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キーエンスが時価総額で第2位に [経済を眺める楽しみ]

企業の価値を図る指標には様々なものがあるが、最も一般的なものの一つが、
「時価総額」であろう。
時価総額は、「株価×発行済株式数」で計算されるもので、その時点での市場における評価が示される。

企業の規模を比較する際には、「売上高」「年商」といったものが使われる。
大きさを比べるにはこれらがふさわしいが、
どんなに売上が大きくても利益が上がっていなければ意味がない。

ちなみに、バブル期の時価総額ランキングを見ると、当時は金融が上位を独占していた。
特に銀行が強く、
日本興業銀行、住友銀行、富士銀行、第一勧業銀行、三菱銀行、三和銀行、
といった名前が上位を独占していた。
若い人は、聞いたこともない名前かもしれない。

ここ数年のランキングでは、
トヨタ自動車を絶対王者として、
NTTやソフトバンク、KDDIといった通信事業者が上位をにぎわしていた。

さて、直近のランキングを見ると以下のようになっている。
1位 トヨタ自動車
2位 キーエンス
3位 NTTドコモ
4位 NTT
5位 ソフトバンクグループ

ここで注目はなんといってもキーエンスだろう。
「え、なんの会社?」
と思われる方も少なくないと思う。
消費者と直接かかわることが少ない企業であるし、売上も大きくないからだ。
ちなみに1位のトヨタの売上高は約30兆円、4位のNTTの売上高も12兆円であるのに対し、
キーエンスは0.6兆円に過ぎない。
時価総額日本第2位のキーエンスの売上高は、
上場企業中275位!なのである。

評価される理由はいくつかあるが、わかりやすいのはその利益率。
売上0.6兆円で、経常利益は0.3兆円。
なんと売上高経常利益率は約50%である。
ちなみにトヨタの場合、売上30兆円で経常利益は2.5兆円。
売上高経常利益率は約8%。
世界最強の製造業と言われるトヨタの数字ももちろん悪いものではない。
業種が違うので単純な比較はできないが、キーエンスのすごさがわかると思う。

一般的な知名度はあまり高くないキーエンスだが、時価総額が2位になるくらいだから、
株をやっている人には超有名な優良企業である。
主力商品は、センサー、測定器、画像処理機器、制御・計測機器など。
BtoBがほとんどであり、海外売上比率も高い。
社員の年収が高いことでも知られていて、平均で2,000万円を超えているという。
ちなみに、Wikiによれば社名の由来は"Key of Science" らしい。

キーエンスのような、強い企業はごく一部であり、格差が広がっている面はある。
しかし、強い企業がより強くなることによって、全体が底上げされるということもあるだろう。
財閥系ではなく、独自の戦略で成長してきたキーエンスに学ぶ点は多いはずだ。

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