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2020年の邦画を振り返る その1 全般 [映画評]

2020年は、映画館で映画が観られることの有難みを感じる年となった。
大きく暗い部屋に、知らない人間が集まって映画を観るということが、
実は得難いことだったのだと知った。

2月頃までは、いろいろ言われていたが、それでも日常は続いていた。
しかし、3月以降景色は一変した。
新作映画がどんどん公開延期となり、
4月の緊急事態宣言下では、映画館自体が閉鎖に。
緊急事態宣言は2月で解除となったが、映画ファンにとって長く暗い日々だった。

宣言解除後、映画館は再開されたが、公開される映画が揃わなかった。
また、座席も一席置きの発売となるなど、影響は長引いた。
今も各映画館では、各種の安全対策をされている。

下半期の映画界の話題をかっさらったのは「鬼滅の刃」だった。
洋画の大作が公開されないという事情も相まって、シネコンのスクリーンをいくつも押さえ、「時刻表並み」と言われる過密上映を実現した。
それまでの興収記録を持っていた「千と千尋の神隠し」を上回り、さらにヒットを続けている。

ちなみに2020年の邦画興収ランキングは以下のとおり。
1位 「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」
2位 「今日から俺は!!劇場版」
3位 「コンフィデンスマンJP プリンセス編」
4位 「映画ドラえもん のび太の新恐竜」
5位 「STAND BY ME ドラえもん2」
6位 「事故物件 恐い間取り」
7位 「糸」
8位 「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
9位 「カイジ ファイナルゲーム」
10位 「劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] III. spring song」

鬼滅は別格として、「今日から俺は!!」の大ヒットには驚いた。
ドタバタコメディの実写映画での50億円超え。
福田雄一監督は年末の「新解釈・三國志」も当てた。

毎年上位に食い込むコナン映画は一年公開が延期されたが、ドラえもんは貫禄のランクイン。
アニメでは、「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」が目を引く。
京都アニメーションが制作した事件後初の長編劇場作品として注目された作品。
作品としては期待値が高かった分物足りない部分もあったが、ヒットになってよかった。

大穴は、6位の 「事故物件 恐い間取り」。
ホラー映画のはずが、「リング」の中田秀夫監督作品としてはペラペラの出来栄えだったが、それが逆に受けたのだろうか。

2020年は映画界にとって非常に厳しい年になったが、
映画ファンとの絆を再確認する時間ともなった。
ミニシアターを守る運動が行われたほか、
配信との共存を探る動きも行われた。

2021年も試練の時代は続きそうだ。
しかし、こんなときでも足を運ぶファンのために、映画制作に携わられるみなさんは是非いい映画を届けてほしい。
魂込めた作品を作り上げてほしい。
それが恩返しにもなり、信頼と絆を深めることにもつながるはずだから。

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