続ける素晴らしさ ~ マー君6年連続2ケタ 新海監督2作連続100億 ~ [ヨモヤ]
プロとアマの違いの一つであり、一流と二流の違いでもあるのが、
「続けられるかどうか」
ということだと思う。
アマチュアの人も、瞬間的にはプロをしのぐような力を発揮することがあるが、
それを続けられるかどうかというと難しいだろう。
プロの世界でも、一流と言われる人だけが高いパフォーマンスを出し続けられる。
ヤンキースの、マー君こと田中将大投手が、6年連続の2ケタ勝利を達成した。
試合数の多いメジャーだから、2ケタくらい当たり前と思われるかもしれないが、
現役で6年以上続けて2ケタを勝っている選手はメジャーでも6人しかいないという。
マー君の場合、入団1年目から続けているから、さらに価値が高い。
今年の場合、レッドソックスに滅茶苦茶にやられた2試合があったこともあり、防御率はかなり悪い。
他の数字も特筆できるものはない。
しかし、ヤンキースのエースとして、ローテーションを守り続けているというだけで素晴らしい。
今度こそワールドシリーズで投げるマー君が見たい。
そして、新海監督。
「天気の子」の興収が100億円を突破し、「君の名は。」に続く2作連続での大台超えとなった。
これは、宮崎駿監督以来となる2人目の快挙。
そもそも日本では100億円を超える興収を上げる映画自体が滅多になく、
この「天気の子」でようやく10本目。
そのうち5本は宮崎監督作品である。
「天気の子」については、賛否が分かれているようだし、
どうも以前からの新海監督のファンはかなり離れているようにも見える。
一方で、新しいファンも呼び込んでいる。
なんにせよ、2作連続でメガな動員を記録するのはすごい。
一発屋にも惹かれるものがあるが、
やはり真のプロは、高いクオリティを継続して提供する。
マー君、新海さんともにまだまだ若く、これから先も楽しませてくれそうだ。
「続けられるかどうか」
ということだと思う。
アマチュアの人も、瞬間的にはプロをしのぐような力を発揮することがあるが、
それを続けられるかどうかというと難しいだろう。
プロの世界でも、一流と言われる人だけが高いパフォーマンスを出し続けられる。
ヤンキースの、マー君こと田中将大投手が、6年連続の2ケタ勝利を達成した。
試合数の多いメジャーだから、2ケタくらい当たり前と思われるかもしれないが、
現役で6年以上続けて2ケタを勝っている選手はメジャーでも6人しかいないという。
マー君の場合、入団1年目から続けているから、さらに価値が高い。
今年の場合、レッドソックスに滅茶苦茶にやられた2試合があったこともあり、防御率はかなり悪い。
他の数字も特筆できるものはない。
しかし、ヤンキースのエースとして、ローテーションを守り続けているというだけで素晴らしい。
今度こそワールドシリーズで投げるマー君が見たい。
そして、新海監督。
「天気の子」の興収が100億円を突破し、「君の名は。」に続く2作連続での大台超えとなった。
これは、宮崎駿監督以来となる2人目の快挙。
そもそも日本では100億円を超える興収を上げる映画自体が滅多になく、
この「天気の子」でようやく10本目。
そのうち5本は宮崎監督作品である。
「天気の子」については、賛否が分かれているようだし、
どうも以前からの新海監督のファンはかなり離れているようにも見える。
一方で、新しいファンも呼び込んでいる。
なんにせよ、2作連続でメガな動員を記録するのはすごい。
一発屋にも惹かれるものがあるが、
やはり真のプロは、高いクオリティを継続して提供する。
マー君、新海さんともにまだまだ若く、これから先も楽しませてくれそうだ。
書評 「清原和博への告白」 ~ オススメ ~ [読書記録]
はじめに気をつけていただきたいのは、この本は清原さん自身が書かれた「告白」という本とは別物ということである。
「への」告白、というタイトルになっているように、これは清原さんに甲子園でホームランを打たれたかつてのライバルたちの告白である。
いや、清原さんへのラブレターと言った方がいいだろうか。
清原さんは、甲子園で歴代最多の13ホームランをかっ飛ばしている。
2位の選手が6本だから、まさにぶっちぎりである。
この本の主役は、清原さんではなく打たれた投手の方。
一部の選手を除いて、無名の存在と言っていいと思うが、それぞれの野球に賭けた思いは熱い。
そして、清原さんへの思いも熱い。
その思いは、もちろん一方的なものなのだが、ほとんど恋のような感じである。
甲子園で清原さんと戦えた、ホームランを打たれた、ということが、誇りになっている。
生きていく糧になっている。
そして、クスリに手を出してしまった清原さんを、心から心配している。
この本を読むと、今騒がれている球数制限が、やたらみみっちい話に思えてくる。
せこい話してるなあ、と感じられる。
一度きりの高校時代、
子供の頃から夢に見た甲子園。
一人一人いろいろな思いがあり、
いろいろな家庭事情があり、
それでも野球を続ける。
高校野球の先に行ける人間など、ほんの一握りであり、
甲子園に行ったところで、その後の人生が保証されるわけでも何でもない。
それでも、そこを目指す。
自分の思いだけではなく、
親や、兄弟姉妹や、周りの人も思いを背負いながら、
その先のことなど考えないでプレーする。
野球に情熱を燃やしたって、
