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2023年の日本映画を振り返る その6 「2023年私の選ぶ気になる男優賞」 [映画評]

2023年の日本映画から個人的に気になった女優賞、男優賞を選ぶ企画。
ちなみに女優さんは、
「春画先生」から北香那さん
「銀河鉄道の父」から坂井真紀さん
「遠いところ」から花瀬琴音さん
の3人を選んだ。

なお、日本アカデミー賞での主演男優賞ノミネートは、
阿部サダヲさん「シャイロックの子供たち」
神木隆之介さん「ゴジラ-1.0」
鈴木亮平さん「エゴイスト」
水上恒司さん「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
役所広司さん「PERFECT DAYS」

ブルーリボン賞での主演男優賞ノミネートは、
稲垣吾郎さん「正欲」
神木隆之介さん「ゴジラ-1.0」
鈴木亮平さん「エゴイスト」
東出昌大さん「Winny」
松山ケンイチさん「ロストケア」
役所広司さん「PERFECT DAYS」
横浜流星さん「春に散る」
といった感じだった。

私のノミネートは以下の6名。
ここから3人に絞り込む。

「あつい胸騒ぎ」から佐藤緋美さん
「福田村事件」から永山瑛太さん
「さよならエリュマントス」から中島歩さん
「Winny」から東出昌大さん
「神回」から青木柚さん
「GOLDFISH」から北村有起哉さん

ダメ男を演じさせたら当代一の中島歩さん。
いろいろな映画に引っ張りだこで、
2023年も「恋のいばら」「銀平町シネマブルース」「さいはて」「遠いところ」「17歳は止まらない」「さよならエリュマントス」「スイート・マイホーム」「おまえの罪を自白しろ」「ファンファーレ」
と9本もの映画に出演されたようだ。
なかでもエリュマントスでもダメっぷりは痛快だった。
大好きな俳優さんだが、まあ、なんというか、わざわざ選ばなくても、というか。

東出昌大さんは、吹っ切られたかのように活躍されている。
「Winny」のほかにも「とべない風船」「福田村事件」と、
いい映画に立て続けに出演されているのも特筆もの。
賞を差し上げるのは、もっと別の機会に。

2023年は永山瑛太さんの年だった気がする。
「福田村事件」のほかにも「怪物」「ミステリと言う勿れ」「アンダーカレント」で印象的な演技を披露された。
3人に選ばない理由はないのだが、
わざわざ私が選ばなくても、という感もあり。

残った3人は、
「あつい胸騒ぎ」から佐藤緋美さん
「神回」から青木柚さん
「GOLDFISH」から北村有起哉さん

佐藤緋美さんは、浅野忠信さん、CHARAさんのお子さん。
しかし、両親の紹介から入る時期はすぐ終わるだろう。
佐藤緋美さん自身が、十分に魅力的であるから。
なんともみずみずしい存在である。

青木柚さんも不思議な俳優さんである。
失礼ながらイケメンとはちょっと違うルックスであるのに、映画で映える。
これからもスクリーンで活躍してほしい。

北村有起哉さんは、日本映画に欠かすことのできない名バイプレーヤー。
普段は脇でピリリと味を効かせてくださるのだが、
「GOLDFISH」での存在感には驚かされた。

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映画評 「ゴールデンカムイ」 ~この映画には大ヒットしてほしい~ [映画評]

原作は未読で、アニメも未視聴。
予備知識もほとんどない中で映画館に。
ズッコケる日本映画が多い中で、本作も心配の方が大きかった。

しかし、
愉快、痛快、爽快。
よく撮られた。
よく作られた。

原作の再現性が話題になっているようだが、
もとを知らないので、そこはわからない。
それでも、個々のキャラクターの濃さ、深さはよく伝わってきた。
グイグイ引き込まれた。

主演は、実写化請負人の山崎賢人さん。
山崎さんの映画は、それこそ何本も何本も観てきたが、
この映画で凄さを再認識した。
まさに主演俳優。
「キングダム」との掛け持ちは微妙だが、山崎さんでなければならないのだろう。

