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コロナとの戦いは長期戦 ~ 短期的な勝った負けたに一喜一憂しないようにしたい ~ [ヨモヤ]

ヨーロッパは、今年の3月以降、コロナ対策に追われっぱなしだった。
1月、2月頃は、「中国は大変だなあ」くらいの対岸の火事的認識だったと思うが、
3月に入るとまずイタリア、スペインで感染が拡大し、
その後、フランス、ドイツ、イギリスにも広がった。
4月には、ヨーロッパが世界の感染の中心になった。
日本の感染者数はここまでで約2万人だが、
イギリスは約30万人、スペイン25万人、イタリア24万人、フランス、ドイツがいずれも約20万人。
どの国も人口では日本よりはるかに少ないから、深刻さがよくわかる。

だから、ウイルスの封じ込めに成功したときの喜びの大きさも想像に難くない。
しかし、このウイルスとの戦いに、短期間での勝利はありえない。
一喜一憂するのではなく、長期的に構えないと、足元をすくわれる。

フランスのマクロン大統領は、6月14日、テレビを通じて演説し、
幼稚園から中学校までの教育機関について、22日から通常授業に戻すと発表した。
そして、
「ウイルスとの戦いは終わっていないが、最初の勝利をうれしく思う」
と述べられた。

フランスでの感染者数は、約20万人。
一日で数万人感染することもあったので、6月14日前の一日数百人の感染者という状況は、
かなり好転した感があったのだろう。
そうした気持ちが「最初の勝利」という表現につながったのだと思う。
国民を前に向かせる狙いもあっただろうか。

それで緩んでしまったのが原因なのかどうかわからないが、
6月26日の新規感染者数は1,588人と大幅に増えてしまった。

日本も、緊急事態宣言解除後、感染者が増えている。
一時完全に封じ込めたかのように見えた韓国でも再び広がっているし、
きちんとした発表がないのでわからないが、中国でも集団感染が起きているとの報道がある。

また、たとえ、どこかの国で撲滅したとしても、国をまたいだ移動がある以上、
またいつか広がる可能性がある。
それは覚悟するしかない。

流行が始まってから約半年が経過し、新型コロナへの知見も高まってきた。
恐れるべき点、恐れ過ぎなくてもいい点も見えてきた。
抑えるすべも分かってきたが、
完全に抑えることは無理であることも見えてきた。

感染者の増減は気になるが、それによって過剰に恐れたり、気を緩めたりすることなく、
落ち着いて向かい合う必要がある。
その方が、社会的にも経済的にいい。
長期戦は確実であるのだから。

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「イージス・アショア」の配備計画停止で思うサンクコストの考え方 [ヨモヤ]

防衛省が、秋田県と山口県で進めてきた地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画停止を発表した。
理由としては、自衛隊演習場内から迎撃ミサイルを発射した後、切り離されたブースター部分を、場内に確実に落下させられない恐れがあるというものである。
ブースターを安全に落下させるには、ミサイルそのものの改修が必要となり、
新たに2千億円、10年というコストと期間がかかるため、合理的ではないと判断したのだという。

この件にかかる技術的な問題については、正直なところよくわからない。
考えてみたいのは、「サンクコスト」という考え方についてである。

サンクコストは、日本語では「埋没費用」と直訳されている。
ウィキペディアによれば、
「事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止をしても戻って来ない資金や労力のこと」
とされている。
つまり、すでに使ってしまったお金で、もう返ってくることはなく、
判断するときには除外して考えるべき要素、ということになる。
しかし、こちらもウィキペディアによれば、
「埋没費用は、事業や行為を中止しても戻ってくるものではない。しかし、埋没費用を考慮した結果として、合理的でない誤った判断を下す場合がしばしばある」。
とされる。

有名な例がコンコルドである。
若い人は知らないかもしれないが、イギリスとフランスの共同事業として運航された超音速旅客機であった。
コンコルドは、かなり早い段階で採算が合わないことがはっきりしていたらしいが、
それまでの投資額が巨大であったために引くに引けず、だらだらと赤字を垂れ流し、
しまいには事故まで起こしてしまった。
サンクコストを考えるうえでの典型とされている。

