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映画評 「ヴィレッジ」 [映画評]

藤井道人監督が脚本も手掛けた作品。
藤井作品では、
「新聞記者」はユルユルだったし、
「余命10年」は甘々だったが、
本作は藤井監督本来の殺伐感がみなぎっている。

ただ、表面的な感は否めない。
悪い人はどこまでも悪く、
閉鎖されている地域はどこまでも閉ざされている。
能を舞うシーンも取ってつけたよう。
以前に撮られた
「デイアンドナイト」
という映画では、何が善で何が悪なのか、こちらの価値観を揺るがす凄みがあったが、
本作は一面だけ。

ずっと暗いトーンで、
人の黒い面ばかりが描かれる。
そういうのが好きな人や、
そういうのがリアルだと思える人にとってはいいのかもしれないが、
ドキドキもワクワクもしない。
説得力も高くなく。

主演は、横浜流星さん。
暗い役で、しばらくの間、誰なのかわからなかった。
その意味では、役になり切っておられたと言える。
共演は、黒木華さん。
何を演じてもいい黒木さんだが、本作ではその良さが十分に発揮されなかったか。
横浜さんのどうしようもない母役を西田尚美さん。
いい味を出しておられた。
古田新太さんははまり役なのだが、はまり過ぎがかえって。

「ヴィレッジ」は、藤井監督らしい作品とは言える。
後味の悪さもらしいと言えばらしい。
その先に連れて行ってはもらえなかったが。

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