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韓国の出生率0.78から何を見るか [ヨモヤ]

このところ、少子化問題が大きくクローズアップされている。
そのきっかけの一つは、2022年の出生数が80万人を割るというニュースだっただろうか。

マスコミの論調を見ると、
日本の政策の貧しさ、
日本で子供を育てることの大変さ、
などが、必要以上に喧伝されているように感じる。
反省すべき点が多々あるのは事実だが、
間違った方向への誘導は勘弁してもらいたいものである。

少子化は、日本に限った話ではない。
特に、お隣の韓国ではより深刻である。

韓国統計庁によれば、2022年の合計特殊出生率は0.78だったそうだ。
前年比で0.03下がり、過去最低を記録した。
日本の2021年の1.3を大きく下回っており、
出生数も25万を割り、20年前の約半分となっている。
日本の少子化どころではない。

韓国の少子化が進んでいる理由としては、
雇用不安や住宅難などの経済的理由に加え、
男性優位の家父長制的な家族や社会のあり方も若者が結婚や子育てを避ける一因とされている。
若者が、格差社会のなか厳しい競争にさらされていて、
結婚や子育てを選ばないのだそうだ。

韓国の出生率の低下を伝える記事中に、
「賢い人ほど子どもを産まない。子どもが生まれても格差がひどく、入試や就職競争で苦労する姿を想像するからだ」
「政府は主に既婚夫婦の育児支援に力を入れてきたが、出生率低下の主因である未婚率の増加に対応できていない」
といった識者の声も紹介されていた。

家族制度の硬直性や男性優位の社会など、
日本と韓国の共通点を挙げる人は少なくない。
であれば、韓国で効果を上げる少子化対策は日本でも有効である可能性がある。
現在のところ韓国も少子化対策は全く成功していないが、
互いの政策を検証し合う意味はありそうだ。

経済成長と少子化の進展に深い相関関係を見る人もおられるが、
シンガポールの出生率は1.1しかないので、必ずしもそうとは言えない。
イタリアの出生率が日本より低いところを見ると、
男性の草食化が少子化の理由という説にも疑問符が付く。

マスコミや識者と言われる方を中心に、
日本嫌いと思われる一定層の方がおられる。
そうした方々は、少子化のニュースを嬉々として伝えられているように感じる。
いかに日本が駄目な国かという傍証になるとお考えなのだろうか。
実際には、多くの国が少子化に苦しんでいる。
だから仕方がない、ではなく、
学び合いたいものである。

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