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ネット時代の取り付け騒ぎ [ヨモヤ]

「取り付け騒ぎ」という言葉をWikipediaで引くと、
『特定の金融機関や金融制度に対する信用不安などから、預金者が預金・貯金・掛け金等を取り戻そうとして(=取り付け)、急激に金融機関の店頭に殺到し、混乱をきたす現象のこと』
とされている。
さらに、
『経営破綻するという噂や、不確実な情報、デマが引き金となることが多い』
とも書かれている。

噂による取り付け騒ぎとしてよく知られているのが、
1973年の豊川信用金庫事件。
こちらは、女子高生3人の雑談がきっかけになったとされている。
もとは冗談だったのが伝聞で誇張されて広がり、収拾がつかなくなったようだ。
ちょうどオイルショックのあった年で、不安心理が働いていたという背景もあるらしい。
このときは、わずか一週間くらいで大きな騒動になった。

噂がもとで金融機関が追い詰められる。
それもわずか一週間で。
というのは驚きだが、SNSの時代となった今、
噂の広がり方の早さは以前とは比べ物にならない。

アメリカのシリコンバレーバンクが経営破綻したが、
その要因の一つがSNSを通じた情報拡散であるという。
金融当局の支援にもかかわらずあっという間に破綻に至った経緯について、アメリカ議会下院金融サービス委員会委員長は、
「これはツイッターにあおられた初めてのバンクラン(取り付け騒ぎ)だ。
正しい道筋を見極めるには冷静さを保ち、臆測ではなく事実を見ることが重要だ」
と述べたという。
イエレン財務長官も
「自己資本や流動性に対する監督がいかに強力なものであっても、SNSにあおられる形で銀行の取り付け騒ぎが起き、預金が一気に流出すれば、銀行は破綻の危機にさらされる可能性がある」
と述べている。

さらに、かつての取り付け騒ぎは、
銀行の窓口に人が押し寄せて、
というものだったが、現代は違う。
その気になれば、インターネット経由であっという間にできてしまう。
つまり、
噂の広がりの速さも、
取り付けが起きる速さも、
以前とは段違いということである。

無用な混乱を防ぐために我々に問われるのは、
一人一人のネットの情報を読み解く力(リテラシー)と節度のある行動だろう。
ネット情報を鵜呑みせず、
不用意に広げず、
立ち止まって考える習慣を付けたいものである。

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