アイヌの娘役に山田杏奈さん。
「ひらいて」などで、映画ファンにはすでに信頼されていた山田さんだが、
本作でその地位をさらに強固なものにされることだろう。

この二人と協力関係を結ぶ脱獄の名人役に矢本悠馬さん。
私にとって矢本さんは、永遠に「ちはやふる」の肉まんくんだが、
一般的なイメージはこの映画で塗り替えられるはず。
すごい売れっ子になられた。

鶴見篤四郎役の玉木宏さん、土方歳三役の舘ひろしさんのお二人はまさに圧巻。

この映画にはヒットしてほしい。
大ヒットしてほしい。
本作のように、
作り手の思いが詰まった作品は、是非とも多くの人に届いてほしい。

「ゴールデンカムイ」は、公開後3週間で、動員111万人、興収16億円を突破したという。
立派にヒット作と言えるが、もっともっと多くの人に観てもらいたい。
そう思わせてくれる稀有な作品である。

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映画評 「スタンド・バイ・ミー」 [映画評]

新所沢パルコの閉店に伴い、
新所沢レッツシネパークも閉館となる。
何十年もお世話になった映画館がなくなってしまう。

そのシネパークが、閉館前最後の1か月で、
『シネパークで楽しむ最後の映画たち』と題したさよなら興行を実施している。
ラインナップは以下のとおり。
もちろん、名作揃いである。

『あん』
『ヴイナス戦記』
『おくりびと』
『きっと、うまくいく』
『グレイテスト・ショーマン』
『この世界の片隅に』
『SRサイタマノラッパー』
『スタンド・バイ・ミー』
『トップガン』
『トップガン マーヴェリック』
『となりのトトロ』
『翔んで埼玉』
『ボヘミアン・ラプソディ』
『南極料理人』
『マトリックス』

『スタンド・バイ・ミー』は1987年の日本公開。
リアルタイムで観た記憶はなく、テレビで視聴。
一時、スティーヴン・キングに凝ったことがあり、原作は読んだ。

今さら付け加えて何か言う必要のない作品であろう。
少年時代のハチャメチャさ、
大人になる直前の不安定さ、
友の存在の大きさ・不確実さ、
などが、ポーンと置かれている。

若き日のリヴァー・フェニックスが印象的。
『24』のジャック・バウアー役で大ブレイクするはるか以前のキーファー・サザーランドが悪役で出演。
凄味がある。

なくなってしまう映画館で名画を観る。
客席には一杯のお客さん。
胸が苦しくなる。

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キネマ旬報ベストテンで思う ~明るく弾けようぜ、日本映画~ [映画評]

キネマ旬報が、2023年日本映画ベストテンを発表した。
1位は、すでに発表されていたとおり、「せかいのおきく」。
2位以下は次のような順位。

第1位 せかいのおきく
第2位 PERFECT DAYS
第3位 ほかげ
第4位 福田村事件
第5位 月
第6位 花腐し
第7位 怪物
第8位 ゴジラ-1.0
第9位 君たちはどう生きるか
第10位 春画先生

「ほかげ」とか「福田村事件」とか「花腐し」とか「春画先生」とか、
いかにもキネ旬らしい順位である。
興行的に成功した作品は「ゴジラ-1.0」と「君たちはどう生きるか」くらいだろうか。

ベストテンに入った映画は、概ねどれもいい映画だと思う。
作者の思いのこもった、さすがの作品が選ばれている。
ただ、暗い作品が多い。

暗い作品が悪いとは思わないし、
暗いだけの作品が評価されているとも思わないが、
ハチャメチャ、元気はつらつな作品が少ない。
「春画先生」は弾けていたが。

映画は娯楽の王様と呼ばれていた。
ただひたすら楽しく面白く、それでいて評価もされるようなそんな作品がもっと作られることを祈る。
作り手の初期衝動に引きずられ、しっちゃかめっちゃかでありながら心に刺さる、そんな作品が生まれることを祈る。
若い作り手による、魂をぶつけてくるような作品に出会えることを祈る。

