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今年も世界で一番素敵な夜  ~ M-1は今年も炸裂 ただし個人的にはハッピーエンドとならず ~ [ヨモヤ]

去年、5年ぶりに復活したM-1グランプリ。
久し振りでどうかと心配したが、決勝に進出した9組中、ハライチを除いてすべてが面白いという奇跡のような大会になった。
トレンディ・エンジェル、メイプル超合金というスターも生み出し、順調に再スタートを切った。

もちろん、今年も期待したが、去年みたいな爆笑が2年続くようなことがあるわけがないとも覚悟していた。
去年が出来過ぎだったのだ。
しかし、そんな心配は取り越し苦労だった。
漫才師はすごい。
今年はハライチもしっかり笑いを取り、9組すべてが面白かった。
去年に負けない素敵な夜になった。

優勝は銀シャリ。
面白いのは誰もが認めるものの、一夜限りのコンテストで勝ち切る爆発力はないと思ったのだが、その予想は外れた。
二本とも面白かったが、特筆すべきは一本目。
ドレミの歌でボケていくという、漫才の教科書の前半の方に載っているようなネタで、次から次に笑いを取っていった。
これぞまさに腕。

敗者復活枠から勝ち上がり、2位通過したのが和牛。
今年、一番はまったのが彼らの笑いであり、敗者枠から勝ち上がって来ることを、願いを込めて予想もした。
http://matoko.blog.so-net.ne.jp/2016-12-03
ファイナルでは、場内を爆笑に包んだスーパーマラドーナの後というプレッシャーの中、さらなる笑いを巻き起こした。
銀シャリは好きだし、出来もよかったと思うが、ファイナルのネタで評価するのなら、和牛が優勝すべきだったと思う。
こんな二本をそろえられたコンビはこれまでもあまりいなかったのではないか。
ファイナルは3組とも熱演だったが、私は和牛の札が5本入ってもおかしくないと思っていた。
素敵な、本当に素敵な夜だったが、和牛の優勝でなかったことが唯一残念だった。
本当に残念だった。

3位通過は、スーパーマラドーナ。
1本目のネタは、去年の落ち武者を彷彿させる一人芝居&伏線回収もの。
田中さんの独特のキャラクターも相まって、腹を抱えて笑いつつ、感心もさせられた。
2本目も、客席はドッカンドッカン来ていたが、ネタとしてはどうだったか。
ノンスタイルがやりそうなパターンで、彼らの良さは出し切れていなかった気がする。
しかし、ネタ以外の部分もひっくるめると、今年の一番の勝者は彼らかもしれない。

では、ファイナル進出以外の組も含めて振り返ってみたい。

トップバッターは「アキナ」。
あんまりややこしいネタをされると困るなあ、と心配したが、わかりやすくきっちり笑えるネタを届けてくれた。
先陣を切り、笑いの神様に、「今年もM-1始まりましたよ」と振り向いてもらえる、いい漫才だった。

2番手は「カミナリ」。
滑り出しは快調で、二人のキャラを活かした漫才ができていたが、中盤から少し疲れたか。
テレビ的には面白く、ほかのネタやしゃべりを見てみたい気はした。

3番手は「相席スタート」。
事前にYouTubeで彼らのネタを見て、大いに期待していた。
エロい話が多いのだが、ゴールデンで、M-1の決勝で、どこまでできるのか楽しみだった。
この日も、彼ららしいネタをしっかりやってくれて、エロい要素も入っていたが、漫才としてどうかというと、もう一歩だったか。
どうせなら、もっとエロに振り切ってもよかったかもしれない。
会場は引くだろうが。

4番手が「銀シャリ」。
M-1のほか、THE MANZAI、キングオブコントにも出場している彼らだが、この日の1本目は過去最高の笑いを引き起こしたと思う。
スタイルが普通でも、面白いものは面白い。

5番目は「スリムクラブ」。
初登場のときは、とにかく笑った。こんな漫才ありか、と思った。
驚きがないなか、よく今回決勝まで残られた。
それはスタイルもさることながら、ネタもしっかりしているからだろう。
この日も十分面白かったが、上位3本に入るかというと、そこまでではなかった。

