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西武ライオンズ 延長戦で15連敗 [ヨモヤ]

4月28日のソフトバンク戦で、西武ライオンズが今季6度目のサヨナラ負け。
これで昨季以来の延長戦での連敗が15となった。
これは2リーグ制以降でのワースト記録。

延長戦ということは、当然のことながら同点のまま10回以降のイニングに突入しているのだから、
普通に考えて勝率は5割くらいになるはず。
悪くても4割は勝てそう。
それが15連敗。

通常、延長戦で負けるチームの問題はブルペン陣にある。
1点もやれない展開になったとき、
あとのイニングになればなるほど投手への負荷は大きくなり、
それを担える投手がいるかどうかで勝率は決まってくる。

実際、西武のブルペン陣に問題はなくはない。
去年は抑えが固定できず、
今年は抑えのアブレイユはいいものの、
それ以外の投手には不安がある。

しかし、西武の場合、問題は投手陣ではない。
敗戦のほとんどの要因は打撃陣にある。

そもそも延長戦にもつれこんでしまう理由からして打撃陣に問題がある。
投手陣がいくら踏ん張っても、1-1や2-2のままエキストライニングに突入してしまう。
さらに今年に入ってからは、延長戦では1点も取れていない。
これでは勝てるわけがない。

打てない、という心配は開幕前からあった。
開幕後の数試合は思いのほか点が取れたので今年は違うのかと期待したが、
その後はズルズルと敗戦を続けている。
首位のソフトバンクとのゲーム差は早くも9。
このままでは早々にシーズンが終了してしまう。

負け続けているとは言え、
延長に入っているということは紙一重の勝負をしていることは確か。
負けた分をやり返せれば上位進出も見えてくる。
とにかく、点を取らないと。
なんとしても、もぎ取らないと。

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滅多にホームランが出ないプロ野球のままでいいのか [ヨモヤ]

ここ数年、ずっとその傾向だが、
日本のプロ野球は投手上位が続いている。
私が応援しているパ・リーグで、よりその傾向が強い。
ホームラン数を見ると、打撃の貧困さがよくわかる。
       
ソフトバンク 23試合 ホームラン13本
日本ハム   21試合 ホームラン11本
オリックス  25試合 ホームラン 9本
楽天     23試合 ホームラン 8本
ロッテ    23試合 ホームラン 8本
西武     23試合 ホームラン12本

最もホームランを打っているソフトバンクでさえ、大体2試合に1本のペース。
楽天やロッテに至っては、3試合に1本。
個人が、ではなく、チーム全体で3試合に1本。

ちなみにチーム本塁打の最多記録は2004年の巨人の、
138試合でホームラン259本。
1試合約2本ペースで打っていたことになる。

当時とはボールも違うだろうし、
投手のレベルも違うだろう。
また、ホームランが出過ぎるのも興醒めである。
それにしても・・・。

投高打低の状況がここまでになってしまうと、
自然にもとに戻ることは期待しにくい。
少し、人為的に手を加える必要があるのではないだろうか。

飛ぶボールに変える、
バットの基準を変える、
といったことがすぐに思いつくが、それだけでは足らない可能性がある。
もっと抜本的な改正、
例えば、
マウンドを低くする、
バッテリー間を長くする、
といったことが考えられる。
そうまでしてしまうことには賛否両論があるだろうが、
プロ野球の華と呼ばれるホームランが数試合に1本しか見られず、
誰が投げても投手戦となる事態が続くよりはましかもしれない。
いい加減、考えた方がいい。

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日銀は円安を容認しているのか [経済を眺める楽しみ]

日本銀行は、26日の金融政策決定会合で、政策金利の据え置きを決めた。
それは予想どおりだったが、為替に関する発言が意外だった。

植田総裁は会合後の記者会見で、
「基調的な物価上昇率に無視し得ない影響が発生すれば、金融政策上の判断材料となる」
とし、
「(では、足元の円安の)影響は無視できる範囲だったのか」
と聞かれ、
「はい」
と答えられたのである。

そう答えるしかなかったような気もするが、
市場関係者からすれば、
もっと円安をけん制するようなコメントが出るのではないかと見ていたのだろう。
植田総裁の発言を受けて、
現在の円安は物価にそれほど大きな影響を与えておらず、
そのため、なんらかの手を打つ必要性を感じていない、
と日銀は判断していると見られ、、
円安に拍車をかけた。

