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諦めないことが財産  ~ ドラギ総裁の最後の理事会での言葉 ~ [ヨモヤ]

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、退任前最後の理事会で、金融緩和の継続を決定された。
会議には次期総裁のラガルド氏も出席されたという

ドラギ総裁は、8年の任期中に一度も利上げをされることがなかった。
また、ユーロを守るために「何でもやる」と宣言したドラギ総裁だが、
結局、ECBが第一の責務とする2%弱とのインフレ目標達成は実現できなかった。
こうしたことを持って、
「ECBの政策には効果がそれほどなかった」
「金融緩和は副作用の方が大きいのではないか」
と言う意見もあるようだが、
ドラギ総裁は、
「緩和的な金融政策の恩恵はリスクをはるかに上回る」
とされている。
日本でも、日銀の金融緩和策に否定的な意見が多い、
日銀もマイナス面は知りつつ、それを上回る効果があると判断しているのだと思う。

ドラギ総裁は、任期中ユーロ圏の物価安定化を追求してきたとし、
「決して諦めない。ある意味で、これはわれわれの財産の一部だ」
と強調された。
諦めない、というのは当たり前のことのように思えるが、
経済の巨大なうねりを目の前にして、ひるむこともあっただろう。
これはECBの手には負えない、
と匙を投げたくなることもあっただろう。
しかし、ECBが一丸となって踏ん張れたことで、最悪の事態は防げた、
後任に誰がなろうと、諦めないという文化は受け継いで欲しいとの思いを込めたのだと思う。

それぞれの人にそれぞれの持ち場があり、
とてもそこまでの責任は追い切れない、
とてもそこまでの影響は与えきれない、
ということはあると思う。
それでも、ドラギ総裁の言う
「決して諦めない」という財産があれば、
どこかに活路が見出せるかもしれない。

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