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バブル期とはけた違いの利益を上げている日本企業 [経済を眺める楽しみ]

どう考えても、日本株の上げ方は速過ぎる。
今年に入ってから、日経平均で6,000円ほども上げている。
これはいくらなんでもスピード違反だろう。
どこかで調整が入るのが自然だと思う。
3月7日には500円ほど下げたが、この先もっと下げても驚かない。

しかし、今の株式相場がバブルかといえば、
必ずしもそうではないだろう。
バブル期のPERが約60倍だったのに対し、
今は20倍を割り込む水準。
買われ過ぎとまでは言えないと考えるのが普通ではないか。

実際、企業の稼ぐ力は上がっている。
先日、日本経済新聞に日本企業の純利益ランキングが、
1989年と2023年を比較する形で掲載されていた。
これによると、
1989年も2023年も1位はトヨタなのだが、
1989年の純利益が3,462億円であるのに対し、2023年は2兆4,513億円。
さらに、2023年では6位の日本郵船までが純利益1兆円超えとなっていて、
まさに桁が違っている。
日本企業はしっかり稼いでいるのである。

もちろん、そうして得た利益がきちんと活かされていないという問題はあるだろう。
労働者への還元が不十分であるだけでなく、
魅力的な商品づくりでも力を発揮していない。
それにしても、利益が上がっていることは確かであり、
それに合わせて株価が上がっている。

この30年間を「失われたもの」としてとらえている人からすれば、
株価の高騰や賃上げの流れを見ても、
経済の好循環など生まれるはずはない、
そんなにうまい話があるはずがない、
と思うのだろう。
確かに、そう思うのが自然かもしれない。
しかし、本当にうまく回り始めているとしたら、
その足を引っ張るのだけはやめていただきたいと願う。
うまく行き始めているのなら、
素直に喜べばいいし、
それに乗っていけばいい。

今の株高は日本企業の力を海外投資家が評価していることが大きい。
日本人が悲観している日本の力を海外投資家が評価しているのは皮肉だが、
近過ぎて見えないこともあるのかもしれない。

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