155円が一つの節目のように見られていたが、
日銀の姿勢が伝わるともう一段の円安が進んだ。
1ドル=156円を突破し、
157円にも手が届きそうな勢いである。

植田総裁の会見時は155円だったが、これが157円となると話が変わってきているかもしれない。
一時的な意味しかないが介入があるかもしれないし、
日銀の利上げも早まるかもしれない。

時期はどんどん先送りされているが、
アメリカはいずれ利下げに入る。
逆に日銀は利上げに動く。
そうなったとき為替はどうなるだろう。
案外、どうにもならないような気もする。

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自治体職員の退職は悪いことばかりではないけれど [ヨモヤ]

「自治体職員の退職が増えている」と、ネット記事で報じられていた。
総務省集計によると、教員や警察などを除く一般行政職のうち、
2022年度に主に自己都合で仕事を辞めた人が12,501人いたらしい。
2013年度は5,727人だったらしいので、
この10年で2倍以上増加したことになる。

また、退職するのは若い層が多いようだ。
30歳未満が13年度比2.7倍、
30歳以上40歳未満が同3.1倍だったというから、
この世代が集中的に辞めていることがわかる。

入ってすぐに辞めたわけではなく、
仕事も習熟し、これから中心プレイヤーになるという段階での退職。
辞めた人にはいろいろな思いがあっただろうし、
抜けられた職場は痛かっただろう。

退職の理由は人それぞれ。
仕事がつまらない
仕事がきつい
給料が安い
成長できない
他にやりたいことができた
など、いろいろ考えられる。

自治体職場で働くのがつらい、つまらない、
一刻も早く辞めたい、
と思うようになってしまったのなら、
これはもう仕方がない。
無理に続けても、いいことはないだろう。
退職された方々が他の分野で一層力を発揮されているのなら、悪いことではない。
辞めたいのに、他に働く場所がない、
というより、辞めてもしっかり働き場がある方がいい。

ただし、やる気も能力もある職員が、
この職場には未来がない、
として辞めていくのなら残念である。
自治体は、そうした職員に選ばれる職場にしていかなければならない。

本来、自治体はやりがいがある職場である。
そのことがうまく伝わっていないのだとしたら、
やりがいのある仕事ができていないのだとしたら、
そこはしっかり改める必要がある。
いい職員から順番に辞めていく、
という状況になったら目も当てられない。

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映画評 「再会長江」 [映画評]

中国・南京に在住で、
関連のSNS総合で約1000万人を超えるフォロワーを抱えるとされる
日本人監督の竹内亮さんの手によるドキュメンタリー。
舞台挨拶があったこともありほぼ満席の客席に、
中国人のお客さんも相当数来られていた。

竹内監督は、10年前にNHKの番組で長江を撮影したのだが、
その際「長江源流の最初の一滴」にたどり着けず、後悔があったのだという。
本作は、2021年から2年をかけて行った長江6,300kmをたどる旅のドキュメンタリー。
タイトルに「再会」とあるのは、道中で10年前に撮影した友人たちと再会しながらゴールを目指すため。

映画を観て、今さらながら感じるのは、
中国の広さ、
中国の多様さ、である。
気候や風俗が土地土地によって全く違うだけではなく、
様々な民族が暮らしている。
日本の尺度ではまったく測れない。

また、この10年間の中国の変化にも驚かされる。
豊かになったというだけでなく、
人々の価値観も大きく変わったようだ。

作品は、映画というより、テレビのドキュメンタリーに近い感じ。
中国のことを知りたい、
前作のあとの変化を知りたい、
という方にはいいのだと思う。
映画的な興奮、というものを求める作品とは少し違うようだ。

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吹きまくってくれてこそネリ [ヨモヤ]

去る3月6日、
井上とネリが東京ドームで闘うことが発表された。
悪童、と呼ばれるネリがその際には妙に殊勝で、
過去にとんでもない迷惑をかけた山中慎介さんに謝ってみせたりした。

しかし、試合は試合で楽しむとして、
前段階はいろいろ煽ってほしい。
優等生ばかりではつまらない。
プロレスのレベルまでやることはないが、前景気も大切。

ネリは、そんなことを思ってくれたのだろうか。
それとも単にそういう人なのか。
井上戦が近づくにつれて、いろいろ吹くようになってきた。

曰く、
「彼の試合を見てきたが、過大評価されている。普通の平凡なファイターだ」
「私が見る限りスピードがあって、賢い。パワーもある。だが、パンチを打つときに隙ができる。そのときこそ私の出番だ」
「彼にはリスクがある。(契約に)再戦条項はない。それは彼が自信過剰だからだ。彼は楽勝だと思っているが、意外な出来事が起こることになる」
「彼らがこの戦いを受け入れたのは間違いだろう。彼らには勝って得るものは何もない。彼らは名誉のためにやっているが、この戦いに参加したことを後悔するだろう」
といった具合である。