ワクワクするような、
一生忘れないような、
観てよかったとしみじみ思えるような、
元気を思い切りもらえるような、
そんな映画に会いたい。

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喫茶店が閉まるということ [ヨモヤ]

お店が閉まるというのはどんなお店でも切ないものである。
その店に思い出があればなおさらだが、
たとえ思い出が無くても、
今まであったものがなくなるのは寂しい。
そこで働いていた人のこと、
そこで流れていた時間のこと、
などを考えるとなおさら。

どんなお店でも閉まるのは残念だが、
なかでも本屋さんと喫茶店がなくなるのは特に胸に応える。
過ごした時間ごと消えてしまう気がするからだろうか。

先月、所沢にある「ペルレイ」という喫茶店が閉店した。
入口に1938と掲げてあり、これが開店の年だとすると、
戦前から、90年近く続いてきたことになる。

そのお店にしょっちゅう行っていたかというとそんなことはなく、
せいぜい年に数回程度だった。
近くでコーヒーを飲む際には、ドトールやタリーズで手軽に済ませることが多く、
ペルレイに行くときは、少し構えていく感じだった。

といって、敷居が高い店というわけではなかった。
ただ、チェーン店などと比べると、おっさんが一人でぶらっと入る感じとは少し違った、
静謐な時間が流れていた。

閉店の理由は、業績の不振ではなく、
店主さんのご体調ということらしい。
実際、週末はいつもお客さんでいっぱいだった。

ペルレイという喫茶店に、
何か特別な思い出があったかというと、そんなことはない。
なくなって困るかというと、正直そうでもない。
しかし、なんとも言えない喪失感がある。
美味しいコーヒーをゆっくり飲みたくなったらあそこに行こう、
のあそこがなくなってしまった。

ペルレイという名前は、アルファベットで書くと PER LEIである。
イタリア語で「彼女のために」という意味になるか。
この店を始められた方が、誰かを念頭に置いて付けられた名前なのだろうか。
その思いは果たされたのだろうか。

お店の跡地に行くと、
そこに何があったのか思い出せないことがある。
ペルレイのことも忘れてしまうかもしれない。
ただ、美味しいコーヒーを飲ませてくれる、
小粋な喫茶店があったことは、
ずっと覚えていたい。
そこで豊かな時間を過ごさせていただいたことも。

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2023年の日本映画を振り返る その5 「2023年私の選ぶ気になる女優賞」 [映画評]

各種映画賞には、俳優部門がある。
それにならって、2023年の日本映画から女優賞、男優賞を選んでみたい。
演技が優れていたというか、気になったというか、誰かに伝えたいというか。

まずは女優賞。
最優秀を一人と決めず、3人ほど選ぼう。

ちなみに日本アカデミー賞での主演女優賞ノミネートは、
綾瀬はるかさん「リボルバー・リリー」
安藤サクラさん「怪物」
杉咲花さん「市子」
浜辺美波さん「ゴジラ-1.0」
吉永小百合さん「こんにちは、母さん」

ブルーリボン賞での主演女優賞ノミネートは、
綾瀬はるかさん「リボルバー・リリー」
安藤サクラさん「BAD LANDS バッドランズ」
松岡茉優さん「愛にイナズマ」
宮沢りえさん「月」
吉永小百合さん「こんにちは、母さん」
といった感じだった。

ふむ。
両賞はかなり共通した人を選んでいる。
こうした賞で選ばれた人をあえて外そうとは思わないが、
私が選んだ女優賞候補はかなり違うラインナップになった。
その10人は以下のとおり。

「春画先生」から北香那さん
「女優は泣かない」から蓮佛美沙子さん
「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」から伊澤彩織さん
「銀河鉄道の父」から坂井真紀さん
「おとななじみ」から久間田琳加さん
「遠いところ」から花瀬琴音さん
「茶飲友達」から岡本玲さん
「波紋」から筒井真理子さん
「福田村事件」からコムアイさん
「あつい胸騒ぎ」から吉田美月喜さん

