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映画評 「そして僕は途方に暮れる」 ~ そして客は途方に暮れる ~ [映画評]

映画ファンとして年間相当数の映画を観るが、
残念ながら面白い作品よりもつまらない作品の方が多い。
だから、それなりに覚悟して劇場に足を運ぶのだが、
その覚悟を上回る困った作品に出くわすことも少なくない。
新年早々、本作がそれだった。

タイトルは「そして僕は途方に暮れる」だが、
多くのお客さんは、おそらく映画の割と前半で途方に暮れてしまうのではないだろうか。
ああ、どうしてこの映画を選んでしまったのだろう、
ああ、これからの2時間、どんな気持ちで過ごせばいいのだろう、
と。

最初の数分から、早くもヤバい空気が漂う。
これがテレビドラマなら速攻でチャンネルを変えるだろうし、
レンタルしたのなら超速早送り決定である。
しかし、映画館ではそれはできない。
そのことがいい面に出ることもあって、
前半はつまらなくても段々面白くなって来る作品もある。
だから、そこに一縷の希望を託したのだが、
本作は逆に加速度的に・・・。

普段あまり気にならないのだが、音楽もひどい。
はじめて動画を作りました、
的なわかりやすいBGMが流れ、ただでさえ薄い興をそぐことおびただしい。

あらゆる人間関係から逃げ続ける青年の姿を描いているのだが、
なぜ急に逃げ出したのかもわからないし、
そもそも映画にするほどの話でもなんでもない。
オチまでもハラホロヒレハレ。
いやはや、これは。

演技がどうのという次元の問題ではなく、
脚本、演出がなんといったらいいのか。
一年を通してもそれほどないレベルの困った作品だと思うので、
新年早々途方に暮れたい方がおられたら、
是非劇場に足をお運びいただきたい。

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