井上の弱点についても、
「いくつか見つけている」
らしい。

スポーツは、いろいろ予想することで観る前から楽しめる。
感情を煽ってくれるとなおさら。
だからネリが元気なのは歓迎。

5月6日の本番まで、
ネリには吹きまくってもらいたい。
もちろん本番も、
強いネリを期待している。
実際、決して油断できない選手である。

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2年目の「THE SECOND」 成功を祈るけれど過度な期待は禁物かしら [ヨモヤ]

結成16年以上の漫才コンビが競い合う賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」。
芸歴が長くなり、M-1グランプリに出場できなくなった芸人にセカンドチャンスを与えるというコンセプトで始まった企画である。
出場資格があるのは結成16年以上のプロのみで、
過去に全国ネットの漫才賞レース番組で優勝したことがあるコンビは出場できない。
ネタの持ち時間は、M-1より長めの6分。

去年、第1回の放送を見たが、
残念ながら笑えるネタはあまりなかった。
また、一回戦で金属バットがマシンガンズに負けてしまったのは興ざめだった。
100人の観客が審査を行うというシステムがよくないと思うので、
今年もそのシステムを採用するのなら、またガッカリしそうである。

2年目となる「THE SECOND」の最終決戦に臨む8組が決定した。
それは、
タモンズ、ハンジロウ、タイムマシーン3号、ガクテンソク、
金属バット、ラフ次元、ななまがり、ザ・パンチ
である。
コメントの難しいメンバーだが、
それが「THE SECOND」らしさでもある。
金属バットが優勝候補となるのだろうが、
去年と同じように素人さんが審査する仕組みが取られるとしたら、どうなるかわからない。

M-1で勝てなくても面白い芸人は大勢いるはずなので、
こうした企画があるのはいいことだと思う。
ただ、何か新しいもの、若しくはうならせるものを提示していただきたい。
昔ながらのネタを昔ながらの感じで披露して、
「うわ、懐かしい」
「そうそう、この感じがいいんだよ」
という感じで、いわゆる「通」が盛り上がるのでは、なんだか寂しい。

成功することを祈るけれど、
やっちゃった感がある大会になる心配もないではない。
それでも、「THE W」のようにはならないだろうけれど。

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映画評 「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」 ~ いくらなんでも・・・ ~ [映画評]

観に行っておいてなんだが、
最初からいい映画であることを期待してはいなかった。
家人がファンといえばファンなのでコナン映画をちょくちょく観に行くが、
当たりと言える作品に巡り合うことはごく稀。
まあ、制作陣も、映画ファンを相手にしているわけではないだろうけれど。

私が観たのは夜8時半からの回だったが、劇場はほぼ満席。
なんでも、公開初日だけで、
観客動員数63万人、興行収入9.6億円を記録する大ヒットスタートだったという。
ふむ。

大ヒットが約束されているシリーズで、
予想どおり大ヒット。
ならば、これでいいのだろう。
コナンファンの皆さんが面白いと思えるのなら、それでいいのだろう。
いいのだろうけれど。

面白くなくても仕方がない、
と覚悟して観に行ったが、
私の覚悟など甘いものだった。
面白くなさは、想像を超えていたから。
脚本のひどさ、演出のつたなさ。

終始退屈であり、私は睡魔との戦いに集中。
せっかくお金を払って時間を割いて劇場にいるのだから、
ちゃんと観なければ、
しっかり映画を追わなければ、
と思うのだが、
それはそれは厳しい戦いを強いられた。
だって、楽しめる要素がないんだもの。

怪盗キッドやら服部平次やらがわちゃわちゃやるのだが、
もう、なんというのか。
ファンの方が楽しめるのならそれでいいとは思うが、
それにしても…。

コナン映画を一年に一度の楽しみにしている人も少なくないだろう。
この作品でいいのだろうか。
ヒットすればそれでいいのだろうか。
ファンの方が楽しめるとしても、
今作はいくらなんでも。

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自治体の給与が高いと問題か [ヨモヤ]