サンクコストでの教えは、
「これまでに使ってしまって、もう返ってこない埋没してしまったコストではなく、
これからいくらかかり、それで意味があるのかどうかを考えなさい」
というものである。

さて、イージス・アショアについてであるが、
「すでに120億円も使ったのであり、税金の無駄遣いではないか」
「120億円支出の責任をどう取るのか」
という意見が多くみられる。
感情としてはよくわかるし、誰もが気になるところだと思う。
しかし、正しく判断するためには、この120億円はサンクコストであり、
意思決定する際にはできる限り除外して考える必要がある。
120億円はもったいないが、それを惜しむあまり、さらに無駄を重ねては本末転倒である。

野党やマスコミにとっては、正しい税金の使い方を監視することは使命であるともいえる。
だから、イージス・アショアの件について追及することは必要だし、当然だと思う。
しかし、使ってしまった分の責任を問い詰めるような方向にばかり向かってしまうと、
間違ったメッセージになってしまうのではないかと心配する。
つまり、今後の事業において途中でおかしいと気づいても、
集中砲火を受け、責任を追及されるくらいなら、とりあえず完成させてしまおう、
という誤ったインセンティブが働くのではないかと危惧するのである。
もちろん、どうして間違ったのかを検証することは大切であるし、
追及に手心を加えるべきというのではない。
ただ、サンクコストの考え方は忘れてほしくない。

防衛は国家の根幹であり、このことについて知見を結集するのは正しいことだと思う。
是非とも意味のある議論となることを願いたい。

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毎年開幕ダッシュに失敗するオリックス [ヨモヤ]

プロ野球開幕から約一週間。
まだ始まったばかりだとは言え、今年は120試合と試合数が少ないからスタートダッシュが例年以上に大切である。
7試合終了時で、パ・リーグの首位はロッテ、2位は楽天、
セ・リーグの首位は巨人、2位はDeNA。
一方、関西を本拠地としているオリックス、阪神は、両チームともここまで最下位と出遅れている。
ただ、阪神は土曜日の試合で劇的な逆転勝ちをしたので、勢いがつく可能性もある。

さて、オリックスである。
山岡、山本、吉田といった日本代表クラスの選手に加え、
バリバリのメジャー・リーガーであるアダム・ジョーンズを補強し、
今年はひょっとしたら少しは戦えるのかと思って期待した。
しかし、ふたを開けてみたら、いつものオリックスだった。

今年も開幕戦に敗れたが、これで2012年から9年連続の黒星。
その前の年は引き分けだったというから、10年連続開幕戦の勝利なし、ということになる。
これは、パ・リーグのワースト記録だというが、それはそうだろう。

開幕戦に負ける理由は、
・開幕戦に投げる相手チームのエースを崩せていない
・エース対決で位負けしている
・開幕に合わせた調整がうまくいっていない
といったことが考えられる。
しかし、10年も白星がないのだから、なんらか対策を練ってほしいものである。
もちろん何かしているのだろうが、結果は惨憺たるものである。

私は、特定のチームではなくパ・リーグのファンである。
なので、普段勝っていないチームにリーグを盛り上げてもらいたい。
その筆頭格がオリックスなのだが、今年の戦いぶりもこれまでと一向に変わらない。

もちろん、まだ始まったばかりである。
巻き返せる可能性は十分にある。
しかし、勝ち慣れていないチームが追い上げて差し切るのは至難の業であろう。
そのうえ、今年は試合数が少ない。
早目にテコ入れをしないと、特別なシーズンが早々に終わる。

現在の西村監督は、2016年から2018年までヘッドコーチを務め、去年から指揮を執っている。
この間のオリックスの成績は、6位、4位、4位、6位。
すでに結果は出ていると決めつけるのは酷だろうか。
すべての責任を監督に帰するのは正しくないと思うし、
監督を替えてすぐにどうなるものでもないだろうが、
一方で決断する時期を逸してはいけないようにも感じるのである。

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2019年の「伝えたい映画」 ~ 「伝えたい映画大賞」を選んだ ~ [映画評]

