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史上最大の赤字 ソフトバンクは大丈夫か [経済を眺める楽しみ]

ソフトバンクグループが発表した2020年3月期連結決算は、
純損益が9,615億円の赤字(前期は1兆4,111億円の黒字)であった。
通期の赤字は15年ぶりのこととなる。
さらに、20年1~3月期の1兆4,381億円の赤字は、
東京電力が東日本大震災発生時の11年1~3月期に計上した赤字額1兆3,872億円を上回り、
四半期として日本企業として史上最大の赤字となった。

ソフトバンク苦戦の原因は、ソフトバンク・ビジョン・ファンドによる投資事業の損失。
携帯電話事業は堅調だったが、それを帳消しにするどころではないマイナス幅となった。
今年の2月には、孫社長が
「潮⽬が変わった」
と述べ、投資環境が好転の兆しであることを訴えたが、3月以降に再び落ち込んだ格好である。
ウーバーやウィーワークといった一時飛ぶ鳥を落とす勢いで伸びていた企業の株価が急落し、
それがそのままソフトバンクの赤字になってしまっている。
しかも、先も見えない状況である。

1兆円もの赤字というと、想像もつかないほどの事態だが、
孫社長はこれまで経営者人生を踏まえつつ、こんな風に語っておられる。

「事業家として長い人生を送ってきた。
ネットバブルの後は、体が半分以上、崖の外に落ちそうな状態で、
指2本で体を支えている危機感だった。
リーマンショックの時は腕1本で支えている感じ。
今回は4.5兆円の現金が確実に手に入る。
余裕で崖の下をのぞいている状態ではないか」

つまり、過去の危機に比べたら、それほど深刻ではないというのである。
実際、幾多の危機を乗り越えてきた孫社長だから説得力がないではないが、
そもそも投資がうまくいっていなかったところに今回のコロナ危機だから、さすがにしんどいだろう。

カリスマ経営者孫社長のもと、次々に業態を変えてきたソフトバンク。
市場を切り拓いてきたとも言える。
振り返って、
やっぱり孫さんはすごかった、となるのか、
今度ばかりは孫さんも、となるのか、
今年度は、市場も固唾を飲んで見守る正念場である。

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