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金融所得課税強化の見送りは「つまずき」? [ヨモヤ]

岸田首相がその可能性に触れていた金融所得課税の強化が見送られることとなった。
やると約束していたものではなく、
所信表明で述べられていたものでもなく、
「選択肢の一つ」とされていたものだが、
この見送りについて、「つまずき」やそれに近い表現をしているメディアが散見される。

立憲民主党の枝野代表も
「大変残念だ」
とおっしゃり、
「多くの皆さんが自民党が変わるかなという象徴だと思っていた」
と指摘されたという。

通常嫌われるはずの増税なのに、
そんなに多くの人が金融所得課税を待望されていたというのは実に意外だが、
個人的には今回の判断はよかったと思う。

そもそも、投資による所得を「金持ち優遇」とする考えが実に古いと思う。
貯蓄から投資へ、という流れは政府が旗を振ったものだし、
今時株式投資は、ごく少額(証券会社によっては数百円から)でも可能である。

投資する場合は、当然リスクがある。
大幅にマイナスになっても助けてくれないのに、
利益が出たときだけペナルティ的に税金を払わせるというのも、今一つしっくりこない。

また、これを引き上げたところで、
赤字額の規模と比べると微々たるものである。

としても、いつか引き上げられることがあるのかもしれないが、
効果や副作用をしっかり検討してからで遅くない。

今回の金融所得課税の見送りは、
選択肢の一つとして提示していたものを、
状況を見極めて優先施策としない判断をしたものであり、
「つまずき」という表現は似合わないと思う。
一方、首相という立場になってしまうと、口に出したことすべてが決定事項のようにとらえられ、
押し続けても引っ込めても、あれこれ言われてしまうというわかりやすい事例にはなった。

アイデア段階でも、首相の考えはどんどん発信してもらいたいと思うが、
見直すたびにああだこうだ言われては、言う気も失せるかもしれない。
それでも、語りかけてほしい。
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