毎年トンチンカンなノミネートが多いので、コアな映画ファンはもともと視野に入れていないと思うが、
今回の日本アカデミー賞には例年以上に首を傾げさせられた。
気にしなければいい、と言われればそれまでだが、
いい映画をきちんと評価して、
作り手に報いたい、
見損なった人に伝えたい、
後世に残したい、
と真面目に考えると、あまりにも残念だった。
さらに言えば、他の映画賞もどうにも的が外れているように思えた。

そこで、だったら自分たちで「伝えたい映画大賞」なるものを決めたらどうかと、映画好きの間で盛り上がった。
いろいろな人を巻き込んでイベント的にやりたい思いもあったのだが、
新型コロナが猛威を振るい、2020年の半ばまで来てしまった。
機を逸した感はなくはないが、せっかくなので議論してみた。
やっぱり楽しかった。

まずは俳優部門。
男優賞は、池松壮亮くん。
「宮本から君へ」の演技が圧巻。
私の好きな映画「We Are Little Zombies」にも出演していた。
池松くんにあげてしまうと、毎年池松くんになってしまうのではないかと心配になるくらいの存在である。
他では、「2019年は成田凌くんの年だったね」ということで一致した。
私は、「凪待ち」の吉澤健さんを推したが、ちょっと渋過ぎたかしら。

女優賞は、和田光沙さん。
主演された「岬の兄妹」が強烈。
難しい役を、とてつもない熱量と容赦のないリアリティで演じられた。
私は、「Bの戦場」のよしこさんを推したが、演技と言う点に絞ると和田さんに軍配が上がるのも納得。
その他、岸井ゆきのさんの不思議な魅力に話題が集まったほか、MEGUMIさん、松岡茉優さんが話題に上った。

さて、作品賞。
候補として出されたのは、
「ひとよ」
「宮本から君へ」
「蜜蜂と遠雷」
「洗骨」
「Bの戦場」
「岬の兄妹」
「殺さない彼と死なない彼女」
「こんな夜更けにバナナかよ」
「愛がなんだ」
「We Are Little Zombies」
といった作品。

私は「Bの戦場」を強く推したのだが、上位3作に入るには一歩及ばず。
「蜜蜂と遠雷」の演出や俳優陣の頑張りも高く評価されたが、こちらもあと一息。

激論の末、選ばれたのは以下の3作品であった。
大賞「洗骨」    監督・照屋年之(ガレッジセールゴリ)
2位 「岬の兄妹」  監督・片山慎三
3位 「愛がなんだ」 監督・今泉力也

「洗骨」は、もっともっとヒットしてほしかった快作。
その意味でも、「伝えたい」という趣旨に合致する。
もともとは、短編映画『born、bone、墓音。』という作品。
公式HPによれば、
「12年に渡り短編映画や自主映画の制作で積み重ねてきた照屋監督のその短編を原案に、長編映画として新たに生まれたのが本作『洗骨』です。」
とのこと。
作り手の思いがたっぷり詰まった作品だった。
奥田瑛二さん、水崎綾女さん、大島蓉子さんといった面々の演技も実に印象深かった。

2位の「岬の兄妹」は超絶。
障害、貧困、という重いテーマに真正面から挑み、
何の救いもない展開にかかわらず、そこはかとなくユーモアが流れる。
傑作と呼ぶにふさわしい作品。
いつの時代に観ても、
世界の誰が観ても、
素晴らしいと思える作品。

3位の「愛がなんだ」は不思議な作品。
女性人気の高い映画で、選考でもそこが一つのポイントなった。
2019年、いろいろな映画で様々なタイプの役柄を演じ分けた旬な俳優・成田凌さんと、
なんともつかみどころのない岸井ゆきのさんの絡みが絶妙。
「愛ってなんだ」でも「愛とはなんだ」でも「愛なんだ」でもなく、
「愛がなんだ」な作品だった。

2020年は、残すところあと半分になってしまった。
映画の公開がすっかり滞っている。
厳しい状況だとは思うが、
今しか作れない、
今の人に伝えたい、
そんな作品を届けるのが映画人の使命だと思う。
いい作品を観て、
また来年、「伝えたい映画」を話し合いたい。

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滋賀の書道は独特らしい ~ うちの学校だけじゃなかったんだ ~ [ヨモヤ]