甲子園にすべてをかけたって、
損得を考えたら、釣り合うものはない。
しかし、そんなことはどうでもいい。
そのとき感じた思いは、勲章となって残っていく。
高校野球に命を燃やす若者を
「時代錯誤」
「ナンセンス」
笑う人もいるだろう。
「その先の人生の方が長いんだから」
「たかが高校野球なんだから」
と割り切る人もいるだろう。
周りがどう思おうと燃える人間は燃える。
そして、高校時代に感じた思いは、いくつになっても消えない。
本作は、雑誌への連載をまとめたものなのだが、
それを読んだ清原さんからの返事も掲載されていて、
これがまた胸を打つ。
野球になると、つい熱くなってしまうが、それはそれとして、
読み物としても十分によくできていて面白い。
野球に詳しくなくても、清原さんに思い入れがなくても、
きっと楽しめると思う。
おすすめの本である。
「への」告白、というタイトルになっているように、これは清原さんに甲子園でホームランを打たれたかつてのライバルたちの告白である。
いや、清原さんへのラブレターと言った方がいいだろうか。
清原さんは、甲子園で歴代最多の13ホームランをかっ飛ばしている。
2位の選手が6本だから、まさにぶっちぎりである。
この本の主役は、清原さんではなく打たれた投手の方。
一部の選手を除いて、無名の存在と言っていいと思うが、それぞれの野球に賭けた思いは熱い。
そして、清原さんへの思いも熱い。
その思いは、もちろん一方的なものなのだが、ほとんど恋のような感じである。
甲子園で清原さんと戦えた、ホームランを打たれた、ということが、誇りになっている。
生きていく糧になっている。
そして、クスリに手を出してしまった清原さんを、心から心配している。
この本を読むと、今騒がれている球数制限が、やたらみみっちい話に思えてくる。
せこい話してるなあ、と感じられる。
一度きりの高校時代、
子供の頃から夢に見た甲子園。
一人一人いろいろな思いがあり、
いろいろな家庭事情があり、
それでも野球を続ける。
高校野球の先に行ける人間など、ほんの一握りであり、
甲子園に行ったところで、その後の人生が保証されるわけでも何でもない。
それでも、そこを目指す。
自分の思いだけではなく、
親や、兄弟姉妹や、周りの人も思いを背負いながら、
その先のことなど考えないでプレーする。
野球に情熱を燃やしたって、
甲子園にすべてをかけたって、
損得を考えたら、釣り合うものはない。
しかし、そんなことはどうでもいい。
そのとき感じた思いは、勲章となって残っていく。
高校野球に命を燃やす若者を
「時代錯誤」
「ナンセンス」
笑う人もいるだろう。
「その先の人生の方が長いんだから」
「たかが高校野球なんだから」
と割り切る人もいるだろう。
周りがどう思おうと燃える人間は燃える。
そして、高校時代に感じた思いは、いくつになっても消えない。
本作は、雑誌への連載をまとめたものなのだが、
それを読んだ清原さんからの返事も掲載されていて、
これがまた胸を打つ。
野球になると、つい熱くなってしまうが、それはそれとして、
読み物としても十分によくできていて面白い。
野球に詳しくなくても、清原さんに思い入れがなくても、
きっと楽しめると思う。
おすすめの本である。
映画評 「ロケットマン」 [映画評]
フレディ・マーキュリーの半生を描いた「ボヘミアン・ラプソディ」に続いて、
エルトン・ジョンを描いた「ロケットマン」が公開された。
ハリウッドはちょっとした音楽映画ブームらしい。
映画と音楽はもともと相性がいいし、
60年代、70年代のアーチストを描けばオールドファンは喜ぶし、
新規ファンの開拓にもつながる。
しっかりした俳優さえ確保できれば、
そこそこのヒットは確約されたようなものなのかもしれない。
日本での人気はクイーンには及ばないが、
エルトン・ジョンも、とんでもなく売れたミュージシャンである。
歴代のセールスランキングで見ると、
ビートルズ、
エルビス・プレスリー、
マイケル・ジャクソン、
マドンナ、
に次ぐ5位らしい。
映画はエルトンの幼少期から描かれる。
しかし、なんとも暗い。
もちろん世界的な大成功を収めるミュージシャンであり、
駆け上がっていくときの爽快感はあるが、それでも暗い。
家庭環境も、取り巻く人たちも。
エルトン自身も。
エルトンと言えば、奇抜な衣装やド派手なパフォーマンスで知られるが、
それさえも悲しく映る。
もちろんそういう演出なのだが、そのトーンで統一されているのは観ている方としてはちとしんどかった。
しかも、オチが弱い。
「ボヘミアン・ラプソディ」における最後のライブシーンのようなクライマックスが用意されていないので、
もやもやした気持ちを引きずりながら映画は終わる。
主演のタロン・エジャトンさんは文句なしの好演なのだが、歌が本家と比べると弱い。
本家より弱いのは当たり前の話なのだが、一番盛り上がれる場所でもあるので、やはり残念。
いや、十分うまいのだが。
「ロケットマン」は、ちゃんとした映画。
栄光と、その影の挫折や葛藤をしっかり描いている。
しかし、そのために爽快感は犠牲にされている。
「ボヘミアン・ラプソディ」的な突き抜け感を期待すると、ちょっと拍子抜けかもしれない。
エルトン・ジョンを描いた「ロケットマン」が公開された。
ハリウッドはちょっとした音楽映画ブームらしい。
