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アメリカの雇用統計は史上空前のポジティブサプライズ [経済を眺める楽しみ]

コロナ禍に見舞われて以来、
「過去最大」や
「史上空前」
などという表現は、悪い方で使われるのが普通だった。
4月のアメリカの雇用統計も、過去最大の落ち込みだった。

この流れから、5月のアメリカの雇用状況も悪化しているものと予想されていた。
エコノミスト予想の中央値は、
雇用者数が750万人の減、失業率は20%近辺、というものだった。
しかし、ふたを開けてみると、
雇用者数はマイナスどころか250万人の増加、
失業率も13.3%に低下した。

エコノミスト予想がとんでもないレベルで外れてしまったのにはいろいろな理由があるのだろうが、
プロとしては情けないことだから、早急に分析がなされるだろう。

今回の発表を受けてトランプ大統領は
「米国の歴史上、最大の復活だ」
と歓迎のコメントを出された。
ただし、白人警官の暴行で亡くなった黒人男性のジョージ・フロイドさんにも言及し、
「彼にとっても素晴らしい日だ」
と発言され、これが批判にさらされているが。

雇用の改善は、アメリカ政府による強力な政策下支えによるものだろう。
経済の実態以上に改善が進んだ感はあるが、
なんにせよ雇用が守られるのは大きい。
雇用統計を受け、ニューヨークダウは800ドルを超える大幅上昇となった。
株が上がるのも、アメリカ経済としては朗報である。

世界最悪のコロナ感染者数を抱え、
国内に暴動が広がっても、
アメリカは強い。
それが示された雇用統計ではあった。
しかし、楽観できる状況ではないのに、投資マネーはパンパンに膨らんでいくという状況は、
なにやら危うさを感じさせる。
株価については、「高過ぎる」という感想を持ち続けている。
「適正」というレベルから外れているように思える。

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