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ライザップ瀬戸社長はどのように結果にコミットするか [経済を眺める楽しみ]

スポーツジムを展開するRIZAP(ライザップ)グループが、2020年3月期連結決算の業績予想を下方修正した。
最終利益が60億円の赤字になる見通しだという。
そのとおりとなれば、前期から2期連続になる。

3月期決算なので、4月、5月の緊急事態宣言期間は含まれていない。
それでも、コロナ禍で厳しい時期が含まれていたことには変わりなく、赤字はやむを得ない気もする。
しかし、ライザップにとって、もっと言えば瀬戸社長にとって、
2020年3月期決算は特別なものであったはずなので、「やむを得ない」で済む話ではないだろう。

というのも、瀬戸社長は昨年の株主総会において、
2020年3月期が赤字になった場合、退任する意向である旨を明言されているからである。
株主とのやり取りは、以下のようなものだったと伝えられている。

株主
「結果にコミットできなかった場合、社長を辞めるとか辞めないとかいう話があります」
瀬戸社長
「今期赤字というのは絶対にありえないということで、自信を持っている。黒字にならなかったら、この場にいないということだ」

1年前の段階でコロナを予想できるはずがない。
また、3月期決算の多くの企業が赤字に陥ったのも事実である。
一方、企業経営は不測の事態の連続であり、できる限りそれに備える必要があること、
このような状況でも黒字を計上している企業も少なくないこと、
も指摘せざるを得ない。
なにより、不退転の覚悟で臨んだ経営者であればあるほど、予想外の事態であったことを言い訳にはできないだろう。

瀬戸健社長は、決算予想の公表に合わせ、21年3月までの1年間、役員報酬の全額を返上すると発表された。
「創業者である私自身が先頭に立ち、業績回復に向けてまい進する」
とのことである。
つまり、退任はしない、ということだろう。
社長の引き際に第三者がとやかく言うことはないが、
前言撤回ということになりそうだ。

それはそれで一つの判断だが、前言を撤回することを特に公表されていないようなのが気になる。
報道されていないだけで、きちんと明言されているのだろうか。
そうだといいが。
自らの進退という最も重大な要素を、なかったように扱ってしまうようでは、
今後の言葉の信ぴょう性が格段に下がってしまうからである。
瀬戸社長は、思うようにいかなかった結果に、いかにコミットされるのだろうか。

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