埼玉県内のとある市の給与が高いらしいことがニュースになって報じられていた。
なんでも、
ラスパイレス指数が全国1位なのだそうだ。
これに対して、知事が、
「住民の理解と納得を得られる給与水準であることが重要」
とおっしゃったらしい。
この発言について、
「知事が苦言」
という見出しがついていたネット記事もあったが、
一般的なことを話されているだけにも取れる。

そもそも、このラスパイレス指数というもの自体、
どこまで真剣にとらえるべきなのか。
ラスパイレス指数の問題点として指摘されるのは、
・国と地方の公務員で比較の対象となる職員が違う
・手当分が配慮されていない
などである。
この指数が高いと本当に給与が高いと言えるのか、
国家公務員と比べることになにほどの意味があるのか、
入口の段階から疑問がある。

もっとそもそも論で言えば、
自治体が国家公務員の給与を上回ったらどうしていけないのだろう。
職員の給与をどうするかということは、最も基本的な経営戦略の一つであり、
給与を高くして優秀な職員を集める、という考え方があっても当然だろう。
また、自治体職員の給与については、地方議会の議決によって決められている。
それに対して、その地域の住民以外がとやかく言うのはどうなのだろう。

勤務地だけで率を決めている地域手当の方が、
よっぽどおかしいと思うのだけれど。

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日本株大幅下落もここで慌てない [資産運用]

19日の東京株式市場は大幅反落。
日経平均は前営業日比1,011円35銭安の37,068円35銭となった。

下げの要因としては、
米連邦準備理事会(FRB)が利下げの時期を遅らせそうな観測が流れたこと、
中東情勢が緊迫化していること、
アメリカ市場で半導体株が低下したこと、
などが挙げられている。

個別株では、
これまでの株高をけん引してきた東京エレクトロンやアドバンテストが大幅に下げた。
ただし、プライム市場の騰落数は、値上がり86銘柄、値下がりが1,554銘柄だから、
まさに全面安だったと言える。

一時41,000円を超えた日経平均が、
今は37,000円。
あっという間に4,000円下げたことになる。

4,000円下げたというと大変な下げに思えるが、
率にすると約1割である。
暴落とは言えない。
それに年初が33,000円くらいだったから、そこよりはまだそれなりに高い。
慌てることはないと思う。

もちろん、41,000円くらいのところで売り抜けられた方はナイスプレーだが、
ずっと持ち続けている人も、うまく逃げられなかったと悔いる段階ではない。
一本調子で上昇する株式市場などあるはずがないのだから、
こういう局面があるのは当然である。

中東情勢は心配だが、
ここまで日本株が上昇してきた要因がすべて消えてしまったわけではない。
慌てない慌てない。

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映画評 「アイアンクロー」 [映画評]

子どもの頃、プロレスごっこをしたときの定番の必殺技は、
足四の字固めであり、
コブラツイストであり、
アイアンクロー鉄の爪であった。
アイアンクローは、相手の顔を鷲掴みにするだけなので誰にでもできるし、
加減もしやすいし、見た目もわかりやすいので重宝した。

アイアンクローと言えば、フリッツ・フォン・エリックだが、リアルタイムで見た記憶はない。
録画の白黒映像で、馬場さんに迫っているシーンが印象的だった。
全日本プロレスのマットで見ていたのは、
フリッツ・フォン・エリックの子どもたちである
ケビン、デビッド、ケリーの三兄弟。
正直なところ、この3人にはお父さんと比べてあまり迫力はなく、
かといってうまさもなく、
まあ、若く華はあったが、それほど印象的なレスラーではなかった。

エリック家については呪われた一家と呼ばれていることは知っていて、
次々と不幸に襲われたことも聞いていた。
本作は、そうしたエリック家の栄光と悲劇を描いている。

プロレスのオールドファンにとっては、懐かしのレスラーたちが実名で登場するところが楽しい。
具体的には、
NWA王者のハリー・レイスだったり、
リック・フレアーだったり、
ブルーザー・ブロディだったり、
テリー・ゴディを含むファビュラス・フリーバーズだったり。
それぞれ役者さんが風貌を寄せて演じてくれているのも楽しい。
こうしたレスラーたちが、アメリカでも一定の知名度や尊敬を集めているのなら嬉しい。

ボクシング映画と対照的に、
プロレス映画はなぜかシリアスだったりバッドエンドだったりしがちなのだが、
本作も沈鬱。
主要人物が次々と不幸に見舞われるのだから、それは暗くもなる。
しかも、救いもあまりなく。