小学校六年生のころ、滋賀県から東京に転向した。
年の瀬近かったこともあり、書道で毛筆を使った。
私はそれまで学校で教え込まれてきたとおり、
とにかく大きく、
ぶっとく
書いた。
東京の子たちの字は、バランスがよく、止め・ハネがしっかりしていた。
並べられると、大人の字の中に一つだけアホな子供が混じっている感じになった。
周りから奇異の目で見られた。
恥ずかしかった。

ネットのニュースを眺めていたら、
「ハネなし、はみ出し…滋賀の子どもの書はなぜ個性的? 
 背景には滋賀独自の書写教育があった」
という京都新聞の記事が目に留まった。

どうやら、私が通っていた小学校だけではなく、滋賀県全体の書写教育が独特らしい。
取材に応じた先生の言葉がいろいろ紹介されているのだが、
「毛筆は自己表現に向いている」
という発想から、かすれても、にじんでも、紙からはみ出してもいい、としていて、
「児童が互いの作品の良いところを探し合う。自分のことを見つめ、他者を理解する」
「書道を教えるのではなく、書道で教える」
など、なんだか深い。

京都新聞には滋賀県の子どもたちの毛筆の文字が掲載されていたのだが、
やたらと個性的であった。
滋賀以外の基準では、とてもではないがいい評価はもらえない。
いや、いい評価どころかがっつり直されそうだ。

毛筆にはいまだにコンプレックスがあり、
結婚式の芳名帳などで筆ペンが置いてあるとビクッとする。
ただ、子どものころ「とにかく元気に書け」と言われたことに恨みはない。
お手本通り書けっていうのも、なんだかつまらないし。

京都新聞の記事はこちらから(画像付き)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/gallery/260107?img=https://kyoto-np.ismcdn.jp/mwimgs/3/c/150m/img_3c7d731be1700f6f4725285fb1ac8183537663.jpg

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それでもアメリカ大統領選挙は接戦になるのでは [ヨモヤ]

新型コロナウイルスへの対応や、人種差別抗議デモへの言動などで、
トランプ大統領の支持率がかなり落ちている。
直近のデータで、
支持43%、不支持55%、
といった感じのようだ。
民主党の大統領候補バイデン氏との差も開いている。
こちらも、
トランプ大統領43%、バイデン氏53%、
といった感じで、支持率のデータと似通っている。

10ポイントの差はかなり大きい。
新型コロナの流行も収まっておらず、ボルトン氏による暴露本もイメージが悪い。
このままではトランプ大統領がかなり不利に見える。
しかし、選挙戦が始まってみれば、やはり接戦になるのではないだろうか。

振り返れば、4年前も事前の世論調査ではトランプ大統領は不利とされていた。
支持率が低いのも今に始まったことではなく、一時は40%を割っていたこともある。
表面上の数字が必ずしも選挙結果に直結するとは限らない。

トランプ大統領には、何があっても揺るがない鉄板のような支持層がいるとされる。
彼らは必ず投票に行く。
また、世論調査では「トランプ支持」とはなんとなく言いにくい空気があるらしく、
実態よりも低めに出ているのではないかとの意見もあるそうだ。

さらに、日本から見ての感想ではあるが、
対抗馬である民主党のバイデン氏がそれほど強力であるとも思えないことが混戦に拍車をかけそうだ。
バイデン氏は元副大統領。
実績と経験があると言えるが、その裏返しとして新味は全くない。
トランプ大統領も74歳とかなりの高齢だが、バイデン氏はさらに年長の77歳。
4年後には80歳を超えることになる。
年をとっているからいけない、というわけではないが、
超激務であるアメリカ大統領を務めるには当然体力が必要だし、
新しいリーダーであるという期待も持ちにくくなる面は否めない。

アメリカの大統領と言えば、名実ともに世界のリーダー。
誰もが憧れる二人から断腸の思いで一人を選ぶのならいいが、
「よりまし」な候補を選ぶような形になってしまってはアメリカ国民も残念だろう。
これからの論戦で、さすがと思わせるような姿が見られることを期待しよう。

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映画評 「いつくしみふかき」 [映画評]