映画と音楽はもともと相性がいいし、
60年代、70年代のアーチストを描けばオールドファンは喜ぶし、
新規ファンの開拓にもつながる。
しっかりした俳優さえ確保できれば、
そこそこのヒットは確約されたようなものなのかもしれない。
日本での人気はクイーンには及ばないが、
エルトン・ジョンも、とんでもなく売れたミュージシャンである。
歴代のセールスランキングで見ると、
ビートルズ、
エルビス・プレスリー、
マイケル・ジャクソン、
マドンナ、
に次ぐ5位らしい。
映画はエルトンの幼少期から描かれる。
しかし、なんとも暗い。
もちろん世界的な大成功を収めるミュージシャンであり、
駆け上がっていくときの爽快感はあるが、それでも暗い。
家庭環境も、取り巻く人たちも。
エルトン自身も。
エルトンと言えば、奇抜な衣装やド派手なパフォーマンスで知られるが、
それさえも悲しく映る。
もちろんそういう演出なのだが、そのトーンで統一されているのは観ている方としてはちとしんどかった。
しかも、オチが弱い。
「ボヘミアン・ラプソディ」における最後のライブシーンのようなクライマックスが用意されていないので、
もやもやした気持ちを引きずりながら映画は終わる。
主演のタロン・エジャトンさんは文句なしの好演なのだが、歌が本家と比べると弱い。
本家より弱いのは当たり前の話なのだが、一番盛り上がれる場所でもあるので、やはり残念。
いや、十分うまいのだが。
「ロケットマン」は、ちゃんとした映画。
栄光と、その影の挫折や葛藤をしっかり描いている。
しかし、そのために爽快感は犠牲にされている。
「ボヘミアン・ラプソディ」的な突き抜け感を期待すると、ちょっと拍子抜けかもしれない。
二重三重四重・・・・におかしい高校野球日本代表日の丸の自粛 [ヨモヤ]
30日から韓国・機張で
「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」
が開催される。
毎回注目されるこの大会だが、
今年も大船渡高校の佐々木くん、星稜高校の奥川くんという二枚看板が乗り込んでおり、
大きな話題になりそうだ。
この時期に韓国で行われるということで、高野連はピリピリされているようだ。
結果、
「韓国のみなさんの感情を考えて、日の丸のついたシャツではなく無地のポロシャツで行く」
そうである。
そのうえで、
「(政治と)スポーツとは別物と考えています。混同しないように日本の球児の代表として、ハツラツとしたプレーでアピールしていくということ。1番の交流につながる。真摯にプレーすることを心掛けたい」
との方針らしい。
わざわざ国の代表であることを隠すあたり、かなり混同されているが。
日の丸を自粛するということは、
「韓国の人は、日本の国旗を見ると腹を立てる民族である」
「そのため、危険である」
とみなしていると受け取られかねない。
それは、韓国の人に失礼であろう。
「日の丸を背負う」
とよく言うが、国を代表するには重い覚悟がいる。
その象徴が国旗である。
それを、隠してしまうのはどうなのか。
また、
日の丸を隠す、ということは、妙にこそこそしているようであり、
まるで日本が悪いことをしているかのようである。
日の丸を隠して、韓国の人が感謝するだろうか。
そんなことのあるわけがない。
日の丸を隠して、選手の士気が上がるだろうか。
日の丸を隠さなければならない、ということで選手はなにを思うだろう。
一つもいいことが思い浮かばない。
「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」
が開催される。
毎回注目されるこの大会だが、
今年も大船渡高校の佐々木くん、星稜高校の奥川くんという二枚看板が乗り込んでおり、
大きな話題になりそうだ。
この時期に韓国で行われるということで、高野連はピリピリされているようだ。
結果、
「韓国のみなさんの感情を考えて、日の丸のついたシャツではなく無地のポロシャツで行く」
そうである。
そのうえで、
「(政治と)スポーツとは別物と考えています。混同しないように日本の球児の代表として、ハツラツとしたプレーでアピールしていくということ。1番の交流につながる。真摯にプレーすることを心掛けたい」
との方針らしい。
わざわざ国の代表であることを隠すあたり、かなり混同されているが。
日の丸を自粛するということは、
「韓国の人は、日本の国旗を見ると腹を立てる民族である」
「そのため、危険である」
とみなしていると受け取られかねない。
それは、韓国の人に失礼であろう。
「日の丸を背負う」
とよく言うが、国を代表するには重い覚悟がいる。
その象徴が国旗である。
それを、隠してしまうのはどうなのか。
また、
日の丸を隠す、ということは、妙にこそこそしているようであり、
まるで日本が悪いことをしているかのようである。
日の丸を隠して、韓国の人が感謝するだろうか。
そんなことのあるわけがない。
日の丸を隠して、選手の士気が上がるだろうか。
日の丸を隠さなければならない、ということで選手はなにを思うだろう。
一つもいいことが思い浮かばない。
逆に「よく2万円を守れているなあ」という印象 ~ 日経終値で20,261円 ~ [経済を眺める楽しみ]
8月26日の株式市場は下落。
日経平均株価の終値は、前週末比449円87銭安の20,261円となった。
