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利益が上がれば内部留保が増えるのは当然 [経済を眺める楽しみ]

財務省が発表した4~6月期の法人企業統計によれば、
金融・保険業を除く全産業の経常利益が前年同期比17.6%増の28兆3,181億円となり、
四半期では統計を取り始めた1954年以降で過去最大となったという。
バブル崩壊後最大、とかではなく、過去最大、である。

製造業が11.7%増になったほか、
非製造業も21.9%増になったというから、
満遍なく利益を上げたことがわかる。

併せて報道されているところによると、
2021年度の企業の内部留保が、初めて500兆円を超えたという。
企業の利益が上がっているというのはいい話だと思うが、
内部留保の増加については否定的に伝えられることが多い。
従業員への還元が不十分であるとの指摘とともに伝えられることがほとんどで、
ネガティブなとらえられ方が少なくないのである。
企業の内部留保を減らさせるべき、という意見さえある。

内部留保は、利益から税金や配当を引いたところから生み出される。
企業とすれば、納税の義務をしっかり果たしたのちに蓄えている内部留保にまで文句を言われてはかなわない思いだろう。
税金を払っていない企業より社会的に貢献していると言われてもいいはずなのに。
また、2020年のコロナによる急激な景気の落ち込みの際には、
内部留保によってなんとか持ちこたえたという企業も少なくないだろう。

内部留保を吐き出させろ、という声も聞くが、
内部留保が減るのは、企業が赤字になった場合である。
赤字になってしまえば、従業員への風当たりもなおさら強くなるだろうが、それでいいのだろうか。

伝えられている内容をさらっと読むと、
過去最大の利益になったのにもかかわらず内部留保も増えてしまった、
と解釈してしまう方もおられるかもしれない。
いやいや、
利益が増えれば内部留保も増えるのは当たり前の話である。
気を付けよう。

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