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時代錯誤も味と言えば言えるが ~ 沢村賞、選考基準の大時代 ~ [ヨモヤ]

最も優れた先発完投型の本格派投手に贈られる「沢村賞」の選考委員会が開かれ、
オリックスの山本由伸投手が初受賞した。
山本は26試合に登板し、
18勝5敗、防御率1.39、206奪三振、勝率.783。
最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率と投手の主要なタイトルを総なめした。
さらに、
投球回193、6完投も両リーグを通じてトップだから、断然の成績であった。

ちなみに、沢村賞の選考基準は、
15勝以上、150奪三振以上、10完投以上、防御率2・50以下、
200投球回以上、25登板以上、勝率6割以上。
である。
今年の山本は、完投数とイニング数以外はこの基準を満たしたことになる。

逆に、今年の山本の成績でさえクリアしない基準がある、ということが驚きである。
基準自体が、今の野球に全く合っていない、ということだろう。
毎年思うことであるが。

選考基準のうち、納得できるのは奪三振数と防御率くらいである。
あとはピンと来ない。
勝利数や勝率は打線の援護に左右されるし、
完投数や投球回数は、ブルペン陣のレベルによる。
登板数も監督の方針による影響が大きい。

ちなみに、アメリカのサイヤング賞を見てみると、
ア・リーグはブルージェイズの左腕ロビー・レイ投手、
ナはブルワーズのコービン・バーンズ投手が受賞している。
この二人の成績が沢村賞の選考基準を満たしているだろうか。

まずレイ投手は32試合に登板し、13勝7敗、防御率2.84、勝率は.650。
投球回数は193イニングで、奪三振は248。
完投はなんとゼロである。
沢村賞の基準を満たしているのは、登板数と奪三振だけ。

バーンズ投手は28試合に登板して、11勝5敗、防御率2.43、勝率は.688。
投球回数は167イニングで、奪三振は234。
完投はこちらもゼロである。
沢村賞の基準を満たしているのは、登板数と防御率、奪三振の3つである。

つまり現在のメジャーの評価基準は、
完投数はもちろんのこと、
勝利数も勝率も重視していないのである。

もちろん、なにからなにまでメジャーに習えばいいというものではない。
いろいろな評価尺度があっても、それはそれで面白くはある。
時代錯誤ではあっても、まあ味と言えなくもない。
しかし、本当に優れた投手を選ぼうとするのなら、
時代の変化に合わせて基準も変えるべきだろう。
それを意地でも変えないのだとしたら、それは一体なぜなのだろう。
なぜ、本当に優れた投手を選ぼうとせず、ずっと昔に定められた基準にはめ込もうとするのだろう。
不思議である。

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