これは、1月上旬以来の水準であり、20,000円をかろうじて維持した格好である。
随分下がったなあ、という印象もあるが、
このところの国内外の情勢を見ると、逆に「よく2万円割れなかったなあ」と思える。
なにしろ、また円高が進んだ。
日本の株式市場は、円相場と深い関連性があり、
円高が進むと、ほぼ確実に株価が下がる。
この日は、一時1ドル=104円台に突入したから、下がるのも当然である。
米中の貿易問題も逆風。
当事国はアメリカと中国だが、この両大国の貿易額が滞れば、当然日本への影響も免れない。
ヨーロッパ経済も心配の種。
一人勝ちと言われてきたドイツにも陰りが見えはじめていて、
けん引役が不在となっている。
日韓関係の悪化は、経済全体に与える影響はそれほど大きくないかもしれないが、
心理的には陰を落としているだろうか。
国内経済も、ここに来て不安が高まっている。
製造業の業績は軒並み悪化しているし、
消費も盛り上がってこない。
プラスの側面として、
賃金が上昇傾向であり、
失業率が低い、
というのが下支え要因になっているが、全体を引き上げるほどの強さはない。
さらに10月には消費税の引き上げが予定されている。
日本経済にとって消費税は鬼門である。
ここまで悪条件が揃ってしまうと、
積極的に日本株に手を出そうという投資家が減るのも、むべなるかなである。
そう考えると、よく20,000円台を守っている。
意外と底値は強いのかしら、などと思ったりする。
いや、それは甘いだろうか。
日経平均株価の終値は、前週末比449円87銭安の20,261円となった。
これは、1月上旬以来の水準であり、20,000円をかろうじて維持した格好である。
随分下がったなあ、という印象もあるが、
このところの国内外の情勢を見ると、逆に「よく2万円割れなかったなあ」と思える。
なにしろ、また円高が進んだ。
日本の株式市場は、円相場と深い関連性があり、
円高が進むと、ほぼ確実に株価が下がる。
この日は、一時1ドル=104円台に突入したから、下がるのも当然である。
米中の貿易問題も逆風。
当事国はアメリカと中国だが、この両大国の貿易額が滞れば、当然日本への影響も免れない。
ヨーロッパ経済も心配の種。
一人勝ちと言われてきたドイツにも陰りが見えはじめていて、
けん引役が不在となっている。
日韓関係の悪化は、経済全体に与える影響はそれほど大きくないかもしれないが、
心理的には陰を落としているだろうか。
国内経済も、ここに来て不安が高まっている。
製造業の業績は軒並み悪化しているし、
消費も盛り上がってこない。
プラスの側面として、
賃金が上昇傾向であり、
失業率が低い、
というのが下支え要因になっているが、全体を引き上げるほどの強さはない。
さらに10月には消費税の引き上げが予定されている。
日本経済にとって消費税は鬼門である。
ここまで悪条件が揃ってしまうと、
積極的に日本株に手を出そうという投資家が減るのも、むべなるかなである。
そう考えると、よく20,000円台を守っている。
意外と底値は強いのかしら、などと思ったりする。
いや、それは甘いだろうか。
不買運動をする方に想像してほしいこと [ヨモヤ]
このところ、「不買運動」という言葉をちょくちょく目にする。
連日のように取り上げられているのは、韓国における国を挙げての不買運動。
日本製の品物、
日本のお店、
日本資本の企業など、
ネットに列挙し、組織的な活動をされているという。
友人に対しては決して行わないことだから、実に悲しい気持ちになる。
日本もやり返すべきとは全く思わない。
ひたすら、悲しい気持ちになる。
もう一つ、巷を騒がせたのが、
NHKから国民を守る党(N国党)の立花孝志代表による崎陽軒シューマイの不買運動である。
(崎陽軒は「シウマイ」と表記していることから、この段階で立花代表に対して盛大なツッコミがあった)
きっかけは、MXテレビ「5時に夢中!」で、マツコデラックスさんがN国党に対して批判的な発言をしたことであり、
これに反発した立花代表が、番組のスポンサー企業の商品の不買運動を呼び掛けたというものである。
この件については、
「崎陽軒に矛先を向けるのはおかしい」
という声が多く聞かれる。
なんでも、食欲を刺激された人たちがシウマイ弁当の購入に走り、却って売り上げが増すという結果になっているようだ。
明らかに反社会的な活動をしている団体や、
法令順守を意図的に怠った企業に対しての不買運動は、
抗議の意思表明としてあり得ると思う。
しかし、今回の韓国や崎陽軒の件はどうだろう。
それには当たらないように思う。
不買運動をされる方に想像していただきたいのは、不買運動の対象となった企業やその関係者にも、
働いている方がおられ、その家族がおられるという当たり前のことである。
韓国の日本関連企業にも、
そこで働いておられる韓国の方がおられ、そのご家族の方がおられる。
もちろん多くの日本人も関わっている。
不買運動は、そういう方々の生活を、ひょっとしたら人生そのものを奪いかねないことを想像してほしい。
崎陽軒の場合も同様である。
今回は不発に終わったようだが、もし広がっていたら、
多くの人たちを悲しませていた可能性がある。
不買運動をされる方々は、
罪もない人たちを苦しい状況に追い込むことについて、どう思っておられたのだろう?
