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対処療法では難しい国民健康保険制度の維持 [公会計]

国民健康保険制度の維持が、ますます難しくなってきている。
国民皆保険制度のなかで、国保に加入されている方は、高齢者や非正規社員の加入が増えているのだから、苦しくなるのはある意味当然である。
支出面では、加入者の年齢が高く医療費がかかる傾向があるうえ、収入面では、加入者の構成から十分な保険料が集まらない。
しかも、この傾向は年々顕著になっていく。

こうした状況に歯止めをかけるべく、医療保険制度改革法が参院本会議で成立した。
国保の維持に向け、各種の対策が取られている。
具体的には、
・大企業の社員が加入する健康保険組合と公務員の共済組合からの、高齢者の医療を支える「仕送り金」の負担を増やす。
・健保の保険料率の上限を、現行の12%から2016年度に13%に引き上げる。
・財政支援を年1,700億円行い、これを2017年度からは3,400億円に引き上げる。
・2018年度からは、市町村に代わって都道府県が保険者となる。
などである。

加入者の負担も増やす方針であり、かなり大きな改正と言えると思うが、これで国保財政が安定するとはとても思えない。
国民年金と国民健康保険は、なにやらフィクションの世界で運用がなされているような気さえする。
このままで持つはずはないのに、そこは突き詰めず、今年来年に破たんすることはないから、つぎはぎでなんとか運営していく。
そしてその間にも、傷口はどんどん広がっていく。

制度発足時から、社会のあり様は大きく変化した。
制度もそれに合わせて、抜本的に変えていかなければならない。
地方分権の時代であるが、医療や年金は国が責任を持つ分野であると思う。
根本治癒につながる処方箋を期待したい。
もう、何十年も裏切られているが。

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