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ブルーリボン賞ノミネート作品に見る2022年邦画界の沈滞 [映画評]

第65回ブルーリボン賞のノミネート作品が発表された。
「ある男」が最多5部門6ノミネートとなったほか、
「ラーゲリより愛を込めて」「PLAN 75」「母性」が4部門にノミネートされているという。
ふむ。
そういうものかしら。

作品賞のノミネートは以下のとおりである。
「ある男」
「キングダム2 遥かなる大地へ」
「ケイコ 目を澄ませて」
「さがす」
「沈黙のパレード」
「Dr.コトー診療所」
「PLAN 75」
「母性」
「ラーゲリより愛を込めて」
「流浪の月」

大変失礼ながら、
正直なところ、華もなければワクワク感もないラインナップである。
ブルーリボン賞では、
2018年に「カメラを止めるな!」
2019年に「翔んで埼玉」
という大穴系の作品が作品賞を受賞しているのだが、
今年はノミネートの段階でそうした作品がない。
去年の「ドライブ・マイ・カー」のように、「まいりました」的な作品もないし、
「シン・ゴジラ」のように評価と興行が伴った作品もない。

「キングダム」は1の方がずっとよかったし、
「沈黙のパレード」もガリレオシリーズでは一番駄目な感じだし、
「さがす」を作った片山慎三作品では「岬の兄妹」の方がずっとよかったし、
だしだしだしだし、という感じで、
この映画に獲ってもらいたい、
この映画をもっと多くの人に観てもらいたい、
という作品がほとんど挙がっていない。

いい作品になるかどうかは時の運みたいなものがある気もするので、
やってみなければわからない的な要素があるとは思うが、
そもそも邦画においては企画が貧困である。
予告編の段階で、観たいと思わせてくれる映画がとにかく少ない。
喰わず嫌いではなく、
劇場で邦画をできる限り観ている映画ファンが心を込めて言っております。

「ケイコ 目を澄ませて」
といった佳作が選ばれているのは救いだが、
なんだかちょっと寂しい思いが募るブルーリボン賞のノミネートである。

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