SSブログ

当面の成長率はワクチン次第 [経済を眺める楽しみ]

世の中はオリンピックで盛り上がっている。
オリンピックファンとしては本当に嬉しい。

もちろん、そんななかでも経済は動いている。
気もそぞろだが、ちょっと目配せ。

国際通貨基金(IMF)が発表した最新の世界経済見通しによれば、
2021年の世界の成長率見込みは前年比6.0%増となっている。
大きなプラスに見えるが、これは2020年にコロナ渦で落ち込んだ反動によるもの。
凹んだ分を取り戻すという感じだろうか。
先進国の見通しが改善する一方で、
発展途上国との格差が広がる傾向があるようだ。

IMFは、成長率の差は新型コロナウイルスワクチンの接種率の違いによるものが大きいとしている。
先進国の人口の約40%がワクチンの接種を完了した一方、途上国は約11%で、
低所得国での割合はさらに低いという。
当面は、ワクチンの接種率が高ければ高いほど成長率も高くなる、というわけである。
実際、アメリカやイギリス、カナダといった国々の成長率は4月の見通しから上方修正され、
インドなど東南アジアの国々の成長率は下方修正されている。

となると、当然日本の成長率は低く見込まれることになる。
日本の成長率予測は、従来の予測から0.5ポイント下方修正の2.8%とされた。
G7で唯一予測が悪化してしまった。
アメリカの7.0%
ユーロ圏の4.6%
と比べると随分見劣りする。

ただ、問題がワクチンだけなら時間が解決してくれる。
欧米諸国より半年ほど遅くなってしまうが、
そのあとしっかり回復するのなら、今をしっかり我慢すればいい。
心配なのは、ワクチン先進国と呼ばれる各国で感染が広がっていること。
アメリカ、イギリス、イスラエルなど、再拡大が進んでいる。
もし、欧米諸国が再びコロナを契機とした景気後退となってしまえば、
ようやく日本が立ち上がろうという時に外需が腰折れしているということになりかねない。

政府は、景気を下支えするために補正予算を組む方針とのことである。
早くも、
「30兆円規模」
などと内容に先駆けて額が躍り始めている。

財政で経済を支えることは悪いことではない。
ただし、コロナ禍も2年目に入っており、
しっかりと効果を見据えた使い方をしていくきたいものである。
手探りだった去年と違い、これまでの検証を踏まえることができるだけに。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。