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任天堂の快進撃は止まったか [診断士的経済アプローチ]

任天堂のここ数年来の快進撃はめざましかった。
一時はソニーのプレイステーションの攻勢に押されていたが、DSの大ヒットで反撃に転じ、Wiiも社会現象になるほど広まった。
任天堂が素晴らしかったのは、新しい市場を開拓した点である。
ゲームのハードユーザーは、子どもや若者であるが、少子化のなかでパイが縮まっていく。任天堂のDSやWiiは、中高年や高齢者、さらには家族という新しい顧客層に訴求することにより、縮小均衡から抜け出したのである。

しかし、さすがの任天堂も、ここに来て苦しくなっている。
10月29日に発表した、2010年3月期の連結業績予想によれば、営業利益が前年比33.4%減の3700億円に下方修正された。Wiiの販売が苦戦しているという。もちろん、円高も強い逆風である。

一時は70,000円を超えていた株価も、現在は24,000円近辺である。
これまでは、6%近くになろうかという配当利回りが魅力だったが、今回の業績見通しの下方修正で、配当も下がる見込みである。それでも約4%というのだから低くはないが、業績の先行きに不安があるなかでは、手が出しづらい。

国内の市場が縮小していくなかで、そこをあきらめずに新たな提案をしつつ、海外にも強いブランドと商品力で売り込んでいくという任天堂のビジネスモデルは、これからの日本企業のあるべき方向性を示している。
業績不振といっても、大幅な赤字に落ち込んだトヨタなどと比べると、まだまだ余裕もある。
任天堂の次の一手に注目である。
タグ: 経済
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