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景気ウォッチャー調査の「読まれ方」で思う [経済を眺める楽しみ]

内閣府が発表した6月の景気ウォッチャー調査について、各紙が報じている。
調査結果のポイントは、
・現状判断指数(季節調整値)が前月より23.3ポイント高い38.8となった
・今回の上昇幅は、比較可能な2002年1月以降で最大
・38.8という数字は、新型コロナウイルスの感染拡大前の今年1月(41・9)に近い水準
といったところである。
景気ウォッチャー調査は、
全国の商店主やタクシー運転手など、景気に敏感な職業の人に景況感を尋ねていることから、
「街角の景況感は持ち直している」とまとめられている。

過去最高の上昇幅とは言っても、5月が低過ぎただけであり(4月はもっと低かったが)、
底から持ち直しているに過ぎない。
ただ、そうだとしてもかなりの回復ぶりである。。
マスコミに取り上げられるのは厳しい状況だけだが、街角景気的には、
持ち直しの動きもみられるのかもしれない。

この景気ウォッチャー調査に限らず、統計にはいろいろな癖がある。
それらを理解しつつ、
結果は結果として、まずはきちんと受け入れることが大切だと思う。
しかし、主にネットにおられる方は、かなりうがった見方をされることが多い。
今回の記事についてのコメントを読むと、「おや?」と感じてしまう。
例えばこんなことが書かれている。

「こんな調査結果に何の意味があるのか」
「景気が良くなるというニュースを見ると、税金を取られることばかり感じてしまう」
「景気をよく見せようとする無理筋なニュースにうんざり」
「現状と結果が違い過ぎる」
「どこでどんなふうに聴けばこんな結果が出るのか」
「なんのプロパガンダだ」
などなど。

報じられている内容を鵜呑みにせず、ニュースを批判的に見ることは必要なことだと思うが、
・自分の感覚と違うことはすべて嘘だと思う、
・どんなことにも陰謀を疑う、
・いい情報は信じない、
となってしまうと、世の中を正しく見られなくなってしまう。
ネットにおられる方からすれば、
正しいってなんだ、となるかもしれないし、
そもそも正しく見たいという欲求もないのかもしれないが、
当たり前のことだが、正しく見た方が何かにつけていいと思う。

自分の現状やこれまで立ててきた推論と公表された内容が食い違っていると、
どうしても受け入れがたくなくなる。
それは自然なことだが、だからといって頭から否定しては正しいものに近づけない。
「そんなはずはない」
と感じたときこそ、はねつけないで、まずはしっかり受け止めたい。

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