ここから3人に絞り込もう。

蓮佛美沙子さんは、「君に届け」以来ずっと応援している。
「女優は泣かない」でも魅力的だったが、女優賞となるとどうか。

「ベイビーわるきゅーれ」は、伊澤彩織さんがいてこその作品と感じる。
ただ、やはり続編は1作目には及ばず。

筒井真理子さんはいつも強烈。
それを言ってはなんだが、私が女優賞に選ばなくても。

「あつい胸騒ぎ」は、作品として素晴らしく、演出も俳優もみな見事だった。
吉田美月喜さんもよかったが、まだまだこれからの人。

「おとななじみ」の久間田琳加さんは、遅ればせながら去年発見させていただいた。
モデルとして人気らしいが、スクリーンで映える。
これからも観続けたいが、2023年の3人とまでは。

「福田村事件」に出ていた女優さんは、みな素晴らしかった。
コムアイさんを代表で挙げたが、他の方も全く遜色なかった。

「茶飲友達」の岡本玲さんは、立派な仕事をやり遂げられた。
選ばない理由はないが、ごめんなさい。

残った三人は、
「春画先生」から北香那さん
「銀河鉄道の父」から坂井真紀さん
「遠いところ」から花瀬琴音さん。

北香那さんは、私の大好きなアニメ映画「ペンギン・ハイウェイ」で、
主人公の小学生アオヤマ君の声を担当されていた方。
あれから4年、今度はこんなにエロい作品に出られるとは・・・。
「春画先生」という作品自体は、後半崩壊してしまうのだが、
それでも全編を楽しく観られるものにしていたのは北香那さんの功績大。
絡みのシーンが多いのだが、とてもキュートに演じられた。

坂井真紀さんは、女優としてもっともっと評価されてしかるべき人。
一定以上の年齢の方には、
東京ビューティーセンターのコマーシャルの『ぜったいきれいになってやる』のイメージが強いと思うが、
今の坂井さんは日本映画を支える名バイプレーヤー。
2023年だけでも「ロストケア」「銀河鉄道の父」「逃げきれた夢」「水は海に向かって流れる」「アナログ」で、
ピリッとした演技を披露された。
なかでも「銀河鉄道の父」での宮沢賢治の母役は素晴らしかった。

「遠いところ」は、痛い映画だった。
沖縄の生身の姿をえぐる作品に主演された花瀬琴音さんは役にずっぽりはまっておられ、
てっきり沖縄の人かと思いきや東京出身とのこと。
これからも遠いところに連れて行ってくれそうな注目の女優さんである。

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ロシアとの距離は遠のくばかり ~メドベージェフ氏の発信に失望~ [ヨモヤ]

ウクライナへの侵攻後、
日本とロシアの関係は悪化の一途を辿っている。

これはやむを得ない。
ロシアにはロシアの言い分があるのだろうが、
現在の日本の価値観とは相いれないものがある。

ただし、ロシアは隣人であり、
長く付き合ってきた歴史がある。
文化面でも大きな影響を受けてきた。
未来永劫ピリピリとした関係であり続けていいとは思えない。

しかし、メドベージェフ前大統領のSNSでの発信を読むと、
これはもう距離を取り続けるしかないのかと思えてしまう。
岸田首相が、施政方針演説でロシアとの領土問題の解決と平和条約締結の方針を堅持すると述べたこと対して反応したということだが、
伝えられている発信は以下のとおりである。

「『北方領土』に関する『日本人の感情』など知ったことではない」

「悲しむサムライは伝統的なやり方、切腹で人生を終わらせることができる。もちろん勇気があればだが」
こちらには切腹の場面の写真も添えられ、日本人をからかうような内容だったという。