なかなか映画の新作の上映が始まらない。
旧作も悪くはないが、今の日本人が作る、今の日本映画が、今観たい。

本作「いつくしみふかき」は、もともとは4月17日の公開予定だったようだ。
こういう待機していた作品がボツボツ公開されていく流れだろうか。
地味な作品であり、失礼ながら客を引くようなキャスティングでもないにかかわらず、
客席はそこそこの入り。
もちろん、ソーシャルディスタンスで、もともと半分しか入れないのだが、思ったより多かった。
映画ファンは映画を待っている。
劇場を出たら、主演の渡辺 いっけいさんはじめ、スタッフの方々が見送ってくださった。
映画への思いを感じた。
ikkeisan.jpg

さて、作品である。
「悪魔」と呼ばれるようなとんでもない父と、
自分ではなにもできない具合に育ってしまった息子の話。
父は、息子が生まれたときにひどいことをして村を追い出されており、
息子は父を知らずに育っている。
しかし息子は、父がとんでもない存在であることは薄々感づいている。

この父親役を演じるのが渡辺いっけいさん。
徹頭徹尾どうしようもない人間を、見事に演じ切られた。
「でも、いいところもある」
ではなく、とことん悪い人間として描かれていたのがよかった。
息子役を演じた遠山雄さんは、劇団を主宰されている方らしい。
こちらも難しい役をしっかり演じられていた。

タイトルの「いつくしみふかき」は、キリスト教の賛美歌から。
父子を世話する牧師さんがおられることから、教会のシーンもふんだんにあるのだが、
宗教色はあまり濃くない。
いつくしみ深い存在も、主要キャストにはいない。
では、誰の何がいつくしみ深いのか、ちょっと考えてみたくなるタイトルである。

やすきに流れず、きちんと作られた映画であるとは思う。
ただ、エンタテインメント的には微妙。
観終わって、ずしっと応えるまでにも至らず。
どこがどうというより、もう一押し欲しかった。
しかし、映画への気持ちは受け取った。
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山本由伸革命 [ヨモヤ]

待ちに待ったプロ野球が開幕した。
熱戦続きで、印象的なシーンも数々飛び出しているが、
この3日間で最も光った選手として、オリックスの山本由伸投手を挙げる人は少なくないだろう。
連敗の後の第3戦に先発し、
8回を投げて無失点、
奪三振10、被安打3、四死球0。
素晴らしい投球であった。

しかし、この投球に驚きはない。
山本がすごい投球をするのはプロ野球ファンとしては織り込み済みだからだ。
最速157kmのストレート、
145km近いカットボールとフォークに加え、
打者のタイミングを外す大きなカーブも持っている。
さらに、フォアボールも滅多に出さない。
21歳にして、完成されたかのような投球を見せる。
今年、いったいどんな成績を残すだろう。

山本由伸は、王道を歩いてきた選手ではない。
都城高校時代は、中央球界ではほぼ無名の存在であり、
4位指名でオリックスに入団している。
そして、その練習法や投球理論も異色である。

山本は、肘を使わずに投げるようにしているという。
これは、野球を知る人間からは衝撃的な発言である。
肘をしっかり使え、
肘を前に出せ、
腕をしならせろ、
と散々教わってきたからだ。
肘が使えていない投げ方をしようものなら、「アーム投げ」というレッテルを貼られ、
駄目な投手の烙印を押されてきたものである。

山本は、肘を使わないで投げるために槍投げを練習に取り入れている。
このトレーニングも、プロの投手でやっているという話はほとんど聞いたことがない。
一方、今や主流になっているウエイトトレーニングは一切やらないのだそうだ。
あのボールを生み出すエンジンはどこにあるのか、不思議でならない。

これまで、野球ファンにとって「由伸」と言えば、元巨人の高橋由伸さんを思い浮かべたことだろう。
これからは由伸と言えば、山本由伸の時代になるかもしれない。
その投球といい、
投球理論といい、
トレーニング法といい、
まるで革命のようだ。

※2020年初登板の様子はこちらから
https://www.youtube.com/watch?v=ddGgl76LYeE

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2020年初計測は99キロ [55歳125キロプロジェクト]

