若者たち、恋はできているだろうか

気になる。
コロナ禍はあらゆる分野に影響を与えているが、
若者たちの恋愛事情にも影を落としているのではないだろうかと。
ビジネスや勉学やスポーツに比べると、色恋沙汰は軽んじられそうだが、
いやいや、人が人として生きていくうえで大切なことだと思う。

本来、春は出会いと別れの季節である。
卒業や転勤で人が離れ、
入学や就職で人が出会う。
心揺さぶられるシチュエーションで恋が生まれる。
その機会が、今年は完全に失われた。
卒業式も謝恩会も入学式も、
送別会も歓迎会も、
ほとんど行われなかったと思う。

「人との接触を減らそう」
「とにかく家にいよう」
というのだから、人と出会いようがない。
もちろん、やむを得ないことだったと思うが、若者たちの恋の機会が奪われたことは確かだろう。
６月から社会は徐々に平常モードに変わっていくと思うが、
マスクをしている同士が燃え上がるにはちょっと時間がかかりそうだ。

一方、
「一人でいることの心細さ」
を痛感された方もおられるだろう。
東日本大震災後も人々がぬくもりを強く求めるようになったが、
それと同じような心理になっておられる独身の方も少なくないと思う。

それもあってか、直接の出会いが制限されるなか、ネットでの婚活が盛んになっているという。
オンラインパーティーも人気であるらしい。
こうした出会い方に眉をしかめる方がおられるかもしれないが、
恋愛もテクノロジーによって変わっていくのだろう。
それは止められない。

どんな形であっても、いかなる時代にも、恋は必要だから。