SSブログ

紙の本の健闘を次につなげたい [ヨモヤ]

2020年の紙の書籍・雑誌の推定販売額は前年比1.0%減の1兆2,237億円だったそうだ。
前年比減だが、19年は4.3%減だったから、減少幅は小さくなった。
また、コロナ禍だったこともあり、このことを報じるネットニュースは、
「紙の本健闘」
といったトーンで書かれている。
ちなみに電子出版は、28.0%の大幅増。
その結果、出版市場の規模は前年比プラスとなった。

紙の本がなんとか踏みとどまった理由として、
・「鬼滅の刃」の大ヒット
・巣ごもりで学習図鑑や読み物、ドリル類の需要が高まった
・リモートワークで家にいる時間が長くなり、カミュ「ペスト」など名作を見直す動きが起きた
といった分析がなされている。

また、都心に出る機会が減ったことが影響してか、大型店舗ではなく住宅街や商店街の書店に客が戻る傾向があったという。
各地域に残る昔ながらの本屋さんに頑張ってもらいたいと思っているので、嬉しいニュースである。

とはいえ、前年比マイナスであることには変わりなく、反転攻勢が始まったとはとても言えない。
近くの本屋さんが少し見直された、といったところだろう。
少し、であっても見直されたのは好機ととらえるか、
少し、だから衰退に歯止めはかからないととらえるか。

本屋さんには、ぜひこの機会を活かしてほしい。
コロナをきっかけに、近くの本屋さんの良さを広めてほしい。

街を歩くと、残念ながら何十年も売り方を変えておられないような本屋さんも見られる。
昔から売れ残ってきたような本が並べられ、
店内は暗く、
何を売りたいと思っておられるのかが全く見えてこない。
こうしたお店の売り上げが伸びないのは、失礼ながらご自身の努力が足らない面も少なくないと思う。
本屋さん自身、選ばれるような、愛されるような、なくならないような工夫をしていただきたい。

本屋さんがなくなってしまうことは、近くの方々にとっても大きなショックになる。
なくなってはじめて、大切なものだったとわかるが、もう取り返しがつかない。
厳しい時代は続くが、街の文化の発信源である本屋さんには、もうひと踏ん張りもふた踏ん張りもしていただきたいと願う。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事