6番目は「ハライチ」。
ハライチもM-1でブレイクした芸人の一つで、息長く活躍している。しかも、今がピークかと思えるほどのテレビへの露出ぶり。
だから、M-1ドリームはすでに体現しているのだが、去年に引き続き参戦されている。
それは自分たちの原点を確かめる意味なのだろうか。
本当の面白さを追求するためなのだろうか。
素晴らしかった去年のM-1で、唯一スベッたのがハライチだった。
今年も同じようなことになるのではないかと心配したが、そんなことはなかった。
いつもの「ノリボケ」とは少し違う形で進めて、きっちり笑いを取った。
二人の漫才師としての力がよくわかった。
上位3組に入るまでのインパクトはなかったが、去年のリベンジは果たされたと思う。

7番目が「スーパーマラドーナ」。
去年、「血だらけの落ち武者を見た」というネタをされ、私のツボにすっぽりはまった。
十回も二十回も繰り返し見た。
歴史に残るネタだと思う。
そんな絶品の翌年に、あれ以上のネタがあるとは思えず、どうなるのかと身内のようにハラハラして見守ったが、いやはや十分面白かった。
展開としては似ているところもあるのだが、田中さんの狂気がより表面に出ていた感もあり、勝るとも劣らない出来だった。
感服。

8番目が「さらば青春の光」。
いろいろ騒動があり、個人事務所で活動している二人。
そんななかで、4年連続でキングオブコントの決勝に進出するなど、確かな力を持っている。
記者会見で、「おちゃらけ漫才師には負けない。僕らが優勝候補です!」と大見得を切ったらしい。
もちろん、ネタであろうが、本音も含まれていたのではないだろうか。
コントのイメージが強く、漫才でどうかと思ったが、漫才らしい漫才を実に楽しく見せていただいた。
スーパーマラドーナや和牛のように、声を出して大笑い、というのとは少し違うが、芯から面白く、個人的に一番気に入ったのがこの「さらば青春の光」のネタだった。
もう一本、決勝で見たかった。
ファイナルに残った三組になんの文句もないが、珠玉のネタだっただけに残念だった。

9番目が敗者復活枠から勝ち上がった「和牛」。
以前、「磁石」と「ダイアン」が漫才師として面白いと見込み、勝手に応援していた。
しかし、今一番推したいのがこの「和牛」である。
いろいろなパターンのネタがあるが、そのどれもが面白い。
だから、敗者枠から勝ち上がっての優勝を予想した。
ただ敗者枠には、「メイプル超合金」「東京ダイナマイト」「とろサーモン」「ジャルジャル」などなど強豪がひしめいており、視聴者投票という方式からも、実際に勝ち上がるのは難しいのかと思っていた。
家族そろっての和牛ファンであり、敗者枠からの勝ち上がりが発表される際には、全員で手を合わせ、勝ち上がりが決定したときには、ガッツポーズ・ハイタッチと、受験の合格発表以上に盛り上がった。
一本目のネタは、面白くて仕方がなかったが、彼らとしては普通。
ファイナルに進出したのは嬉しかったが、まだ力を出し切っていない気はした。

ファイナルの3組については、初めに書いた。
一本目よりやや落ちる内容だったスーパーマラドーナと銀シャリに比べ、和牛はギアがもう一段上がった感じで、私の中ではきっちり勝ち切ったように見えた。
彼らとしても、こんな2本を揃えられることはこれからもそうそうないだろうし、M-1の歴史の中でも、2本目でこれだけのネタを出して来たコンビはそうはなかったと思う。
それだけに、和牛が優勝できなかったのは、なんとも無念だった。
個人的に、ちょっと本気で凹んでしまった。

和牛が優勝でなかったのは、返す返すがえすガエス残念だったが、大会としては大成功だった思う。
素晴らしかった9組の出演者のほか、司会の今田さん、上戸さん、審査員の皆さん、番組スタッフの皆さんに、心からの感謝と敬意を表したい。
皆さんは、すごいことをやってのけられた。
素敵な、世界で一番素敵な夜だった。

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