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官僚の地方出向への期待度は? [ヨモヤ]

第2期安倍内閣の大きな目玉政策は、「地方創生」である。
担当大臣も、石破さんという大物中の大物。
政権の本気度が感じられる。

その石破大臣が宮崎市で講演し、
「地方創生で、希望があれば霞が関から20~40代前半の若くて知恵のある人を出す」
とおっしゃり、地方自治体に中央省庁の職員を出向させ、支援する考えを示されたという。

地方創生のための一つのアイデアだとは思うが、さて、霞ヶ関のキャリアの方が来て、どのようなお役に立ってくださるのだろうか?
現在でも多くの自治体にキャリアが幹部職員として派遣されているが、その結果はどうだろうか。
よくなっているのだろうか。
いや、残念ながら状況が変わっていないから現在のように地方再生が言われるのだろう。
では、官僚を派遣してもよくなっていないのだとしたら、その原因についてどんな検証がされているのだろうか。

やる前から否定的なことを言うのもなんなので、効果が見込めるのならば、やってみてもいいとは思う。
ただし、地方分権の時代となり、国と地方は対等協力なのだから、これまでのように、いきなり部長や課長でやってくるのはご勘弁願いたい。
当たり前のことだが、若手官僚はきちんと一兵卒からはじめていただくのが筋であろう。
こつこつと地元の人たちや市や町の職員との関係作りから始め、骨をうずめる覚悟でお願いしたい。
地方に住む人たちは、そこに一生暮らしていくのだから。
急に幹部職員としてやって来て、実績を残すことに焦り、ぶち上げるだけぶち上げて去っていくというのはやめてもらいたい。

また、前提として、官僚への世論の風当たりが強いことは知っておいていただきたい。
例えば、2012年8月の中央調査社による「議員、官僚、大企業、警察等の信頼感」調査 によれば、約6割の人が官僚を信頼できないとしている。
銀行や大企業を信頼できないとした人が2割だから、官僚がいかに信頼されていないかわかる。
同年11月の野村総研による「生活者1万人アンケート」によれば、官僚の信頼度は20%に満たない。
約40%の市役所職員の半分である。

こうした調査から、官僚は、国民から全く信頼されていないことがわかる。
だから、官僚を地方に派遣する、と言われても、地方の気勢は上がらないだろう。
これで地方もよくなる、優秀な人に来てもらって助かる、と思う人はほとんどいないだろう。

官僚については、「やる気や能力が高い職員もいる」という反論がよくなされる。
しかし、そんなことは当然である。
どんな組織にだって、やる気や能力が高い人はいる。
当たり前である。
それに、誰も、官僚が全員駄目だとは言っていない。
ただ、総体としての官僚が、国民から全く慕われていないというのも厳然とした事実である。

地方創生に向けては、次元の違う対策が打たれるという。
大いに期待するとともに、地方の側の覚悟も問われている。

官僚の地方への派遣は、まさか異次元政策の一環ではないだろうけれど。

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