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映画評 「零落」 [映画評]

原作は浅野いにおさんの同名タイトルの漫画。
浅野さん作品では、「ソラニン」「うみべの女の子」に次ぐ映画化ということになる。

監督は竹中直人さん。
役者との二足の草鞋を続けて30年超、監督作はこれで10本目。
本作は、書店で原作をたまたま読み、ほれ込んで映画化につなげたのだそうだ。

主人公は漫画家。
長期連載終了後スランプに陥り、
自暴自棄になり、
妻に当たり散らし、
風俗嬢に甘える。
まさに零落であるが、悲壮感はない。
漫画チックな落ち込み方。

竹中監督はそれを狙ったのかもしれないが、
漫画家の苦しみが悲痛な叫びとしては伝わってこない。
単に自意識過剰で困った奴としか思えない。
なので、感情を移入するに至らない。

主人公を演じるのは斎藤工さん。
だらしない男を斎藤さんらしく演じられた。
風俗嬢役に趣里さん。
こちらは魅力的であった。
妻役にMEGUMIさん。
今作ではプロデューサーも務められている。

竹中監督は、キャストに対し、
「好きな方というよりも必要な方々だった。声の音色も大事だった。
浅野いにお、というたった1人の観客のために。
いにおさんに僕のラブレターを届けたかった。僕のわがままにつきあってくれた」
とおっしゃったという。
ふむ。
にいおさんに向けた映画だったか。
だとしたら成功だったのだろうか。
どちらにせよ、
観客の方には今ひとつ向いていなかったような気がする。

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