さらに、
「広島と長崎を記憶から完全に消し、米国といちゃいちゃするのが楽しいのだ」
とまで。

これでは・・・。

一般の方の発信なら、
「単なる戯言」「いろいろな人がいる」
で済まされる。
しかし、現在も要職におられる前大統領のものとなると話は変わってくる。
ある意味、ロシアを代表しての言葉と受け取られても仕方がない。

日本とは一時的な関係悪化ではなく、
もうこれからずっとどうなってもいいとロシアの方々も考えているのだろうか。
だからもう何を言ってもいいと思っておられるのだろうか。
それは残念である。
もしそうならこちらも距離を置き続けるしかないが、
それでロシアの人もいいのだろうか。

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ここのところで読んだ30冊 [読書記録]

ここのところで読んだ30冊は以下のとおり。

「社会的共通資本」 宇沢 弘文
「暇と退屈の倫理学」 國分 功一郎
「スマホ脳」 アンデシュ・ハンセン
「卵の緒」 瀬尾 まいこ
「若者の読書離れというウソ」 飯田 一史
「なぜ、脱成長なのか」
「夢をかなえるゾウ2」 水野 敬也
「市場と権力」 佐々木 実
「君たちに明日はない」 垣根 涼介
「プリティが多すぎる」 大崎 梢
「ロケット・ササキ」 大西 康之
「国境を越えたスクラム」 山川 徹
「こぽこぽ珈琲」
「淀川八景」 藤野 恵美
「おれのおばさん」 佐川 光晴
「お探し物は図書室まで」 青山 美智子
「近江商人」 末永 国紀
「これ一冊で大人の発達障害がわかる本」
「ウィステリアと三人の女たち」 川上 未映子
「ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか?」
「できる大人の語彙力」 安田 正
「クビ!論」 梅森 浩一
「げんげと蛙」 草野 心平
「神様のいない日本シリーズ」 田中 慎弥
「少年譜」 伊集院 静
「星へ落ちる」 金原 ひとみ
「日本株はどこまで上がるか」
「編集者の読書論」 駒井 稔
「ボロボロになった人へ」 リリー・フランキー
「大人のための言い換え力」 石黒 圭
「英国立園芸協会とたのしむ植物のふしぎ」 ガイ・バーター

アンデシュ・ハンセンさんの「スマホ脳」は、遅ればせながらの読書。あまり期待していなかったのだが、引き込まれた。スマホ依存はいけません。
 
青山美智子さんの「お探し物は図書室まで」は、楽しく読める短編集。うまいなあ。

「ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか?」を読んだが、ここまで嫌われる理由は正直わからない。竹中さんにお世話になったという人のコメントは結構見るのだが、つながりがない人にはとことん嫌われている感じか。

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映画評 「サイレントラブ」 [映画評]

「ミッドナイトスワン」の内田英治さんの監督・脚本作品。
新しい代表作を撮らない限り、内田監督はずっと「ミッドナイトスワンの」と言われ続ける。
幸か不幸かこの作品の後も、
「ミッドナイトスワンの」と言われ続けることがほぼ確定している。

本作は、声を捨てた青年と視力を失った音大生の恋愛物語。
青年役に山田涼介さん。
音大生役に浜辺美波さん。
お綺麗なお二人を起用し、純度の高いラブストーリーを撮ろうとされたのだろうが、
設定もストーリーもトンデモ奇天烈で、
とてもではないが映画に入り込めない。

それぞれが意味不明の行動を連発。
さすがにこれでは感情移入ができない。
あそこをこうしたら、
というレベルではなく、ず~っとへんてこりん。

まあ、おとぎ話と割り切れば、へんてこりんでもいいのだが、
不要としか思えないバイオレンスシーンまであって。

やれやれ。
こうなるともうどうにもならない。

他の出演は、野村周平さんと古田新太さんくらい。
お二人の役柄もなんと言っていいのやら。

「サイレントラブ」は、どうしてこうなった的なヘンテコ映画。
何を狙ったのか常人の理解ははるかに超越、若しくは脱線している。

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