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映画評 「空の青さを知る人よ」  ~ ヤバイ。この映画が好きだ。 ~ [映画評]

私もそうだが、ブログやらなにやらで映画評を書いている人は、何が目的なのだろう。
私は、映画ファンとして、いい映画を広めたい、という思いで書いているつもりである。
記録的な意味もある。
だが、心のどこかに、
「こんな映画が好きなんだぞ。どうだ、カッコいいだろう」
「この映画がわかるんだぞ、えっへん」
といった顕示欲がないかと言われれば、ないこともないような気がする。(ない気もするが)
この顕示欲は、
皆がつまらないと思うような映画、わかりやす過ぎる映画、批評家受けしないような映画、
などなどを、うかつに褒められないという感情につながりかねない。

本作「空の青さを知る人よ」は、難しい立ち位置の作品だと思う。
これを手放しで褒めなどしたら、なんだか笑われてしまいそうだ。
だって、過去から時間を超えてきた高校生が出てくる話なのだ。
この存在が、すっと受け入れられて、
なんだか都合よく話が展開していく映画なのだ。
いや、そういうの駄目でしょう。

なのだが、
ヤバイ、映画を観ながら、えらく楽しんでしまっている自分に気づく。
いやいや、こんな子供だましのハチャメチャ映画、面白がっちゃ、駄目でしょう。
こういうの喜ぶから、日本の映画からタイムスリップものが消えないんだから。

なのだが、
心がグイグイ揺さぶられてしまって。
しまいには、こらこら、泣きそうになってしまって。
はい、私、この映画が好きです。
この映画への各方面からのご批判はごもっともです。
おっしゃるとおりと思います。
でも、好きになってしまったのです。

この映画を作ったのは、
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」
「心が叫びたがってるんだ。」
で知られるクリエイターチーム「超平和バスターズ」。
監督も同じく長井龍雪さん。
「あの花」はイマイチわからなかったし、
「ここさけ」も楽しんだけど、あちこち引っかかったのだが、
本作はずっぽり楽しんだ。

ストーリーは、荒唐無稽。
リアリティは全くない。
なのだが、
知っているあの人のことが描かれているような、
自分のことが描かれているような、
そんな気持ちになる。

正直に言って、
「天気の子」より、こちらの方が好きです。
なんだか、ソワソワします。
「JOKER」より、こちらの方に心を揺さぶられました。
なんだか、恥ずかしいです。

傑作にはほど遠いし、
カルト的な魅力もないし、
誰にでもはまる映画でもないと思う。
でもヤバイ、私、この映画が好きだ。
全然映画評になっていない。
ヤバイ、単にこの映画が好きだ。

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