まったくもって個人的な企画として実施中の
「55歳過ぎの腰痛持ちが、125キロの速球を投げるプロジェクト」。
普段ろくな運動もせず、あまつさえ腰痛まで抱えている55歳が、
身の程しらずにも125キロという球速に挑戦している。
9月の下旬あたりを最終計測時として、
6月100キロ、7月105キロ、8月110キロ、
くらいのペースで上げていく予定である。

だから、6月の計測は100キロでいい。
全力で腕を振るわけではなく、100キロくらいを目途にして投げる。
六、七分くらいの力の入れ具合のイメージ。
だが、
「100キロくらいのつもりで投げたら108キロくらい出ちゃいました。無理してないのに」
の方がなおよい。

この日のMAXは99キロ。
100キロ目安だからピタリと言えなくもない。
しかし、99キロが続いたので、最後の一球は103キロくらいのつもりで投げた。
それが99キロだった。
思いのほか球速が出た、の反対の、
思いのほか球速が出なかった、となってしまった。
2020.6.jpg

ただ、まあ、6月に100キロというスケジュールどおりと言えば言える。
あせらずに、7月に105キロを出せればよしとしよう。

涼しくなる前に、と思っているので、最終計測は9月を予定している。
あと約3か月。
腰痛持ちなので、下半身の筋力アップはほとんどできない。
だから上半身だけ、ちびっと鍛えている。
故障しないように気をつけながらではあるが、ペースを上げていく必要がありそうだ。
7月に105キロのつもりで投げて101キロくらいだったら、
完全に赤信号である。
体に気を使いながら、ちょっとペースアップが必要なようだ。

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今年のボーナスが減ることは覚悟するとしても [ヨモヤ]

経団連が、大手企業のボーナス見込みを発表した。
それによると、平均金額は92万5947円で、去年と比べて6%少なくなるという。
これはリーマンショックの影響を受けた2009年の19.4%以来の減少率。
さらに、冬のボーナスはより厳しい数字になりそうだとの予測もされている。

企業の99%以上は中小企業だから大手企業の数字を見せられても意味がない、
といった声をネットで目にすることがある。
ボーナスで90万円超えとか、どこの国の話だよ、といった書き込みも目にする。
ただし、確かに企業数で見ると大手企業は1%未満だが、
従業者数で見ると約30%となることは押さえておく必要がある。

一方、ボーナスがない、という企業もある。
厚生労働省の「就労条件総合調査」によれば、賞与制度がある企業割合は90.1%となっていて、
約1割の企業は制度自体がない。
しかし、年俸制になっているが故にボーナスがない企業もあり、
ボーナスがないことイコール給料が低いということには必ずしもならない。
また、海外でも日本のような月給の数か月分というボーナスが出るのは稀のようだ。

ボーナスは、業績に連動して上下する傾向がある。
企業側としては、基本給については、
上げるのには固定費が増えるので慎重になるし、
下げるのには労働者側からの理解が得られにくい。
その点、その年限りのボーナスは調整弁として機能しやすいと言える。

夏のボーナスは、去年の下半期の業績をもとに算定される場合が多いだろう。
多くの企業が3月決算だから、10月~3月の業績が次の夏のボーナスに反映される。
今年で言えば、緊急事態宣言期間中である4月と5月が含まれていない。
だから、夏のボーナスは6%の落ち込みでおさまったが、
冬はもっと下がるのではないかとの観測が出ることになる。

しかし、むしろ問題はその先かもしれない。
今年上半期までの落ち込みはやむを得ないとして、これがさらに長引くようだと経済へのダメージが広がる。
なんとか反転攻勢につなげたい。
政府による財政支援も期待されるが、それはあくまでも下支えに過ぎない。
経済活動を引っ張っていくためには、民需が立ち上がる必要がある。

株式市場は、早期の立ち直りを織り込んでいるようであり、
その見込みが外れていないことを願いたい。
この危機下でも、新たなビジネスを始めている人たちがいるはずだし、。
「新しい生活様式」は、新しい需要を生むチャンスでもある。
冬のボーナスの話題が出る頃には、
「今回は仕方がないにしても、来年には期待できそうだ」
という空気が広がっていることを祈る。

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