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映画評 「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」 [映画評]

「止められるか、俺たちを」の続編となっているが、
続きものの感じはしない。
前作は白石和彌監督で、かなり強烈な手触りだったが、
本作はやわらかい仕上がり。
主人公が故若松孝二監督であり、
実話をもとにしているという点だけが共通点。

本作は、若松監督が名古屋にミニシアターを立ち上げられたエピソードをベースに、
そこに集まった映画に魅せられた人たちの物語。

やわらかいといっても、映画に対する熱はしっかり残っている。
そして、ちゃんと楽しめた。
前作と今作、どちらが好きか、
と問われたら、ヒリヒリした前作になるが、
今作もなかなか。

若松監督役に前回に続いて井浦新さん。
一癖も二癖もある役をけれんみたっぷりに演じられた。
映画館の支配人役に東出昌大さん。
このところの東出さんの活躍は目覚ましい。
映画作りに励むがなかなかものにならない女子学生に芋生悠さん、
映画にのめり込む高校生に杉田雷麟さん。
この高校生が劇中で映画を撮ることになるのだが、
そこには赤塚不二夫さんも出演している。
そしてその高校生の後の姿がこの映画の監督をした井上淳一さん。

タイトルは、
「止められるか、俺たちを」
と聞いて来るのだが、
映画の中の登場人物たちは、戸惑い立ち止まってばかりいる。
自分が本当は何をしたいのかさえもわからないように。
そこがいい。
映画の魅力に引っ張られているのだが、
真っすぐのめり込んでいるわけでもなく、
問答無用の才能を持っているわけでもなく。
そこがいい。

ひょっとしたら「3」が作られるかも、
という話も聞く。
期待せずに待っていよう。

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