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映画評 「劇場版ポケットモンスター ココ」 [映画評]

ポケモン映画の第1弾は、1998年に制作された「ミュウツーの逆襲」である。
この作品は興行収入70億円を超える大ヒットとなり、邦画の年間1位となった。
ポケモンはアメリカ市場でも受け入れられ、日本映画として空前の大ヒットとなった。
いまだに日本映画は「ミュウツーの逆襲」を超えるヒット作を生み出せていない。
(ちなみに、史上第2位もポケモン映画で「幻のポケモン ルギア爆誕」)

しかし、ポケモン映画は第1作を頂点に長期的な下降トレンドをたどり、
第19作目には興行収入が20億円をようやく超えるくらいまでに落ち込んだ。
私も、この間ポツポツ観に行っていたが、どんどんつまらなくなっていったように記憶している。

この流れに歯止めをかけたのが、2017年に公開された第20作の「キミにきめた!」であった。
ポケモンの原点に返るような内容が大人の胸にも刺さった。
今作の「ココ」も、「キミにきめた!」の流れを汲むものと言っていいと思う。
ストーリーに重きを置くのは、正しい方向性だと思う。

本作は、父子の絆に焦点を当てている。
子どもに加えて、お父さんにもアピールしようとう魂胆が見え見えである。
しかし、それは別に悪いことではない。
わかりやすく内容を提示することで、安心して劇場に足を運べる。

予想通りと言うべきか、本作の展開は、実にわかりやすい。
そうなるようなあ、と思うとおりに話が進んでいく。
それも別に悪いことではないが、あまりにも型通りに行き過ぎた感は否めない。

また、悪役がきちんと立てられていなかった。
無理に仕立てたような悪者で、これでは観ている側は乗れない。
安心して観ているうちに、気持ちが穏やかになり、睡魔が襲ってきた。
わかりやすいことはいいことなのだが、予定調和が過ぎてもつまらない。
さじ加減は難しいものだ。

ゲストでの声の出演に中村勘九郎さんと上白石萌歌さん。
中村さんはさすがの貫禄。
萌歌さんはちょっと頑張り過ぎだったかもしれない。

「劇場版ポケットモンスター ココ」は、ちと狙い過ぎた感。
お気持ちはわかるのだが。

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