せめてアイアンクローの見せ場はもっと用意してほしかった。

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地域手当の弊害がここにも ~ 裁判官さんもご立腹の様子 ~ [ヨモヤ]

日本国憲法第80条第2項に以下のような規定がある。
第80条 (略)
2 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

この規定の適用を巡って、現職の裁判官が国に対して訴訟を起こすらしい。
津地裁の竹内浩史・部総括判事が、
「勤務地で地域手当の支給額が減るのは裁判官の報酬の減額を禁じた憲法に違反する」
として、
国を相手取り「減額分」の支払いを求めて名古屋地裁に提訴するというのである。

竹内判事は、
2020年に大阪高裁から名古屋高裁、
21年に同高裁から津地裁に異動され、
地域手当の割合が下がったことで実質的に報酬が3年間で計約240万円減ったのだそうだ。
「不合理な制度で多数の裁判官が不満を訴え、若手も辞めている。なんとかしないと地方に行く裁判官がいなくなってしまう」
とおっしゃっているという。

国家公務員のみならず地方公務員にも適用されているこの地域手当という制度。
ヘンテコ、トンデモなものであり、
あちこちで弊害を生じさせている。
都市部での生活費が高いことが地域手当を支給している理由だというが、
実際に要している生活費ではなく勤務地だけで決めているあたり、真面目さがまるでない。
つまり、
田舎に住んで東京に通った場合は地域手当が20%支給され、
東京に住んで田舎に通った場合は地域手当が支給されないということになる。
なんだそれ。

理屈に合わないばかりか、
各方面に迷惑をかけている制度なのに、延々と続けられている。
どうしてなのか。
まあ、理由はなんとなくわかるけれど。

竹内判事の訴えが認められるかどうかはわからない。
しかし、地域手当のヘンテコさが裁判のなかで明らかになるのなら、それはいいことだろう。
遅きに失しているが、正すべきものは正すべきだと思うから。

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映画評 「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章」 ~期待を大きく上回る出来栄え ~ [映画評]

漫画ファンから熱烈な支持を集める浅野いにおさんのコミックの映画化。
原作は未読で、例によって予備知識なしで鑑賞。

ここのところ邦画にはびこる前後編公開だが、個人的には否定派。
というか嫌い。
映画にするのなら2時間に収めるべきだし、
後編の前振り的に前編を作るのも納得できない。
去年公開された「東京リベンジャーズ」とかひどかった。
だから、本作についても今一つ乗り切れない感じで映画館へ。

しかし、これが面白かった。
どんな話なのか予備知識なく観に行き、
予告編から、女子高生のゆるふわコメディかと思っていたのだが、
いやいや、深い怖い。

物語の設定は、巨大な宇宙船が東京上空に浮かんでいるというもの。
その状況にも慣れ、
不思議な均衡が保たれているが、
一方で、
いつ世界が終わってもおかしくない、
といった妙な緊張感にも包まれている。

二人の女子高生が主人公で、
のんびりと日常を過ごしているように描かれるのだが、
実は重い過去をしょっている。
それが突如明かされる。

前章では、謎は謎のままで終わるのだが、
中途半端感はない。
後編の予告編に使われた感もない。
本作だけでしっかり満足感がある。
すごい脚本だった。
もちろん、その脚本を活かした監督の力もすごい。

「YOASOBI」のボーカルを務める幾田りらさんと、あのちゃんが主人公二人の声を演じる。
二人の演技に違和感はなく、映画にすっぽりはまっていた。

5月に「後章」が公開されるという。
前章が面白かったのでそちらも観に行こうと思うが、
前章は、この一本だけで独立して十分に楽しめた。
決して、単なる前振りではない。

この春、アニメ映画をご覧になるなら、是非こちらを。
心がかき乱される瞬間に出会えるはずだ。

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成瀬が天下を取った [読書記録]

全国の書店員が「いちばん売りたい本」を投票で選ぶ「本屋大賞」に、
「成瀬は天下を取りにいく」が選ばれた。
「成瀬」については、個人的な思い入れも深く、
本屋大賞にまで登り詰めたことに感慨を覚えた。