もしそこまで思いが及ばなかったのだとすれば、是非想像してみてほしい。
自分が、自分の家族がそんなことをされたらどう思うか、是非想像してみてほしい。
自分が気に食わない奴はどうなってもいい、
ということであれば何を言っても仕方がないことであるが。
連日のように取り上げられているのは、韓国における国を挙げての不買運動。
日本製の品物、
日本のお店、
日本資本の企業など、
ネットに列挙し、組織的な活動をされているという。
友人に対しては決して行わないことだから、実に悲しい気持ちになる。
日本もやり返すべきとは全く思わない。
ひたすら、悲しい気持ちになる。
もう一つ、巷を騒がせたのが、
NHKから国民を守る党(N国党)の立花孝志代表による崎陽軒シューマイの不買運動である。
(崎陽軒は「シウマイ」と表記していることから、この段階で立花代表に対して盛大なツッコミがあった)
きっかけは、MXテレビ「5時に夢中!」で、マツコデラックスさんがN国党に対して批判的な発言をしたことであり、
これに反発した立花代表が、番組のスポンサー企業の商品の不買運動を呼び掛けたというものである。
この件については、
「崎陽軒に矛先を向けるのはおかしい」
という声が多く聞かれる。
なんでも、食欲を刺激された人たちがシウマイ弁当の購入に走り、却って売り上げが増すという結果になっているようだ。
明らかに反社会的な活動をしている団体や、
法令順守を意図的に怠った企業に対しての不買運動は、
抗議の意思表明としてあり得ると思う。
しかし、今回の韓国や崎陽軒の件はどうだろう。
それには当たらないように思う。
不買運動をされる方に想像していただきたいのは、不買運動の対象となった企業やその関係者にも、
働いている方がおられ、その家族がおられるという当たり前のことである。
韓国の日本関連企業にも、
そこで働いておられる韓国の方がおられ、そのご家族の方がおられる。
もちろん多くの日本人も関わっている。
不買運動は、そういう方々の生活を、ひょっとしたら人生そのものを奪いかねないことを想像してほしい。
崎陽軒の場合も同様である。
今回は不発に終わったようだが、もし広がっていたら、
多くの人たちを悲しませていた可能性がある。
不買運動をされる方々は、
罪もない人たちを苦しい状況に追い込むことについて、どう思っておられたのだろう?
