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映画評 「マスカレード・ナイト」 [映画評]

東野圭吾さんのミステリー小説を、
木村拓哉さんと長澤まさみさんの共演で映画化した「マスカレード・ホテル」の続編。
前作は、興行収入46億円という大ヒットになった。
となれば、続編を作って当然である。
「なんでこんな映画を作ったんだ」
と思わせられる映画が少なくないが、
本作を作る意味はよくわかる。
柳の下にもう一匹ドジョウがいそうなら、喜んで捕まえに行くというものだろう。

前作の「マスカレード・ホテル」はよくできた娯楽作だったが、
今作はうまくいかないのでは、と心配した。
ホテルの裏側やホテルマンと刑事のかみ合わせの悪さを描くという面白さが、
二作目でのマンネリ化と
仮面舞踏会、殺人犯の登場の密告といった大技で消されてしまうのではないかと思ったからだ。
しかし、引き続き監督を務められた鈴木雅之さんはなかなかの手練れ。
次から次へとエピソードを放り込んで飽きさせない。

ストーリーや設定はめちゃくちゃで、
犯人の動機や犯行方法に説得力はまるでないが、
この映画はそんなリアリティを楽しむものではない。
日本映画にはあまりない純粋娯楽作。
そして、そういう目で見れば問題なく楽しめる。
ツッコミどころは満載だが、そこをツッコムのは野暮というものだろう。

木村さんは、相変わらずのカッコよさ。
しかし、いつまでたっても崩れない体型を強調するようなシーンは止めた方がいい。
カッコよさは観ていればわかるし、滲み出してくるものであり、
カッコよさの強調はカッコ悪い。
犯人に怒鳴るシーンも余計だったかな。
長澤さんは、ホテルマンらしくということなのか、地味な印象。
どちらにしてもリアリティはない映画なのだから、もっと美しくあってもいいように思った。

「マスカレード・ナイト」は、ツボを押さえた演出でしっかり楽しませてくれる娯楽作。
期待を超えるまでは行かなくても、期待には十分応えていると思う。
さらに続編があっても驚かない。
「ファイナル」とも、「永久に」とも、「最後の」とも、「完結編」とも言ってないし。

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