そして、やたらと手がかかる子どももいれば、
拍子抜けしてしまうほどに手がかからない子どももいる。

産休・育休中に子育て以外に何の余裕もないと決めつけてしまうのは、
産休・育休中に何かを学ぼうと思う人がいるはずがないと決めつけてしまうのは、
それこそ現実とは離れているし、
ちょっと失礼であるようにも思う。
また、これから子どもを作ろうという方はこの議論を聞いてどう思うだろう。
子育てに前向きになれるだろうか。

明るい未来を作るための少子化対策・子育て支援なのに、
どうしてこんな議論になってしまうのだろう。
やれやれ、
というより、
かなしい。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。