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映画評 「イチケイのカラス」 [映画評]

テレビドラマの映画化、
というと、いい顔をしない映画ファンも少なくないと思うが、
雑食の私はなんでも観る。
「コンフィデンスマン」シリーズのように面白い映画もあるし。
本作の監督は、コンフィと同じ田中亮さんだし。

ドラマ版は未見。
映画になるくらいだからそれなりの人気作だったのだろうと思うが、
どんな話かも全く知らなかった。

映画は、というと、
残念。
典型的なドラマからの映画化の失敗パターン。
スクリーンのサイズに合わせてなのか、
金を取る以上、話を大きくしなきゃと思うからなのか、
予算が大きくなったから、つい、なのか、
やたらと風呂敷を広げ、
収拾はつかず、興味も湧かず、説得力もなく、
という例の奴。

フジのドラマらしい軽いノリと豪華キャストも、
ふわふわした脚本のもとに大きなスクリーンで観ると空回る。
黒木華さんの演技でなんとか持たせるが、
正直しんどい。
主演の竹野内豊さんを含め、
残念ながら印象的な演技をされる方も見当たらず。
あれだけのメンバーをそろえてもったいないところだが、
まあ、よくあること。

ただ、ひょっとしたらドラマファンにはある程度刺さるのかもしれない。
まあ、だったらいいか。
私のような門外漢は最初から相手にされていないのだとすれば、
まあ、だったらいいか。
別にいい作品を作る気なんか最初からなくて、一定の人が観てくれればいいと思っていたのだとすれば、
まあ、だったらいいか。

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