もしそこまで思いが及ばなかったのだとすれば、是非想像してみてほしい。
自分が、自分の家族がそんなことをされたらどう思うか、是非想像してみてほしい。
自分が気に食わない奴はどうなってもいい、
ということであれば何を言っても仕方がないことであるが。
映画評 「劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」 [映画評]
多分駄目だろうな、と予想して観に行ったら、意外とよかったりすることがある。
今年観た映画では、「ダイナー」がそのクチ。
きっと単なるトンデモ映画だろうと思っていたら、意外と面白くて驚いた。
正直、この「おっさんずラブ」についても、多分駄目だろうな、と予想していた。
しかし、低めに予想しておけば相当ひどくてもガッカリしないという利点がある。
のはずが「おっさんずラブ」は・・・。
ドラマで人気だった作品が映画化されるとたいていはコケる。
興行的にはまずまずでも、作品としては大コケすることがある。
なぜコケるかというと、
・気負い過ぎて世界観が変わってしまう、
・使い慣れないお金と時間をもらって、意味もなく規模だけが大きくなる、
・そもそも映画に合わない、
などの理由が考えられる。
こうしたコケパターンの典型的な症状は、
・無駄な海外ロケ、
・無駄なド派手シーン(カーチェイスやら、爆破やら)、
・急に出てきた大物俳優、
などがある。
「おっさんずラブ」は、見事なまでにこうした症状にはまっていた。
私は映画ファンであり、どんな映画であっても足を運んでもらいたいと願っている。
そのため、厳しめの映画評を書くときは、気が引けることもある。
しかし、この「おっさんずラブ」に関しては、大ヒットの出足となったようだし、
ネットの映画評も高いようだ。
だから、心置きなく思ったとおりに書ける。
「劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」は、日本映画の悪いところが凝縮されたような作品である。
安易な企画、
雑なストーリー、
稚拙な演出と美しくない映像、
安っぽい特撮シーン、
などなど。
まさに、ハラホロヒレハレである。
ファンのための映画であり、それをわざわざ観に行った私が悪いのだろうが、我慢を強いられる2時間だった。
どうしてこういう映画が作られてしまうのか、切なくなった。
日本映画の力のなさを思い知らされて、邦画ファンとしては心底悲しくなった。
もちろん、コメディである。
くそ真面目に観る映画ではない。
楽しめばいい。
しかし、こんな雑な話を見せられて、どう楽しめばいいというのか。
コメディこそ丁寧に作ってほしい、などという願いは全く叶わない。
主演は、もちろん田中圭くん。
最初から最後まで、ひたすら大騒ぎ。
感情移入できる要素はゼロだった。
旬な俳優さんをこんな風に使うのは悲しい。
吉田鋼太郎さんや沢村一樹さんは、安定の怪演ぶりだが、この脚本ではどうにもならない。
他の出演者からもなにも感じなかった。
あえて言えば、おかずクラブのゆいPさんがよかった。
「劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」は、ダメダメな映画。
いい出足だったようだし、観た人は満足だったようだから、それはまあおめでたい。
この映画がヒットしてしまうことについて、邦画ファンとしては、悲しい思いが募ったが。
今年観た映画では、「ダイナー」がそのクチ。
きっと単なるトンデモ映画だろうと思っていたら、意外と面白くて驚いた。
正直、この「おっさんずラブ」についても、多分駄目だろうな、と予想していた。
しかし、低めに予想しておけば相当ひどくてもガッカリしないという利点がある。
のはずが「おっさんずラブ」は・・・。
ドラマで人気だった作品が映画化されるとたいていはコケる。
興行的にはまずまずでも、作品としては大コケすることがある。
なぜコケるかというと、
・気負い過ぎて世界観が変わってしまう、
・使い慣れないお金と時間をもらって、意味もなく規模だけが大きくなる、
・そもそも映画に合わない、
などの理由が考えられる。
こうしたコケパターンの典型的な症状は、
・無駄な海外ロケ、
・無駄なド派手シーン(カーチェイスやら、爆破やら)、
・急に出てきた大物俳優、
などがある。
「おっさんずラブ」は、見事なまでにこうした症状にはまっていた。
私は映画ファンであり、どんな映画であっても足を運んでもらいたいと願っている。
そのため、厳しめの映画評を書くときは、気が引けることもある。
しかし、この「おっさんずラブ」に関しては、大ヒットの出足となったようだし、
ネットの映画評も高いようだ。
だから、心置きなく思ったとおりに書ける。
「劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」は、日本映画の悪いところが凝縮されたような作品である。
安易な企画、
雑なストーリー、
稚拙な演出と美しくない映像、
安っぽい特撮シーン、
などなど。
まさに、ハラホロヒレハレである。
ファンのための映画であり、それをわざわざ観に行った私が悪いのだろうが、我慢を強いられる2時間だった。
どうしてこういう映画が作られてしまうのか、切なくなった。
日本映画の力のなさを思い知らされて、邦画ファンとしては心底悲しくなった。
もちろん、コメディである。
くそ真面目に観る映画ではない。
楽しめばいい。
しかし、こんな雑な話を見せられて、どう楽しめばいいというのか。
コメディこそ丁寧に作ってほしい、などという願いは全く叶わない。
