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新興国需要対欧州緊縮財政 [経済を眺める楽しみ]

株価は下落を続けているが、経済指標自体はそれほど悪くない。
日本の株価は、優良企業の多くが外需に依存しているために為替の影響を受けがちで、

国際的な日本評価の高まり → 円高の進行 → 株価の下落

という、なんとも皮肉な経路をとることがある。
だから、株価の下落がそのまま日本経済の下降を意味するわけでもない。
もちろん、下落の要因をきっちり見極めることは大切で、決してあなどってはいけないが。

さて、世界銀行が発表した2010年の世界経済見通しによれば、世界経済の実質GDP伸び率は、1月予想から0.6%上方修正され、3.3%になりそうとのことである。
日本も、輸出の回復などにより、1.3%の予想から2.5%に大幅に引き上がっている。
2.5%といえば、結構なものである。

しかし、足元での欧州債務危機が「新たな障害」であるとしている。
経済対策として国債を乱発したのはヨーロッパだけではないが、ユーロの特殊性から、危機が増幅されている格好である。

債務不履行になっては大変だから、対応しなければいけないのは当然だが、緊縮財政に舵を取ると、経済を冷え込ませる恐れが大きい。
リーマンショック後の落ち込みから回復している現状から、多少の引き締めなら大丈夫との思惑があるのだろうが、うまくコントロールしないと二番底の恐れがある。

日本では、アメリカとの関係が強調されがちであるが、実際にはヨーロッパ市場で利益を上げている企業も多い。
ヨーロッパが低迷すると、日本にも大きな影響がある。
今は、新興国需要でなんとかもっているが、ヨーロッパ全体がさらに落ち込んでくると、世界経済も無傷ではいられない。
財政規律も大切だが、極端な緊縮財政は、禍根を残しかねない。
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