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映画評 「メランコリック」 [映画評]

第二の「カメラを止めるな!」になるのではないかと、
一部で評判になっているのが本作「メランコリック」。
各種の映画祭で高評価を受け、満を持しての上映。
インディーズ作品であり、都内でも3か所のみとかなり限定された公開になっているが、
客の入りは好調のようだ。

私が観た映画館では、監督とキャストが舞台挨拶。
かなり数をこなしておられるようだ。
これも「カメ止め」流か。
製作者と観客の距離が縮まるのはいいことだと思う。
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ただし、「カメラを止めるな!」のような社会現象にまで広がっていくかというと、
おそらくそうはならないだろう。
「カメ止め」にあった驚きや爽快感がないからで、タイプが違う映画だから、それは仕方がない。

舞台は銭湯。
しかし、ほのぼのとした話ではなく、銭湯は殺しの場として使われている。
東大卒だが、さえない日常を過ごしていた主人公がその銭湯でバイトを始め、
殺しの現場を見てしまったことから始まる騒動が描かれる。

映画は、サスペンスの要素はありつつ、基本はコメディ。
大笑いはしないが、クスリとするシーンはそれなりにある。
へんてこりんな展開や、おいおいという登場人物の連続だが、
そういうことを許容する世界観の映画なので、興醒めとはならない。
その代わり、ドキドキもハラハラもしないし、すかっと爽快にもならない。
まあ面白いのだが、そのくらいの感じ。
もっと突き抜けた感じを期待したが、それはちょっと叶わなかった。

役者さんは、皆よかった。
主演の男優さん二人もよかったし、
ヒロイン役の女の子も素敵だった。
彼らの演技によって作品の質がグッと上がっていた。

「メランコリック」は、この夏の大穴映画。
「カメ止め」までにはならないだろうが、新しい才能が出てくるのは嬉しい。
個人的には、こういう系統の映画では、あまりヒットしなかったようだが、
「WE ARE LITTLE ZOMBIES」の方が好きだが。

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