SSブログ

アルゼンチンのデフォルトには驚かないけれど [経済を眺める楽しみ]

アルゼンチンが支払期限を迎えていた国債の利払いをせず、デフォルト(債務不履行)が確定した。
デフォルト、というと、国家破産というイメージがあり、
通常は大変なことなのだが、アルゼンチンはデフォルトの常連さん。
今回がなんと9回目。
払わなければならなかった額も5億ドル規模であり、
アルゼンチンの外貨準備高が400億ドルあるというから、
全く払えなかったわけではない。
今回のように返済能力ではなく、事務的な問題などでデフォルトになることを、
「テクニカルデフォルト」というらしい。

しかし、当然のことながら、だから問題ないということにはならない。
テクニカルな問題とはいえ、デフォルトになったことは確かであり、
債務問題が深刻化することに変わりはない。
アルゼンチン・ペソは長く下落傾向にあったが、今回のデフォルトがこれに拍車をかける恐れもある。
そうなると経済不安がさらに高まる。

アルゼンチン以外でも、新興国の債務状況はかなり悪くなっており、
レバノン、エクアドルもデフォルト状態になっている。
世界経済の低迷に、資源価格の下落、コロナショックと悪影響が重なっていることから、
ますます混迷の度が深まると見るべきだろう。

国の債務だけを見れば、日本はこうした新興国よりさらに悪い状況だが、
すぐにデフォルトの可能性があるかというと、そうではないだろう。
市場での日本の信認は厚く、円は強く、金利は低くなっている。
だからアルゼンチンのデフォルトを見て、次は日本だ、とおびえる必要はないと思う。

ただし、世界経済が一層厳しい状況になっていることには注意が必要である。
コロナの流行も、
ヨーロッパから新興国、南半球に移りつつある。
先進国の経済が収縮し、
成長エンジンである新興国のパワーにも当面は期待できないという状況になっている。
しばらくは、各国がそれぞれの力で立ち上がっていくしかない。
欧米が苦しんでいるなか、日本も自力で立ち上がり、
できれば世界経済の先導役になりたいところである。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。