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映画評 「天間荘の三姉妹」 [映画評]

臨死状態の人間の魂がたどり着く旅館「天間荘」が舞台
という段階でなにやらあやしさを感じさせる。
トンデモ映画である予感が漂う。
上映時間が2時間半という長さになっているのもアラームを鳴らしてくる。

しかし、何事も食わず嫌いはよくないし、
先日この映画の監督である北村龍平さんの「映画監督という生き様」という本を読んでいたのも背中を押した。
で、観てみたら、これがなかなか面白かった。
やっぱ、観てみないと。

主演は、のんさん。
交通事故で臨死状態となり、現世に戻るか天へと旅立つかを自ら決断できるようになるまで、
腹違いの二人の姉が暮らす旅館「天間荘」で暮らすことになるという設定。
かなりの大技だが、のんさんがからりと演じられると、なんだか受け入れられる。
「さかなのこ」に続いてウエットスーツとなられ、なんだか今年ののんさんは海である。
長女に大島優子さん、二女に門脇麦さん。
お二人もよかった。
大島さんの和服は決まっていたし、門脇さんのちょっと影がある感じもはまっていた。
そのほかの出演者も、この類の映画としては驚きの豪華メンバー。
母役に寺島しのぶさん、父役に永瀬正敏さん、
さらに、高良健吾さん、柳葉敏郎さん、中村雅俊さんに加え、
三田佳子さんも。
謎の存在として柴咲コウさん、ちらっと映るだけの役に藤原紀香さん。
にぎやかしに、つのだ☆ひろさん、高橋ジョージさん。

2時間半は、長いと言えばちょっと長い。
退屈はしなかったけれど、もう少しコンパクトにまとめていただけた方がなおよかった。
よくよく考えると腑に落ちない設定や展開も少なくないのだが、
それはそれ。
観ている最中はあまり気にならなかった。

「天間荘の三姉妹」は、意外と、と言っては失礼だが、しっかり楽しめる作品。
三姉妹がはまっていた。

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