主演は、もちろん田中圭くん。
最初から最後まで、ひたすら大騒ぎ。
感情移入できる要素はゼロだった。
旬な俳優さんをこんな風に使うのは悲しい。
吉田鋼太郎さんや沢村一樹さんは、安定の怪演ぶりだが、この脚本ではどうにもならない。
他の出演者からもなにも感じなかった。
あえて言えば、おかずクラブのゆいPさんがよかった。
「劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」は、ダメダメな映画。
いい出足だったようだし、観た人は満足だったようだから、それはまあおめでたい。
この映画がヒットしてしまうことについて、邦画ファンとしては、悲しい思いが募ったが。
韓国の振る舞いをしっかり覚えておこう [ヨモヤ]
日韓関係が、過去最悪と言われる状況になっている。
しかし、これを深刻にとらえている日本人はそれほどいないのではないだろうか。
別に、悪くなっても仕方がない、
こちらから歩み寄る必要はない、
と思う人が増えているように思える。
韓国の人は親切だった、
と旅行の思い出を語る人は多い。
韓国の食べ物や文化が好きだ、
という人も多い。
それでいいと思う。
ただ、今回の件における一連の韓国の振る舞いは忘れないようにしたい。
このあと、時間の経過とともに関係の改善が図られることもあるだろうし、
そんなこともあったなあ、と語られる日も来るかもしれないが、
国の根本はそう変わるものではないと思うからである。
そこをよく知ったうえで付き合うべきであろう。
今回の一連の騒動は、
日本側から見ると、ちょっと理解しがたいくらいの文政権の反日政策に端を発している。
最終的かつ不可逆的と両国政府が約束した慰安婦問題を一方的に破棄したり、
解決済みとしてきた徴用工問題を蒸し返したり、
レーダー照射で軍事衝突の危機を招いたり、
その他、まだまだある。
これらに対して、一つ日本が返したら、
国を挙げての不買運動、
一国の大統領からの「盗っ人たけだけしい」との批判、
さらに、
日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の一方的廃棄。
スポーツや文化、
地域交流についても、韓国側からストップがかかった。
こんなときこそ政治を離れた交流を続けるべきだと思うが、
そうは考えないようだ。
なにしろ、「反日無罪」などという恐ろしい言葉があるくらいだから。
私は、日韓関係が崩壊すべきとは思わないし、
上手く付き合っていけるものならそれに越したことはないと思う。
しかし、今回の韓国の対応は、決して忘れるべきではないと考える。
根に持つ、
ということではなく、どういう国なのかを知っておく必要があると思うからである。
しかし、これを深刻にとらえている日本人はそれほどいないのではないだろうか。
別に、悪くなっても仕方がない、
こちらから歩み寄る必要はない、
と思う人が増えているように思える。
韓国の人は親切だった、
と旅行の思い出を語る人は多い。
韓国の食べ物や文化が好きだ、
という人も多い。
それでいいと思う。
ただ、今回の件における一連の韓国の振る舞いは忘れないようにしたい。
このあと、時間の経過とともに関係の改善が図られることもあるだろうし、
そんなこともあったなあ、と語られる日も来るかもしれないが、
国の根本はそう変わるものではないと思うからである。
そこをよく知ったうえで付き合うべきであろう。
今回の一連の騒動は、
日本側から見ると、ちょっと理解しがたいくらいの文政権の反日政策に端を発している。
最終的かつ不可逆的と両国政府が約束した慰安婦問題を一方的に破棄したり、
解決済みとしてきた徴用工問題を蒸し返したり、
レーダー照射で軍事衝突の危機を招いたり、
その他、まだまだある。
これらに対して、一つ日本が返したら、
国を挙げての不買運動、
一国の大統領からの「盗っ人たけだけしい」との批判、
さらに、
日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の一方的廃棄。
スポーツや文化、
地域交流についても、韓国側からストップがかかった。
こんなときこそ政治を離れた交流を続けるべきだと思うが、
そうは考えないようだ。
なにしろ、「反日無罪」などという恐ろしい言葉があるくらいだから。
私は、日韓関係が崩壊すべきとは思わないし、
上手く付き合っていけるものならそれに越したことはないと思う。
しかし、今回の韓国の対応は、決して忘れるべきではないと考える。
根に持つ、
ということではなく、どういう国なのかを知っておく必要があると思うからである。
甲子園というお祭りは日本の財産 [ヨモヤ]
東日本大震災後、各地のお祭りを大切にしようという運動が広がった。
お祭りは地域の資産であり、
途切れさせてしまうと復活させるのが難しくなる。
無くなって初めてお祭りの大切さに気付くというが、
それでは遅い。
日本各地にいろいろなお祭りがあるが、甲子園も盛大な祭りの一つである。
高校生の野球大会にしてはあまりにも盛大過ぎるがゆえに、
なんだかんだと言われてしまうが、
お祭りと思えば、細かいことは言いっこなし。
踊る阿呆も
見る阿呆も
楽しまなければ損である。
だって、こんなに楽しい祭りも滅多にない。
星稜対履正社という絵に描いたような顔合わせは、
履正社が絵に書いたようにリベンジを果たした。
もし履正社がセンバツの1回戦以外で星稜に当たっていたら、
こんな具合にはならなかっただろう。
1回戦のフレッシュな奥川くんを見たことによって、
上には上がいることを知り、
