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パの規定投球回数到達者は現在たったの4人 [ヨモヤ]

プロ野球に、「規定投球回数」というものがある。
投手が最優秀防御率のタイトルを獲得する際に必要な投球回のことを指し、
試合数 × 1.0
で計算される。
つまり、その時点での試合数がそのまま規定投球回数ということになる。
120試合終了時点での規定投球回数は120イニング、ということだ。

なぜこのようなものがあるかというと、一定投球回数以上を投げないと、防御率として比較する意味が無いからである。
1イニングだけ投げて無失点で防御率が0.00だからといって表彰対象にならないのは当然であろう。

規定投球回数をクリアするのは、ローテーションに入っていればなんとかなる。
6試合に1回先発するとすると、平均で6回投げればいいことになる。
6試合に1回しか投げないのだから、そのくらいは投げてもらいたいところだ。

投手の分業制が進んでいるなか、規定投球回数到達者は減少傾向だが、
それでも2017年、つまりおととしの段階ではセに12人、パに13人いた。
パが1人だけ多いが、指名打者制をとっているパでは、ピンチヒッターを送られることがないから、
先発ピッチャーが長いイニングを投げる傾向にある、というのが、かつての定説だった。
しかし、それが去年、今年でガラッと変わっている。
2018年では9人、
2019年ではなんと現時点で4人しかいない。
その栄えある4人は、
日本ハムの有原、
ソフトバンクの千賀、
オリックスの山岡、
楽天の美馬、
である。

今年は、
ソフトバンクの先発陣が次々と故障で離脱し、
西武は菊池が抜け、多和田が長いイニングを投げられず、
楽天の2大巨頭、岸と則本が出遅れ、
ロッテの涌井、石川も力を発揮できていない、
などなど、やや特殊な状況にはある。
それにしても4人とは。

先発して短いイニングだけを投げるオープナーという役割が生まれたり、
勝っている試合で6回から継投に入ったり、
ゲームプランが以前とは大きく変わっている。
それがいい悪いではないが、スポーツ新聞の愛読者としては、
投手成績の欄に4人しか載っていないのはさすがに寂しい。
チームの顔となるような先発投手がいてほしいというのは、単なるノスタルジーではないだろう。

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