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NISAの見直しは当然行われるべきだった [経済を眺める楽しみ]

政府が、個人の所得を増やす「資産所得倍増プラン」の案を新しい資本主義実現会議の分科会に示した。
そのなかで、NISAによる投資額を56兆円に倍増する目標を記し、
岸田首相は
「一般NISAとつみたてNISAの双方の恒久化を実施する。
金融商品から得た利益が非課税となる期間を無期限化する」
と表明された。

個人投資家にとっては歓迎すべき話だと思う。
NISAを活用すれば資産が増える、というものではないが、
使おうと思う人の使い勝手がよくなるのはいい話である。

ただ、元の制度がひど過ぎたという面もある。
資産所得倍増プランを実施するかどうかにかかわらず、見直しは必須だったのではないだろうか。

今までのNISAは、
・一般NISA、ジュニアNISA、つみたてNISAの3本立て
・それぞれで口座開設期間や投資の枠や、非課税期間がバラバラ
・一般とジュニアについては終了時期が目前
といった有様だった。
使ってほしいのかほしくないのか疑わしくなるくらい、
わかりにくく、使い勝手が悪い仕組みだったと言えるだろう。

さらに一般NISAについては2024年にリニューアルされ、
1階部分と2階部分に分かれ、
1階部分は毎年20万円、2階部分は102万円とし、
それぞれ扱う商品が異なる、
という改正がなされることになっていた。

非課税上限がプラスされる、
というのが一つの売り物だが、
それも120万円が122万円になるという微増ぶりであり、
その代わり2階建てという一層わかりにくい制度に変えられるという、
およそ信じがたい改正が目前だったことになる。
なんにせよ、それが食い止められたことはよかった。

投資にしても、
税制にしても、
できる限りシンプルにすべきであろう。
制度を作っておられる方も百も承知のはずである。
それがなんでこんなことになってしまうのか。
年金制度のややこしさはその極みのようなものである。

わかりやすく、
使う人の身になって、
制度を見直していただきたい。

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