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今年はさすがに難しそう「経営者が占う2021年 株価・景気」 [経済を眺める楽しみ]

日本経済新聞元旦号の恒例企画
「経営者が占う20××年 株価・景気」。
今年も、信越化学工業の金川会長や富士フィルムの小森会長など、そうそうたる面々が株価や景気を予想されている。
しかし、これが当たるかというとそうでもない。
占う、と書いてあるとおり、当たるも八卦であろう。

ちなみに、日経平均株価予想について経営者の予想平均値と結果を振り返ると、
2016年の予想は、高値22,300円 安値18,000円だったが、
実際には、高値19,600円、安値14,800円、
2017年の予想は、高値21,750円、安値17,500円だったが、
実際には、高値23,400円、安値18,200円、
2018年の予想は、高値25,440円、安値21,200円だったが、
実際には、高値24,448円、安値18,948円、
2019年の予想は、高値23,925円、安値19,110円で、
実際には高値24,091円、安値19,241円だった。

つまり、2019年以外はかなり外していることがわかる。
では2020年はというと、
予想は、高値25,450円、安値21,625円、
実際には、高値27,602円、安値16,358円だった。

昨年はコロナ禍という特殊な年だったので、予想が外れるのもやむを得ないが、
高値も安値も大きくずれてしまったのは残念であった。
ただし、経営者の皆さんもそれほど当たるとは思っておられないだろうから、こちらもそれなりの受け止め方をするのが正しいのだろう。

さて、2021年の予想はというと、
高値予想の平均が28,900円
安値予想の平均が23,875円となった。
昨年末の終値が27,444円だったから、
上には5%アップしか見ていない一方で、下には10%以上のダウンを見ていることになる。
株式市場に対しては、弱気とまでは言えないまでも、少なくとも強気ではないようだ。           

そもそも、一年間の株価を見通すのは、いかな敏腕経営者でも至難の業だろう。
平時であってもほとんど不可能事に思える。
ましてやコロナ禍にある今年の予想は、一層難しいだろう。
ワクチン効果で年の前半で感染が抑えられるのか、
それとも効果はそれほど見られないのか、
オリンピック・パラリンピックはあるのかないのか、
そうしたことがわからないなかでの予想なのだから。

ただ、「経営者が占う」という特集は、予想数字が当たるかどうかだけを注目すべきではないだろう。
経営者が日本経済をどのように見ているか、
どの産業が伸びると考えているのか、
どの企業を評価しているのか、
そんなことを確認する場だと思う。
そう考えて読み直すと、一層興味深い。

今年も日本経済にはいろいろな試練があるだろう。
いい一年だった、と振り返ることができるような2021年になればいいのだが。

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