「成瀬は天下を取りにいく」の舞台は、滋賀県大津市。
滋賀県出身者としてはそそられた。
そして、最初のエピソードが「西武大津店」の閉店をめぐるもの。
主人公の成瀬あかりは、タイトルどおりに我が道を行く行動力を見せ、
それが周りを引き込んでいく。
しかし、天下を取る、といってもそんな大それたことをするわけではない。
西武のユニフォームを着てテレビに映り込む、とか、
友達とM-1の予選に出る、とか、そんな。
それがいい。

私がこの本を読んだのは去年の春。
読み終わった瞬間に思ったのは、
「これで西武大津店は永遠の命を持った」
ということだった。

日本中で、いろいろなお店が閉店していく。
それは避けられないことであり、仕方がないことである。
そしてどんなに愛された店であっても、時の流れによってその記憶は風化していく。
それも仕方がないことである。
しかし「西武大津店」は、成瀬によって生きながらえることができると思った。
成瀬が読み継がれていく限り、「西武大津店」の記憶も引き継がれる。
永遠に。

忘れたくないものがあるのなら、それを書いて伝えればいい。
自分で書けないのなら、誰かに書いてもらえばいい。
思いを持つ一人ひとりが書いて、のちにつなげればいい。
成瀬をヒントに立ち上げた企画に、素敵な思いが集まった。

成瀬の旅はまだまだ続きそうだ。
こちらも立ち止まっていないで追っかけていかないと。

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第5回伝えたい映画大賞 その2 作品部門 [映画評]

日本アカデミー賞をはじめとする各種映画賞に疑問を感じ、
自分たちで「伝えたい」と願う映画を選ぼう、という思いで始めた「伝えたい映画大賞」。
前回お届けした俳優部門に続き、今回は作品部門。

ちなみに過去の結果は以下のとおり。

第1回(2019年公開の映画が対象)
大賞 「洗骨」 監督・照屋年之(ガレッジセールゴリ)
2位 「岬の兄妹」 監督・片山慎三
3位 「愛がなんだ」 監督・今泉力也

第2回(2020年に公開の映画が対象)
大賞 「37セカンズ」 監督・HIKARI
2位 「糸」 監督・瀬々敬久
3位 「アルプススタンドのはしの方」 監督・城定秀夫

第3回(2021年に公開の映画が対象)
大賞 「街の上で」 監督・今泉力哉
2位 「偶然と想像」 監督・濱口竜介
3位 「映画大好きポンポさん」 監督・平尾隆之

第4回(2022年に公開の映画が対象)
大賞 「マイスモールランド」 監督・川和田恵真
2位 「ハケンアニメ!」 監督・吉野耕平
3位 「さかなのこ」 監督・沖田修一

今回取り上げられたのは以下の作品。
「福田村事件」 監督・森達也
「せかいのおきく」 監督・阪本順治
「銀河鉄道の父」 監督・成島出
「あつい胸さわぎ」 監督・まつむらしんご
「茶飲友達」 監督・外山文治
「愛にイナズマ」 監督・石井裕也
「銀平町シネマブルース」 監督・城定秀夫
「リバー、流れないでよ」 監督・山口淳太
「遠いところ」 監督・工藤将亮
「PERFECT DAYS」 監督・ヴィム・ヴェンダース

2023年の映画賞を席巻した「ゴジラ-1.0」は俎上にのらなかった。
しかし審査員一同の評価が低かったわけではなく、「もう十分に評価されたから」といったところ。

私は、「あつい胸さわぎ」「福田村事件」「茶飲友達」を推した。
「せかいのおきく」も一線上。

「あつい胸さわぎ」は、大好きな作品。
「福田村事件」は、審査委員が共通して取り上げた作品。
「茶飲友達」は、キワモノになりそうなテーマを、しっかり作品として立体的に映していた。

議論の結果、
大賞に「あつい胸さわぎ」
2位に「福田村事件」
3位に「リバー、流れないでよ」
を選んだ。

「リバー、流れないでよ」は、アイデア満載のタイムループコメディ。
終盤がちょっと残念だったが。

「福田村事件」は、政治的な信条などを交えず、是非フラットな気持ちで見ていただきたい。
人間の怖さ、弱さ、切なさが描かれている。

「あつい胸さわぎ」は、2023年最も胸を熱くしてくれた作品。
評論家筋を含めて評価する声が大きくないのだが、それは一体なぜなのか。
ラストシーンは、日本映画史上に残るのではないか、とまで思った。
「伝えたい」という趣旨からすれば、この映画は外せない。

2024年もすでに4分の1を過ぎているが、いい作品が目白押しとはいかない。
是非、「伝えたい」と思える映画に出会いたい。

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