そのためにやるべきことを悟った。
とはいえ、夏の甲子園でも、1回戦で両者がぶつかっていたら星稜が勝っていたと思う。
疲れの残っていない奥川くんから点を取るのは、
どれだけ対策を練ったとしても難しいだろうからだ。
センバツの1回戦で当たった両者が、
夏は決勝戦で当たった。
この巡り合わせが勝敗を分けた。
私は、仕事もあり、
多くの試合を見ることはできないが、
相変わらず甲子園はいいな、と思う。
日本中で予選が行われて、
夏休みに試合があるというのも、なんとも言えずいい。
暑い中でやることに対して云々言う人がいるが、
祭りにそんなことを言うのは野暮というものである。
お祭りは地域の資産であり、
途切れさせてしまうと復活させるのが難しくなる。
無くなって初めてお祭りの大切さに気付くというが、
それでは遅い。
日本各地にいろいろなお祭りがあるが、甲子園も盛大な祭りの一つである。
高校生の野球大会にしてはあまりにも盛大過ぎるがゆえに、
なんだかんだと言われてしまうが、
お祭りと思えば、細かいことは言いっこなし。
踊る阿呆も
見る阿呆も
楽しまなければ損である。
だって、こんなに楽しい祭りも滅多にない。
星稜対履正社という絵に描いたような顔合わせは、
履正社が絵に書いたようにリベンジを果たした。
もし履正社がセンバツの1回戦以外で星稜に当たっていたら、
こんな具合にはならなかっただろう。
1回戦のフレッシュな奥川くんを見たことによって、
上には上がいることを知り、
そのためにやるべきことを悟った。
とはいえ、夏の甲子園でも、1回戦で両者がぶつかっていたら星稜が勝っていたと思う。
疲れの残っていない奥川くんから点を取るのは、
どれだけ対策を練ったとしても難しいだろうからだ。
センバツの1回戦で当たった両者が、
夏は決勝戦で当たった。
この巡り合わせが勝敗を分けた。
私は、仕事もあり、
多くの試合を見ることはできないが、
相変わらず甲子園はいいな、と思う。
日本中で予選が行われて、
夏休みに試合があるというのも、なんとも言えずいい。
暑い中でやることに対して云々言う人がいるが、
祭りにそんなことを言うのは野暮というものである。
映画評 「イソップの思うつぼ」 [映画評]
『カメラを止めるな!』のクリエイター再集結、
がこの映画の売り。
同映画のメガホンをとっていた上田慎一郎さんに加え、
助監督の中泉裕矢さんとスチールの浅沼直也さんの三人が共同で監督を担当している。
『カメ止め』のヒットにより、今作の注目度は高まったが、
それでもメジャー系作品と比べると細々としたもの。
私が観に行った劇場の人はまばらで、『カメ止め』のときの熱気にはほど遠く。
なかなか厳しいものである。
映画は、オムニバスのどんでん返し系。
やりたいことが分からなくはないが、
仕掛けの大きさが説得力にはまるでつながらず、
「はあ、そうですか」
という感じ。
テンポも筋立ても熱量も、
『カメ止め』にははるかに及ばない。
そうやっていちいち比較されるのもかったるいだろうが、しばらくの間は仕方ない。
三人の少女が中心人物として出てくるのだが、
映画に印象がないこともあり、女優さんにも印象がない。
脇を固めていた俳優さんたちにも、特別なものは感じなかった。
上田慎一郎監督の新作『スペシャルアクターズ』が10月に公開される。
こちらは、『イソップ』以上に注目されるだろう。
もし、『カメ止め』に匹敵するような傑作だったら、上田監督の評価は不動のものとなる。
まあまあの作品だった場合、その次の作品が正念場になる。
もし、大コケだった場合、『カメ止め』はまぐれだったとみなされるだろう。
『イソップの思うつぼ』は、大仕掛けなのに、印象が薄い作品。
才気のようなものはあまりうかがえなかった。
しかし、つまらなくて仕方がない、という映画でもない。
小さく当てに行ったわけでもないのに、微妙な当たりになってしまった感じ。
とにかく、注目は上田監督の次作である。
がこの映画の売り。
同映画のメガホンをとっていた上田慎一郎さんに加え、
助監督の中泉裕矢さんとスチールの浅沼直也さんの三人が共同で監督を担当している。
『カメ止め』のヒットにより、今作の注目度は高まったが、
それでもメジャー系作品と比べると細々としたもの。
私が観に行った劇場の人はまばらで、『カメ止め』のときの熱気にはほど遠く。
なかなか厳しいものである。
映画は、オムニバスのどんでん返し系。
やりたいことが分からなくはないが、
仕掛けの大きさが説得力にはまるでつながらず、
「はあ、そうですか」
という感じ。
テンポも筋立ても熱量も、
『カメ止め』にははるかに及ばない。
そうやっていちいち比較されるのもかったるいだろうが、しばらくの間は仕方ない。
三人の少女が中心人物として出てくるのだが、
映画に印象がないこともあり、女優さんにも印象がない。
脇を固めていた俳優さんたちにも、特別なものは感じなかった。
上田慎一郎監督の新作『スペシャルアクターズ』が10月に公開される。
こちらは、『イソップ』以上に注目されるだろう。
もし、『カメ止め』に匹敵するような傑作だったら、上田監督の評価は不動のものとなる。
まあまあの作品だった場合、その次の作品が正念場になる。
もし、大コケだった場合、『カメ止め』はまぐれだったとみなされるだろう。
『イソップの思うつぼ』は、大仕掛けなのに、印象が薄い作品。
才気のようなものはあまりうかがえなかった。
しかし、つまらなくて仕方がない、という映画でもない。
小さく当てに行ったわけでもないのに、微妙な当たりになってしまった感じ。
とにかく、注目は上田監督の次作である。