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市場はいつもこんな感じ ~ 一方的な円安は進まない ~ [経済を眺める楽しみ]

円安が進み、
1ドル130円をあっという間に突破し、140円、150円となって行った頃、
こんなことを言う人が結構いた。
「日米の金利差は拡大する一方であり、FRBが利上げを続ける以上、円安は止まらない」
「人口が減り、国力も下がる日本の円を買おうとする人はいない」

そう言われてみればそうかな、
という気がしなくもないが、
こうしたことが本当に当てはまっているのなら、
バブル崩壊後、ずっと円安が続いているはずである。
実際には上がったり下がったり、
いやむしろ、一時的には円高が行き過ぎることすらあった。
市場は、それほど単純なものではないのだ。

ここに来て、外国為替相場で円を買う動きが加速している。
一時1ドル150円を超えていたものが、11月12日現在では138円台。
約2カ月ぶりの円高ドル安水準となっている。

直接の原因は、
10月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、
米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めが事前予想よりゆるやかになるのではないかとの思惑が広がったこと。
インフレの鈍化が見られたことで、
FRBは今後も利上げはするだろうが、
そのペースが落ちるのではないかと考えられたのである。

円安は加速する一方、
というある種無責任な言葉に乗せられた方たちが大きな損を被っていないといいのだが。

これからも為替相場は一進一退が続く。
長期的なトレンドは円安の方向であるかもしれないが、
常に一方向ということはないだろう。
真剣に相場に向き合っているわけでもないコメンテーターの皆さんの言葉には、
十分に注意しよう。

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