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映画評 「TENET」 [映画評]

私はもっぱら邦画を観ることにしている。
邦画だけでも毎週何本もの新作が公開されるので、それを観ていると、とてもではないが洋画までは手が回らない。
もちろん、洋画の方に良作が多いことは十分承知している。
それでも私は邦画を観たい。
同時代の日本人がどんなものを作るのか見届けたい。

だから洋画は厳選して観に行くこととなる。
よほどの話題作か、予告編でグサッと来たか、なんらか理由がないと洋画は観ない。
本作「TENET」は、
「ダークナイト」シリーズなどで知られるクリストファー・ノーラン監督の作品であり、
予告編も魅力的だった。
この映画は観るべきだと感じた。

事前に「難解」との評判を聞いていたが、
いやいや、難解っつったって、メジャー作品なんだし、お客を置き去りってことはないでしょう、
と思ったら甘かった。
時間移動ものはややこしいことが多いが、
本作は展開が速いし複雑だし説明ないし、
で理解するのが大変である。
ただ、これは映画であって、理解力テストをされているわけではない。
無理にわかろうとする必要はなく、ただ楽しめばいい。
楽しめなければ、それはそれである。

私は、というと、期待を高め過ぎたせいか、今一つ乗り切れなかった。
壮大な話なのだが、肝心なところは痴話げんかだったり、
大物のはずが自分からいろいろ手を汚しにきたり、
細かいところが気になった。
映像はすごいし、
この世界観を映画として成立させてしまう腕力にも感服するが、
娯楽作として成功しているかというとそうでもないように感じた。

主演は、ジョン・デヴィッド・ワシントンさん。
デンゼル・ワシントンさんのお子さん。
元プロアメリカンフットボール選手というから、身体能力も折り紙付きである。
イギリスの大ベテラン俳優マイケル・ケインさんとのシーンはとても面白かった。

「TENET」は、監督が作りたいものを作った感じの作品。
私はそうした映画が好きだ。
好きだが、そうした映画が必ず楽しめるかというと別の話。
繰り返し見ればいろいろな発見がありそうで、リピーターになる人もいるだろうが、
私は1回でおなか一杯になってしまった。

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