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為替相場と国力 [経済を眺める楽しみ]

為替相場は国力と相関関係がある、
という説がある。
短期的には上下動があったとしても、
長期的には強い国の通貨は強く、弱い国の通貨は弱くなる、
というわけである。
そりゃそうだろう、
と思いたくなる至極当然の考え方だが、
実際はどうだろう。

去年の春から秋にかけて急激な円安が進んだとき、
将来性のない日本という国の通貨は安くなるのが自然、
という意見が広がった。
例えば、ひろゆきさんはこんなことをつぶやかれている。
「労働人口は毎年減っていきますが介護職員は5万人づつ増えていくそうです。
そんな国に投資したい?」
つまり、少子高齢化が進み、働き手がなくなっていく日本の通貨、
円を買う人は世界にいないでしょう、
という理屈である。

わかりやすい意見であるが、為替相場がそのように動くとは限らない。
今の相場を見ても、
1ドル=150円を超える円安が進んだものの、
1月15日現在では1ドル=127円台にまで円高が進んでいるのである。

そもそも国力と為替相場が比例するのなら、
円は下がりっぱなしでなければおかしいし、
元は上がりっぱなしでなければおかしい。
実際のチャートは長期のスパンで見ても上がったり下がったりの繰り返しであり、
およそ国力と関係があるようには見えない。

為替相場を読むのは株式よりも難しいと言われることがある。
簡単なものではないのだ。
為替相場で継続的に利益を上げるためには、
ちまたで言われるわかりやすい常識に飛び乗らないように注意が必要である。

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