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映画評 「マリッジカウンセラー」 [映画評]

わかりやすい映画が好きだ。
しかし、わかりやすくて面白い映画を作るのは、実は簡単ではない。
わかりやす過ぎて、先が見え見えではつまらないし、
ご都合主義が過ぎるストーリーでは興醒めである。
期待どおりに進ませながら、なおかつ楽しませ続けるというのは、実は大変なことである。
大抵は妙にこねくり回して失敗する。

わかりやすくて思い切り楽しめた映画と言えば、
「Bの戦場」
という作品を思い出す。
そう言えば、こちらも結婚がテーマであった。

本作は、結婚相談所にまつわるあれやこれやを描いたコメディ。
不動産会社のモーレツ社員だった男が結婚相談所への出向を命じられ、
最初は馬鹿馬鹿しいと思っていたが、段々その意義に目覚め、
失敗を重ねながらも奮闘する。
主演の渡辺いっけいさんが、実にわかりやすい演技で盛り上げてくださる。
渡辺さんは、この映画の舞台となっている愛知県の豊川市の出身とのことで、
故郷に錦を飾られた格好である。
ヒロイン役に、松本若菜さん。
綺麗過ぎるのが欠点と思われる松本さんだが、年を重ねるにしたがって女優さんらしくなってきた。
これからますますの活躍が期待される。

「こうなるだろうな」
「こうなったらいいな」
という期待にほぼほぼ応えながら物語は進み、
最後まで楽しいまま映画は終わる。
観てよかったと思わせてもらえる映画である。

わかりやすくて、
先が読めて、
なおかつ楽しかった。

出演は、いっけいさん、若菜さんのほかに、
宮崎美子さん、青山倫子さんなど。
我が愛する「ちはやふる」組から、坂口涼太郎さんが相変わらず癖の強い役を演じる。

監督の前田直樹さんは、いっけいさんと同じく愛知県の出身。
しかし、ご当地映画というより、純粋に娯楽作として楽しめる。

「マリッジカウンセラー」は、楽しい映画。
傑作、というのとはちょっと違うけれど、こういう映画があるのは嬉しい。
人を好きになる素晴らしさを思い出させてくれる。

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